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AIちゃんと私  作者: のどあめ


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3/3

AI生成小説はサクラダ・ファミリアに似ている

半分以上がガウディとサクラダ・ファミリアについて語ってますがご容赦ください。

 サクラダ・ファミリアとAIちゃんが生成した小説は似ている。


 こんな事を言ったら「のどあめよ、世界遺産になってる歴史的建造物とAI生成小説が似ているだなんて。おまえは何を言っているんだ?」と呆れられそうですが、少しおつきあい頂けますでしょうか。


 正確には現(・)在(・)の(・)サクラダ・ファミリアがAI補助作品、AI間接利用作品に似ているというお話です。


 言わずと知れたサクラダ・ファミリアはスペインのバルセロナにある建築家アントニオ・ガウディの未完の大作。百年経ってもまだ建築中です。


 自然の造形を愛したガウディ。それは彼の作品のフォルムに現れています。角ばった現代建築にはあり得ないカタツムリやトカゲや波を模したデザインを採用しています。初期のサクラダ・ファミリア、特に生誕のファサード(外壁)は建築当時に教会周りの野原に咲いていた花やカエル、カタツムリが彫刻されていて見飽きないほど素敵なんです。ちょっと分野は違うけど伊藤若冲に似ているかも。


 現在のバルセロナのオーバーツーリズムはだいたいこの人のせいだったりする。サクラダ・ファミリアもピカソ美術館もグエル公園もみ〜んな入場予約が必要という、気の向くままにふらっと入りたい私の様な人間には地獄のような場所、バルセロナになってしまいました。


 さて。昔昔の大昔、初めてサクラダ・ファミリアを訪れた時は完成まであと二百年近くかかると言われていました。


 当時は古い石塔と生誕のファサードが建っているだけであとは工場現場だったサクラダ・ファミリア。オフシーズンで観光客はまばら。尖塔もたいして並ばずに登れました。螺旋階段は若くても結構きつかった。そこかしこに石材が散らばっていて、石を削る職人さんがいたのを覚えています。


 何十年ぶりに再訪したらですね、建設現場だった所に立派な聖堂が建っているではありませんか。のどあめ、びっくり。


 本筋からそれるので詳細は割愛しますが、ここ三十年の技術革新の産物である3DプリンターやCNC加工機(プログラミングで掘削加工する機械らしい)そして鉄筋コンクリートの導入で工期が半減したらしいです。文明万歳。


 しかし、そうして出来上がった新しい塔や装飾は正直いって微妙でした。


 全体は素晴らしいですよ?でも間近で新しい部分を見ると小綺麗だけどの(・)っ(・)ぺ(・)り(・)としていたのです。――工業製品組み込んだ訳だから仕方ないけどさあ。もう癖が無さすぎて小綺麗すぎて初期の彫刻に比べると明らかに見劣りしているのよ。


 外壁の彫刻も場所によっては、もろコンクリートという感じで興醒めでした。ちなみに、サクラダ・ファミリアは生前アントニオ・ガウディが手がけた部分だけが世界遺産に認定されています。


 で、タイトルに戻ります。

 なんか似ていると思ったのです。今のサクラダ・ファミリアがAI生成小説と。鉄筋コンクリートにコンピュータ制御で切り出した無機質な装飾がAIちゃんが生成した文章に重なったのだ。


 気持ちはすごく分かりますよ。


「俺のサクラダ・ファミリアを完成させたいんだ!でも全部手造りじゃ技術も無いし金もかかるし、なにより生きているうちに完成しない。俺は、俺は。生きているうちに自分の作品を完成させたいんだ〜!」


 実際、樹木の内部を模した聖堂の中身は複雑過ぎて全部手造りだと永遠に終わらない気がします。


 そんな気持ちは確実に私の中にもあります。


 でもね。仮に「俺がガウディの考えを鉄筋コンクリートや3Dプリンターを使って再現したんだ、だからこれも初期の塔や彫刻群と同じく世界遺産と認めてくれよ」と言われたら、それは違うだろうと大半の人はなるでしょう。ここらへんもね、AIで議論されている問題――AI補助作品、A間接使用作品の扱いね――と似ている。



 今のサクラダ・ファミリアは手造りの部分とそうでない部分の差がくっきりしすぎて、アンバランスなキメラみたいです。率直に言うと初期の手造りの部分は素晴らしいのに、工業製品である鉄筋コンクリートの部分が浮き上がっていて残念です。


 これ、AI補助利用、AI間接利用やAI生成一部取り入れてる作品を読んでいる時の感想に似ています。もろAI生成のセリフのやりとりを読んで、せっかくオリジナルな発想は素晴らしいのに残念だなと思うやつ。


 AI生成小説が嫌いな読者さまから見るとAI補助、AI間接利用の作品はもっと歪なキメラに見えるのでしょうね。サクラダ・ファミリアみたいに。


 その時はそう感じて、すぐに忘れていたのです。つい最近、とあるユーザー様のご意見を拝読するまでは。

続きます。たぶん。


参考

「工期150年短縮! サグラダ・ファミリアで3DやCNCが活躍」

https://xtech.nikkei.com/kn/article/it/column/20140829/675151/


↑この方も似たような感想を書いていました。歴史的建造物に鉄筋コンクリートはミスマッチですね。完成を取るか完成度を取るか難しいところ。なおサクラダ・ファミリアは土地買収の関係で完成までまだ時間がかかるそうです。

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