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第135話 なんだかんだで海水浴場に到着♪ ですが、意外な展開に戸惑ってます

 いよいよ今日は、待望の海水浴♪

 なので(みんな)を起こしてあげたのに、私は4人全員からハリセンを食らわされた。

 まぁ、王妃様達が来た時の様に、魔法でベッドを10(センチ)(ほど)の高さから落としたのがいけなかったんだけど…

 だからって座っていた椅子がブッ(こわ)れた上、床にめり込む様なパワーで(はた)かなくても…

 お(かげ)で私は失神し、朝食を食べ(そこ)なったまま出発したのだった。

 そして今、私はミリアさんの馬、アリアさんはミラーナさんの馬にそれぞれ同乗し、(いち)()海を目指している。


「お(なか)()いた~…」


「つまんない事するからよ。前にも王妃様達を同じ起こし方したから、(バツ)としてテーマパークの列に並ばされてたじゃない」


 ミリアさんが(あき)れた様に言う。

 ちょっと辛辣(しんらつ)だぞ…


「いやまぁ、あれなら絶対に起きるだろうと思ったんですよ… 特に今日は時間を無駄(ムダ)には出来ませんし…」


「だとしても普通に起こして下さいよ。さすがに、あの起こし方は心臓に悪いです」


 ミラーナさんの馬上から、アリアさんからのクレームが入る。


「腹が減っただけで済んで良かっただろ? 置いてきぼり食らうよりマシだと思うけどな」


 そりゃマシだけどさ…

 もしかしてミラーナさん、私を置いてくつもりだったんじゃ…


「そうそう、()って行かれるよりマシじゃん。てか、そんな話もミラーナさんから出てたけどね♪」


 やっぱり出てたんかい!

 起こし方が悪かったとは思うが、海水浴の提案者を置いてこうとするなよ!

 そもそも私を置いてったらBBQ(バーベキュー)セットを含め、荷物が何も無い状態なんだぞ!

 全部の荷物は昨日の夜、異空間収納に()()ってるんだからな!


「…じゃあ、エリカさんを置いて行ったら…」


「全員、()(ぱだか)で海水浴に(のぞ)む事になったでしょうね♪」


 …………………………………………


「それは(イヤ)ぁああああああっ!!!!」


 コラコラコラッ!

 ()(づな)から手を離して(もん)(ぜつ)するんじゃないっ!

 それでミリアさん(アンタ)が馬から落ちるのは勝手だけど、私まで振り落とされたらどうすんだ!


「アタシは誰も居ないなら(かま)わないと思うけど…」


 ミラーナさん…

 アンタの(しゅう)()(しん)は思ってたより()(はく)だな…


「私は平気ですけどね。エリカさんより出てるトコは出てますけど、まだまだ子供体型ですから」


 アリアさん…

 ケンカ売ってんのか?

 そりゃ、私は多少(ふく)らんでる(?)程度で、出てるとは言えないけど…

 いや、(ほとん)ど出てないとも言えるけど…

 アリアさんの子供体型に対し、幼児体型とも言えるけど…

 って、悲しくなるから考えるのは()めよう…


「さすがに私も()(ぱだか)だけは()だなぁ… んで、なんでエリカちゃん泣いてんの?」


 あらっ?

 ちょっと体型を気にしただけなんだけど、()()か涙がダバダバと…

 …なんてバカな会話を続けてると、(ようや)く海が見えてきた。


「「「海だぁああああああっ!!!! 海が見えたぁああああああっ!!!!」」」


 海が見えた事で、いきなりテンションMAX(マックス)のミラーナさん達。

 まぁ、私も前世で初めて海を見た時は似た様な反応をした覚えがあるな。

 そして私達は(ほど)()くして漁村(ノルン)に到着。

 宿屋で部屋を借りて水着に着替える。

 水着を見慣れていない人々の(しゅう)(もく)を集めながら馬に(また)がり、海水浴に(てき)した砂浜の()る場所へと向かう。

 馬を駆けさせて10分弱。

 ついに私達は海水浴場(仮)に到着。


 …………………………………………


 な・ん・だ・け・ど・!

 何故だ!

 何故ここに王妃様達が居るんだ!?


「は… 母上!? それにキャサリン、ロザンヌ、フェルナンド、ローランドも!? しかも、その姿は…!?」


 海水浴場(仮)に着くと、そこには王妃様達が居たのだった。

 そして、何故か全員が水着姿。


「あら、海水浴に行くから社交パーティーを欠席すると連絡を()()したのはミラーナでしょう? 即座に緊急会議を開いて、(わたくし)達も海水浴に参加する事を()()()()()んですの♪ 子供達も(うらや)ましがってましたし、(わたくし)も海水浴とやらには興味がありましたからね♪」


 …強引(ごういん)に海水浴参加を認めさせたな?

 相変わらず()(ゆう)(ほん)(ぽう)な王妃様だな…

 もしかしたら、王妃としての自覚が無いんじゃないか?

 言えんし、聞けんけど…


「そ… それで父上は…?」


 国王陛下の姿は見えない。

 まぁ、国王って立場上、ここには来れないだろうけどな。


「陛下は残念ながら不参加です。陛下自身も海水浴には参加したかったらしいのですが、チュリジナム皇国との戦後賠償の話し合いもありますので、泣く泣く(あきら)めていらっしゃいましたね♪ 文字通り、泣いてましたけど♪」


 いや、『♪』ぢゃないから…

 てか国王陛下、マジで泣いたんかい…

 ミラーナさんが海水浴を理由に社交パーティーを欠席する(むね)を手紙に書いて送り、その手紙を読んだ()(じょ)(みな)さんが(うらや)ましがったり、海に行きたがったとは聞いたけど…

 本当に来るとは思わなかったぞ?

 いや、(イヤ)な予感はしてたけど…

 当然ながら、王妃様達の護衛も大勢──30名前後──来ている。

 さすがに(かれ)()までが海水浴に(きょう)じるとは思えないが…

 こんな状態で私達は海水浴を楽しめるのだろうか?

 とりあえず、BBQ(バーベキュー)用の肉や野菜は買い足さなきゃダメだろうか…?

 充分過ぎる(ほど)の量を用意してるから、足りるとは思うけど…

 なんか私、(メシ)()きババアならぬ肉・野菜焼きババアになりそうな予感が…

 …て、誰がババアやねんっ!

 言ったのは私ですか、そうですか…

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