8.知の試練
皆さんあけましておめでとうございます
三が日は如何お過ごしでしたでしょうか
僕は実家でぐうたらしてました。
というわけで新年1発目、どうぞ
門を潜ったユートを出迎えたのは、文字通り何もない真白な空間だった。
まるで、「最初に力場を生成した時のような」場所に投げ出されたユートは、浮遊能力を発動させながら、試験の指示を待っていた。
暫くすると、声が響いた。
「お待たせしました。第二の試験項目である“知の試練”についての説明をさせていただきます。
今から私が指示した物を、各20秒以内に生成して頂きます。
その出来栄えで配点を行いたいと思います。
精製は各10点、10個の物を精製していただきます。
では早速、第1問
”ちゃんと動く巨大ロボット“を精製してください。
では、始め」
その声を聞いた瞬間、ユートは頭の中にあるロボットに必要な要素を瞬時に考える
内部から覗けるカメラは?動力は?関節部の機構は?神経回路は?命令伝達方法は?
とにかくフィーリングと、頭に浮かぶシルエットを形にすることに注力しながら、使える異能を総動員してロボットを生成する。
18秒のあたりには、ガが付きそうな巨大ロボットが完成した。
ユートは所謂リアルロボット派なのである。
ついでに残りの1秒で自分とロボットの立てる地面を生成し、浮遊能力でそのままコクピットへと座り、ポーズを取らせた。
「…だいぶ余裕ですね。骨子でも完成すれば満点と思っていたのですが。」
先に言った通り、時間を遅らせることが出来ないため、本当に20秒で全てを終わらせなければならない為、この設問は精々“動けばいい”ぐらいの感覚であったのだ。
そこで完璧に“オープニングでとるあのポーズ”までしてみせるユートに、フェムトは驚いていた。
無言で得意げな顔のユートに、二問目が言い渡される。
「ではそのロボットを、100分の1サイズにして、尚且つ動くようにしてください。」
コックピットの中で、一瞬でそれを終え、おまけにリモコンまで作ってみせるユート
「早いですね、ではそれを私に転送して下さい。」
何か変だと思いながらも、手元に空いたゲートにロボットとリモコンを突っ込むユート
「では今度は原寸の144分の1サイズのものをお願いします」
「え、気に入ってくれたの?これ欲しいの?」
思わず突っ込むユート。
「いえいえ、これは試験ですので、小規模サイズになった時の精度を見ているんですよ。
…すげーフライトユニットも付いてるしビームも打てるよこれ!いっけー!私の愛機!
あっやば通信切ってなかった」
「やっぱ遊んでるじゃないですか!」
「おほん、空気を読むことを覚えた方が良いですよ。それでHGのほうは出来たんですか?」
「もうHGって言っちゃったし!これですよこれ!」
そんな問答をしながら、またリモコンと更に小さいロボットを突っ込むユート
「おおー!これHGっていうよりRGですよ!」
「もしかしてこの模型クイズ毎回出してます?」
「失敬な!知の試練といってください!オラザクみたいなもんです!」
そんな反論に頭を抱えるユート
「…えっと、残りの問題を」
そんなユートに、フェムトはあっけらかんと
こう反論した。
「ああ、ユートさんもう満点だしテストこれ以降出す意味がないので、通過でーす。おめでとうございまーす。」
「10点満点の10設問じゃないんですか!?」
驚くユートにフェムトは続ける
「いやー、クオリティ的にこれ以上試験しても意味ないかなーって
33点33点34点で配点しときましたんで、通過で大丈夫です。
あ、そのロボットも置いといてくださいね あとで遊ぶので。」
(もう遊ぶって言い切ったよこいつ…)
「あっ!上司に向かってこいつとはなんですか!配点減らしますよ!」
「せめて心の試練の時にあった威厳が1ミリでも残ってれば思わなかったと思うんですよね!」
そんなこんなで、ユートは知の試練も無事乗り切ることができた。
得点は、100点中98点になっていた。




