第101話 新たな戦争の火種… に、ならない事を祈ります
8月5日(金曜、代休)と6日(土曜、休日)を利用して、志摩スペイン村へ遊びに──5年振り──行ってました。
なので、初めて更新に3日開ける事に…
たまには良いですよね?
頼みますから、良いって言って下さい…
「まったく… 何なんだよ、あの魔法は…」
「反則ですよねぇ… 私達、何を悩んでたんだか…」
「どうやって捕虜の家族を探すかとか、どうやってイルモア王国まで連れて来るのかとか、考えようとしてたのに… 全部スッ飛ばされてんじゃん…」
「こんな事が可能なら、最初から言って欲しかったです…」
私はミラーナさん、ミリアさん、モーリィさん、アリアさんに囲まれ、クレームを付けられている。
いや、魔法で召還した方が安全だし…
そもそも18人の将校達の家族を、どうやって全員イルモア王国に亡命させるんだよ…
「いや… それを言われると…」
「確かに… 他に方法は無いのかも…」
「う~ん… 居場所も判んないし… 感付かれると人質に取られるって事も…」
「それらを回避して全員を救出するなんて、やっぱりエリカさんは凄いです!」
アリアさん…
簡単に手の平を返すなよ…
アンタを見る皆の目がジト目になってるぞ?
「まぁ、結果としてハングリル軍の捕虜… 将校… 貴族達の家族はイルモア王国に来ましたし、早馬で王都に知らせた方が良いでしょうね」
「そ… そうだな、すぐ父上に手紙を書こう」
言ってミラーナさんは立ち上がる。
なら、私達に出来る事は…
「じゃ、私達はお風呂に入って寝ましょう♪」
「「「少しは緊張感のある事を言わんかいっ!!!!」」」
すぱぱぱぁあああああんっ!!!!
アリアさん以外の3人のハリセンが私の顔面に炸裂した。
な… 何故…?
─────────────────
私達はロザミア中の宿屋を駆け回り、何とか18家族分の部屋を確保した。
なにしろ総勢83名──最少3名、最多5名──の部屋を確保するのに、一つや二つの宿屋で事足りるワケが無い。
突然ロザミアに召還された事に対する説明もしなければならない。
全員、何が起こったのかとオロオロしてたし…
ちなみにバーグマン氏とシュルンマック氏は、事の成り行きを呆然と眺めていた。
いや、自分達が亡命した事や、ヴィランに囚われている家長──ハングリル王国の元・貴族──達にも亡命を促している事を説明していたけど。
勿論、それを聞いた家族達は大喜び。
そりゃそうだろう。
もしかしたらチュリジナム皇国に人質として捕えられたり、状況次第では見せしめに公開処刑されていたかも知れないのだ。
それを考えれば、突然ロザミアに召還された事など微々たる問題。
召還に関しては、私が説明せざるを得なかった。
実際、召還したのは私だし。
その結果、助かった事には感謝されたが、あまりにも非常識な魔法だと喧々囂々。
ならば元の場所に戻そうかと提案したら、ミラーナさん達からハリセンを食らわされた。
なんでやねんっ!
「まあまあ… 貴殿達がエリカちゃんの事を非常識だと思うのも仕方が無い」
18組の家族を宥め、落ち着かせるミラーナさん。
ど~ゆ~意味だ、コラ。
「だがな、その非常識な魔法をエリカちゃんが使えるからこそ、貴殿達は助かったんだ。それに異論は無いだろう?」
少しばかりザワついたが、全員がミラーナさんの言葉に納得する。
私は何か引っ掛かるんだが…
周りを見ると、ミリアさん達は勿論だが、バーグマン氏やシュルンマック氏も納得顔で頷いている。
全員、半殺し決定だな。
……………………
…すいません、冗談です…
「まぁ、私の魔法の能力云々はともかくとして、現段階でチュリジナム皇国側は私達に対して何も行動は起こせないでしょう」
私も気を取り直して捕捉(?)説明を行う。
ミラーナさんに説明の主導権を握られていたら、何を言われるか分かったモンじゃないからな。
「ミラーナさんには、ロザミア国王に早馬で知らせて貰います」
言いつつミラーナさんを見る。
ハッとした表情で手紙を書き始めるミラーナさん。
…手紙を書く事、忘れてたな?
