10.死後及び生前に於ける将来設計 -キャラメイク編-
ようやくキャラメイク編です。
でもわりとあっさり終わります。
世界登録番号 000001749448311
「剣と魔法の世界」
世界発生から現在までの期間(年):20億8438万3281年
現存精霊: 地 水 火 風 雷 光 闇 魔法
現存種族神:人間 ドワーフ エルフ ノーム オーク ゴブリン スライム ドラゴン 魔人
文明レベル:E+(作者注:地球で言う中世ぐらい。地球現代はCランクぐらいです。)
転生者魂魄定着期間:4年7ヶ月
転生事象安定期:679年後
ユートが郁也に提示した資料には、以上の内容が映し出されていた。
ユートの目に留まった理由は、無論「名前がわかりやすかったから」である。
他は「イ◯ァリース」だとか「アスト◯ティア」だとか「ヴァナ◯ディール」だとか…ぱっと見でどう言う世界かわからないものが多かったのだ。
万が一にも希望に添えない転生をしてしまうと、転生者に多大な迷惑をかけてしまう。というわけで、ユートはこのわかりやすい名前の世界を選んだ。
「はい、その世界でお願いします。」
「オーケー、じゃあこの世界に、今から680年後、5歳ぐらいのタイミングで転生するように手配するな。」
「ありがとうございます。ユート様」
「いやむしろ感謝するのはこっちの方だ、決定が早いおかげでスラスラ仕事が進む。」
実際、吹っ切れてからの郁也くんは、人生のかかった判断を割とスパっと決めていった。
そうして出来上がったパラメーターがこれである。
イクヤ
境遇:平民の息子
レベル:1
力:120 常人指標:5
素早さ:250 常人指標:3
体力:100 常人指標:2
魔力:400 常人指標:5
運:120 常人指標:2
異能
トレース技術(見た行動の方法・手段をすぐ理解し、模倣できる能力)
賢者の知恵(魔法技能を感覚的に全て最初から使用可能な能力)
剣神の腕(剣術技能を感覚的に理解し、達人級の剣術行使が可能となる能力)
記憶引き継ぎ(文字通り)
ポイント残量:140P
「1870ポイントって、これほど恐ろしい能力がつく上まだポイントが余るんですね…」
そう言いながら郁也は若干引いていた。
付与する側のユートも引いていた。
「後140ポイントあるんですけど、何に使うのがいいでしょう?」
郁也は、ユートにそう問いかけた。
「うーん…この時点で大分めちゃくちゃだから逆に何入れるか迷うよなこれ…そうだ。今のこのパラメーターは、レベル1の時の能力なんだ。10p上げる毎に、初期レベルが1上がって行く。なんてこともできるぞ。
140P持ってるってことは、14まで上げられる。
このレベル1の値がレベル毎に加算されてくから、この能力値を全部14倍にしちまうことが出来るぞ?」
「うーん…レベルの上がりやすさって、能力に左右されたりするんですか?」
「世界にもよるが、この世界は一定だな。レベルに応じて経験値がいくつって決まってて、減衰がないような世界になってる。」
実は鍛錬にも世界によってシステムの違いが存在する。
一部の例外もあるが、大体が下記の三つに分類されている。
1.単純な鍛錬で能力自体が伸びる世界
2.モンスターを倒すことによって、モンスターの魔力や魔素といった要素が体に取り込まれ、それが一定以上になると力が上がる世界
3.1と2が合わさった感じの、自分より強い敵を倒した時に能力が上がりやすい世界
そして、郁也の行く世界はその二番目に当たる「レベル制」の世界となっていた。
郁也は考えた末、一つの結論に至った。
「うーん、それなら最初の能力値を上げていったほうが丸特な気がしますね。結局レベルは能力にかこつけて上げようと思えば上げられそうですし。決めました!」
そういって、郁也はパラメータの数字を以下のように書き換えた。
イクヤ
境遇:平民の息子
レベル:1
力:190 常人指標:5
素早さ:250 常人指標:3
体力:170 常人指標:2
魔力:400 常人指標:5
運:120 常人指標:2
異能
トレース技術
賢者の知恵
剣神の腕
記憶引き継ぎ
ポイント残量:0P
「ユートさん、これでお願いします!」
何かやりきったような顔で、郁也はそう言った。
「了解、じゃあこれで手続きしちゃうな。」
そう言って、ユートは二級神・ヨークに向けて、「酔った勢いで作ったキャラシート」のような今回の転生に関する資料を送った。
(ヨーク様、転生者の手続き資料が出来ましたのでお送り致しました。
後で確認しておいてくださいね。)
(転生第一号さんの資料ですね わかりました、あと少ししたら確認しますので少々お待ちください。)
とりあえず手続きの終わったユートは、ふぅ、と安堵の息を漏らした。
「・・・よし、じゃあ手続き終わるまで暇だな。ちょっと運動でもするか。」
そう言って、ユートは親指で、酒場の扉のほうを指差した
「運動・・・ですか?」
きょとんとした様子で、郁也はそう返す。
「その能力、俺に向かって試してみたくない?幸い俺は神様だから死なないし、何より郁也くんの何億倍も強い。このあと始まる人生通しても、全力で切りかかれる相手なんて俺だけかもしれないぜ?」
挑発するように、ユートはそう言った。
次回、「東雲明子、人生初の戦闘描写」となります
こればっかりは筆が進まないかもしれません・・・