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プロローグ1

「クラト√クリアしました! 評判通りの良シナリオでしたがスチル回収のためにバッドエンド見るのがつらくて……。個人的にヒロインと結ばれないと不幸になるキャラがいると他ルートに行きにくいので、最後に攻略して正解でした」


 頭の中で、自分の書いたレビューが回っている。人気乙女ゲーム『千の呪いと一つの恋』、通称『千恋』の隠しキャラクター、クラトを攻略した時のものだ。


 名作、泣いた、隠しルートこそが正史。そんなレビューが並ぶクラトが、私はあまり好きじゃなかった。苦手寄りと言っても良かった。公式の贔屓を感じたからだ。


 一人だけ共通ルートから外れていて、後半のシナリオは主題歌の歌詞と完全に合致。作画も恵まれている。私が好きなキャラなんて、エンディングスチルのひどさがいまだにSNSでいじられているのに。


 だから常々思っていた。いくらシナリオの完成度が高くても、クラトにときめくことはないと。悲劇、感動みたいな要素に全振りしていて、キャラクターとしての魅力は乏しい。ヒロイン、ラズリにはもっと相応しい相手がいると。


 ――まさか自分が『千恋』の世界に転生するなんて、その結果、すでに心に決めた相手のいるヒロインのために命を落とす男をサブキャラとして見守る羽目になるなんて、夢にも思わなかったから。

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