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センパイと僕の…… これから。

最 終 回 !!

「それでは…… お世話になりましたっス」


「あ…… ああ…… まぁ元気でやれよ?」


僕は職員室の入り口で担任の先生にお辞儀をする。


別に先生にあんまお世話になった記憶ないけど……


「ありがとうございます…… それでは」


僕はそう言って職員室を後にする。


「ふむ……」


学校の廊下を歩く僕。


今日は本当にいい天気で、中庭に咲いている梅がとてもきれいだ。


梅ってちっちゃて可愛いっスね。


もうすぐ僕の大嫌いな冬も終わるっスよ。


春になったら沢山お昼ねするっス。


「はぁ……」


僕は手に息を吐いて暖める。


まだ超さむいっスよ…… 早くセンパイに暖めてもらお。


「んしょ……」


僕は昇降口の下駄箱から、自分のローファーを取り出す。


あ…… 


そっか…… もう上履きは戻す必要は無いんすね。


さて…… 


帰りますか。


「朱音ちゃん!!」


その時…… 僕の名前を呼ぶ大きな声がした。


「……………ユキさん」


僕の大事な友達…… ユキさんだ。


「あ、 あ…… あかねちゃん!!」


「は… はい……!」


ユキさんはダッシュで僕に近寄ってきて、そして僕の手を掴む。


めっちゃ力強いっスね……


「が、がっこう辞めるって…… 本当!!??」


ユキさんは泣きそうな顔で僕にそう言う。


僕はそれに……


「…………………………………はい」


笑顔で答えた。






「ぁ……………………………………」


ユキさんは…… そんな僕を見て、何も言わない。


ただ、まじまじと僕の事を見ている。


そして……






「しあわせ…… なんだね?」


ちょっと寂しそうな笑顔で…… そう言ってくれた。


「はい…… すごく」


だから僕もそれに笑顔で答える。


「…………………………」


「…………………………」


僕たちはしばらく見詰め合って…… 


そして……


「遊びに行くね?」


「ぜひ」


「電話も沢山していい?」


「楽しみにしてます」


「メールも送っていいかな?」


「喜んで」


僕はユキさんの手をきゅっと握る。


ユキさんも僕の手を優しくとってくれた。


「あかねちゃん……」


「ユキさん……」


ユキさんは……


「いっぱい…… 幸せになってね?」


優しく、涙を浮かべて微笑んでくれた。


「…………………………はい」


不覚にも…… 


僕も泣いてしまった。


「うぁあああああ!! やっぱ朱音ちゃんかわいぃぃぃ!!」


「ひゃう!?」


僕は思い切りユキさんに抱きしめられたのだった。


――――


僕は学校の並木道を歩いて、そして校門へと向かう。


「この景色も…… 見納めっスね」


僕はぐるりと学校を見回して、そして最後に校門を見やる。


そこには……


「終わったのか?」


「はい……」


僕のセンパイが…… お迎えにきてくれていた。


「別に…… わざわざ校則に従って退学しなくてもいいんだぞ? 理事は俺なんだから…… いくらでも校則なんて変えてやる」


センパイは僕を見てそう言ってくれる。


「いいですよ……」


僕はセンパイに近寄って、笑顔で見上げる。


そして冷え切った手をセンパイに出す。


センパイは何も言わずに、僕の手を包んで暖めてくれる。


うん…… 


センパイってやっぱぬくいです。


「これは僕のケジメなんです…… センパイの子供を産むんだから覚悟をしたいんです」


僕はセンパイを見つめて言う。


「それに子供が生まれたら学校どころじゃないでしょう……?」


まぁ…… そのうちに高卒の検定くらいは取ろうかな?


そんで、大学をこの子と一緒に受けに行ってもいいかも。


僕の誕生日は3月でまだ15だから…… 33歳かぁ…… まだいけるかも?


