咲希ちゃんからの罰
「春香さんおはようございますっす」
「美心ちゃんおはよう」
この前の二日酔いとはうってかわって元気な様子だが何かおかしい美心、しかも今日はいつもより来るのが早いのだ。
「この前のお詫びにケーキ買ってきたっす」
丁寧に頭まで下げて渡してくるので何かあるのでは勘ぐってしまう。
「どうしたの?そんな殊勝な態度で」
「私を首にしないで下さいっす」
何処からそんな話がでたのかわからないと私は、頭をフル回転させてある事を思い付いた。
「もう少し黙っていたかったけど、その話聞いちゃったか」
「やっぱり咲希ちゃんが言った事は本当だったんすね」
涙目になりしょんぼり肩を落とす美心
咲希ちゃんもたまにこういう意地悪するよねと思いつつ、これは流石に可哀想だと思ったので、話しを変える為にとりあえず美心ちゃんに十二話の原作を読んでもらおう。早く咲希ちゃん来て!!
◇◇◇◇◇
「じゃあ~三人はそれで決まりだな、そこの冒険者のお姉さんはどうするつもりだ」
「私はあの二人を殺したあいつらが憎い、だから孤児院卒の冒険者を探して復讐に手を貸してくれる仲間を探すわ」
アランさんの問いに憎しみがこもった強い瞳で返事を返す女性冒険者。
「俺も戦力集め手伝うぞ、隣の国の騎士団にあてがあるからな」
奴隷商のおじさんドイルもやる気充分に名乗りを上げ、他の町の人達も協力してくれるみたいだ。
「そうだな、各自戦力を整えるとするか、俺もホームのタツノ共和国に戻ったら皆に報せるよ」
「仲間集めと、お嬢ちゃん達も参加となると、今から鍛えて三年後くらいに決行でどうだ」
「そうするか、じゃあ~帰ってから早速スズ達の特訓だな」
アランとドイルとの間で話が進み、他に連絡手段等細かい事を決め話が終わった。
「それじゃあ~俺達のホームに帰るとするか」
アランさんが私達を見て笑顔を向けてくれた。私達もそれに応える様に元気良く返事を返した。
◇◇◇◇◇
美心が十二話の原作を読み終わったようで
「これが私の最後の仕事なんすね」
更に落ち込みを見せる美心
(私も悪のりし過ぎたな)
と心の中で反省し、どうやってネタばらししようかと考えていると、咲希ちゃんがようやく来てくれた。
「おはようございます春香先生と美心ちゃん」
「おはよう咲希ちゃん」
「おはようっす」
「美心ちゃん元気ないけどどうしたの?」
「私やっぱり首みたいっす」
「あれ?あれは嘘だったはずだけど」
「えっ?咲希ちゃんの嘘だったっすか?けど春香先生に聞いたら首だって」
「あれは私もつい悪のりしちゃって」
それを聞いた美心えっ?と大きく目を見開き、涙を流しながら笑顔で
「二人とも酷いっす」
ポカポカ叩いてくるのだった。
「どうして咲希ちゃんはあんな嘘ついたの?」
「二日酔いで迷惑かけた罰です」
やっぱりかと思い苦笑いする私でした。