「と、ご覧の様にミラーナさんがロザミア国王… 彼女の父親に知らせるべく手紙を書いてますので安心して下さい」
ロザミア国王=ミラーナさんの父親と聞いて愕然とする一同。
そりゃ信じられないよねぇ…
見た目からして王女様とは思えないからなぁ。
何処の世界にライトアーマーを着込んで大振りの両手剣を持ってる王女様が居るんだか…
それはともかく… だ。
「ところで、皆さんに頼みたい事があるんですが… 勿論、強制ではありませんので、断って下さっても構いません。協力して頂いても頂かなくても、損も得もありませんから… 今からする私の説明を聞いて、各々で判断して下さい。それと、実行して頂くのは奥方様のみです」
訝しげな表情の奥方様一同。
だが、協力と言っても簡単な事。
手紙を書くだけだ。
ただし、相手はチュリジナム皇国の皇帝に対して。
内容は、前の戦争で捕虜となったハングリル王国の貴族全員がイルモア王国に亡命する事。
そして、その家族も全員がイルモア王国に亡命する事。
更に、既に全員がイルモア王国に脱出済みであり、捕らえる事は不可能である事。
ついでに、亡命したハングリル王国の貴族全員が、イルモア王国から〝それなりの身分を保証されている事〟を書くだけだ。
最後の〝それなりの身分を保証されている〟ってのは嘘だが、イルモア国王が亡命を促している事もあるので、あながち嘘とは言えないだろう。
元の爵位──特に王族の血縁である公爵位──は無理だろうが、最低で男爵位~最高で伯爵位は可能だろう。
多分…
私がそう言うと、奥方達は喜色満面で協力を申し出てくれた。
いゃ、多分だからね?
確実に身分が保証されるとは言ってないからね?
元の爵位に返り咲けなかったからって、後で文句言わないでね?
私、元の身分が保証されているとは一言も言ってないからね?
まぁ、そもそも亡命した時点で元の身分に戻れるとは思ってないだろうけど。
いくらか下の身分に墜ちる覚悟はしているだろうと思いたい。
勿論、杞憂だった。
さすがに貴族の家族なだけの事はある。
全員、その程度の事は考えていた様だ。
ならば、後はチュリジナム皇国の出方を窺うのみ。
もし、皇国がイルモア王国に戦争でも仕掛けるなら、迎え撃つだけだ。
シュルンマック氏から聞いた話では、皇国は前の戦争で20万もの兵士をハングリル王国に貸し出して壊滅したばかり。
簡単には戦争に踏み切れないだろう。
それでもイルモア王国と戦争するってんなら、前の戦争より酷い結末を迎える事になるのは想像に難くない。
なにせ、こちらにはミラーナさんやミリアさん、モーリィさんという、ゾンビより質の悪いバ○モノが居るんだからな。
勿論、後方には私という〝死んでさえいなければ、どんな重傷でも一瞬で完治させる魔法医〟が居るのだ。
負ける要素は皆無と言っても過言では無いだろう。
チュリジナム皇国の皇帝よ、貴殿が変な思想を抱いていない事を祈る。
…なんちゃって♪
スペイン村への往復…
正直、疲れました(苦笑)
まぁ、車を運転できるのは俺だけなんで仕方無いですね。
車の運転自体は好きなので苦にならないんですが、疲れるのだけはどうしようもありません。
それでも楽しんでますけど(苦笑)
皆さんは、『疲れるけど好きな事』『好きだけど疲れる事』ってありますか?
『感想』にでも書いて下さると嬉しいです♪