うん…… それはそれで楽しそうかも。


「なぁ……」


「なんですか?」


センパイは僕の手を温めながら、僕を見つめる。


少しだけ…… 申し訳なさそうな顔でそう言う。


「お前はさ…… いや、まぁ、俺が無理やりこうしちまったんだけどさ……」


ちょっと言いにくそうにして言葉を続けるセンパイ。


「その…… これで良かったか?」


センパイ。


……………いまさらっスよ。


「センパイ…… 僕にキスしてください」


「え?」


「いいから」


「お、おう」


センパイは身をかがめる、僕は背伸びをする。


顔と顔が近づいて……


冷たく冷えた唇が…… 温かく触れ合う。


「ん………」


僕は唇を離して、そしてセンパイに微笑む。


「わかりましたか?」


そして、センパイに腕を絡めて、センパイの隣に並ぶ。


センパイは……


「ああ…… わかった」


そう言って僕に…… 微笑んだ。


「行きましょうか?」


「ああ」


僕たちは学校を後にして…… 歩き出した。


二人一緒に…… 同じ道を歩き出したのだった。





























「ねぇ…… 蒼之助さん?」


「え?」


「もうセンパイじゃないでしょ? だって僕はもう退学になったんスから」


「あ、ああ……」


「それに……… 僕はもう、あなたの奥さんなんスからね」


「ああ…… そうだな」







「一緒に…… 幸せになりましょうね? 蒼之助さん?」


「おう……」









まぁ…… 僕はもう幸せですけどね? 


センパイ。


いやぁ、終わりましたねぇ。


かなり終わりましたよこれ……


過去二作品より、一番終わりっぽい終わり方したんじゃないでしょうか?


てか、意外と長くなっちゃったなぁ。


うん、楽しかったけど…… やっぱり今後はエロ含めて10話くらいの構成で行こう。


うん。


あ、ちなみに次回作は活動報告のBで行きます!!


投票の結果そう相成りましたぁ!! パチパチ!!


そんな訳で次回作「秋ちゃんは僕だけを見てれば良いと思うよッ!」が近日公開カミングスーン!!


乞うご期待!!




以下あとがき



ええと、本当にこの作品にお付き合いいただきありがとうございました。


この作品の主人公朱音は皆さんに大変愛して頂き、本当にありがたい限りでございました。


てか、朱音マジかわいいなぁ……


うふふ、彼女は僕の脳内で生き続けます。(終わってる発言


まぁ、機会があればエクストラエピソードとか書こうと思います。


具体的には、息子に溺愛されながら大学見学に行く朱音のエピソード。


朱音は大人になってもびっくりするくらい見た目が変わっていません。


そして、「雄之助…… 僕が一番好きなのは蒼之助さんで君じゃないです」って言って先輩に抱きついて、先輩が息子に渾身のドヤ顔を食らわせる…… そんな話が書きたいです。(キリッ



最後に朱音について



宮前朱音


基本的にダルダルだけど、やるべきことはやるし、好きな人の為ならめんどくさい事でも頑張る、真面目な子。


あと、生来の甘えん坊の為甘えさせてくれる人に弱い。


情が深くて、一度愛した人は殺されても愛し続けるタイプ。


先輩にどっぷりと甘えさせられ、見事公明の罠にはまってしまったアホな子。


でも彼女が幸せならそれで良いではないですか…… ねえ?


当初はもっとつんつんした子だったけど、最終的に超甘えんぼキャラへと成長。


やめてくださいっスどこいった?


目標の「なにいわせるんスか…… バカ」も言わせられなかった。


次回の課題。


でも、これはこれで満足。


結局、妊娠して退学になった朱音。


色々甘甘だけど、「先輩に人生を狂わされた」と言うことだけは忘れてはならない。


甘いだけでは終わらないのがユウシャ作品。


まぁ、甘いけども。








そんな感じでございましょうか?


では改めまして、この作品を愛してくださって本当にありがとうございます。


これからも頑張って萌えTSを量産していきたいと思います!


それではこれからもよろしく!!


では次回作で!!


あ…… あと、最後にこの作品の評価ポイントとかくれたら個人的に嬉しいなとか思ったり思わなかったり。


いや、まあ思ってるけども。




では、また会いましょう。




ユウシャ・アイウエオン

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