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No.4 スキルゲットだぜっ……?


 先ほどまでスライム達と戦っていたボス部屋の中央にまさしく魔法陣と呼べそうな謎の陣が現れた。


「おいおい……心の中で「はい」って思っても『意思あり』とみなすのかよ」


 光り輝く魔法陣から現れたのは鎧兵だった。

フルプレートアーマーのため中の顔はわからないがガシャガシャと立ち上がり剣を抜いた。

そしてなんの余興もなくぬいた剣で切り掛かってくる鎧兵。


「なんの説明もなしかよっ!」


 苦言を呈しながらも初撃から縦の大振りを仕掛けてきた鎧兵をバックステップで回避しつつ棍を伸ばし鎧兵の胴体めがけなぎ払う。


「くっ、重(おっも)いなぁっ!」


 なぎ払いは確かに鎧兵に当たったが、そこは流石にフルプレートアーマー。その形(なり)は伊達でなく、重量故にほとんど手応え(ダメージ)はなさそうだった。


「これ最初にこいつと会ってたら勝てなかったかもなぁ……なんて。さっきからスライム倒すたびに体が軽くなってたからやりようによってはいけるか?」


鎧兵は先ほどの凛時の攻撃で大した攻撃力はないと踏んだのか、退がることなく攻撃を続けてくる。




「ちっ、こいつの体力は無尽蔵かよ」


 間断なく続く攻撃を既に5分ほど避けながら悪態を突く。両者ともに動きに乱れはなく、その時点で両者の体力が並外れたものではないことは確かだろう。

しかしこのままではキリがないことは明白、先に仕掛けたのは凛時であった。

鎧兵が縦の大振りをするまでは回避を続け、ついに鎧兵は初撃と同じような大振りを放った。

瞬間、凛時は半身になりつつ一息に間合いを詰め鎧兵の胸の前にまで躍り出た。


「これなら効くでしょ?ーー伸びろ」


 凛時は自在棍の先の片方を地面につけ、最大限まで棍を伸ばした。

反対側の棍先はキレイに鎧兵の顎に向かい伸びていき、ガコッ!と一度大きな音を立てたかと思うとそのまま勢いを落とすことなく天井まで伸びていった。

その一瞬の攻防は、鎧兵の兜が勢いよく吹っ飛んで行きガランッと地面に落ちるという結果に終わった。


「おしゃっ!これは結構効いたろっと…………なるほど……ね?」


 仮に鎧兵の中身が生身の人間であれば先ほどのような勢いで兜を飛ばされれば中の頭部もただでは済まないはずだった。しかし、ここはまるでゲームのようなダンジョンである。さらに重ねてこのダンジョンはスライムしか現れていない。

それはこの鎧兵も同じであった。兜の中から現れたのはスライムだった。色は青色。


「名付けるならスライムナイトってところかい?」


 兜は落ちた衝撃で割れたが、鎧兵は何事もなさそうに再度攻撃を仕掛けてきた。

そうして第2ラウンドは開始した。





ーー10分後


「まぁ、中身がスライムってわかればあとは作業ゲーだったな」

 凛時は鎧兵の中身がスライムだと判明してからは鎧の部位を少しずつ壊していき、スライムの核を見つけ出し破壊した。

「さて、これで本当に終わりってことでいいのかね?」


答えのないいつもの独り言をするが、今回に限っては答えがあった。


【ガーディアンの撃破を確認。初のダンジョンバトルクリアおめでとうございます。探索者No.001がダンジョンNo.36にて初めてのダンジョンバトルの達成を確認しました。探索者No.001がダンジョンNo.36・ダンジョンコアの所有権を獲得しました。後ほど報酬が支払われます】


「ふぅーおわったぁ、マジで久々に疲れたな」


凛時が一息ついていると、鎧兵が出てきた魔法陣が消え別の魔法陣が浮かび上がった。

すわ新手か?と思い構えをとると光る魔法陣から現れたのは漫画でよく見るような宝箱だった。

それも二つ。


「おぉ!これがさっき言ってた報酬ってやつか。これ開けても大丈夫なんだよな」


 恐る恐る自在棍を使って片方の蓋を開けてみる。宝箱はサイズが異なっているので小さいものから開けた。


「おお!これコインじゃん!うまいなこれは」


 小さい宝箱の中に入っていたのは金色に輝くコインが10枚。銀色のコインが30枚。銅色のコインが100枚だった。


「でもこれさすがに財布には入んないな。後で考えるか」


開けた宝箱は特に消える気配がなかったので、一度コインは中に置いておいてもう一つの方も開けてみる。


「おぉっ!これがかの伝説の………………リストバンドか」


 と、少しボケてみる凛時の掌には虹色に輝くコインが3枚。

そして宝箱の中には金色のコインが30枚、銀色のコインが100枚……そして直径10センチほどの黒色の水晶。同じく真っ黒のリストバンドが1つ、灰色のリストバンドが2つだった。


「虹コインは後で一回ガチャしてみよう。その前にリストバンドの方の説明を調べてみるか」





ーー



 さて、いろいろ調べてみたがなかなか便利なリストバンドだなこれ。

この灰色のリストバンド、ゲームでいうところのアイテムボックスみたいなもので、コインや魔物の核などのダンジョン産のものを収納できるらしい。

リストバンドをとりあえず右手につけてみてさっき手に入れたコインを近づけるとスルリと飲み込んだ。

これは便利。とりあえず財布と鞄に入れてたコインを全部リストバンドに入れておいた。


 続いて黒のリストバンドだけどこれは一つの機能しかなくて、一緒に入ってた黒い水晶のみを収納できる。

んで、この黒水晶だけどこれがダンジョンコアってやつらしい。

 この《ダンジョンコア》ってのは結構色々できるそうだ。

まず、このダンジョン内に人が入っていると一定時間でダンジョンポイントが貯まる。

そのダンジョンポイントってものを貯めると貯まったポイントを使って、ダンジョンの内容とかトラップとかを設定できたり、モンスターを増やしたり、アイテムと交換できるらしい。めっちゃ便利。えっ?実生活での使い道?ないよ。


 とりあえず色々分かったからキャンプ場に戻ろう。その前に虹色のコインでガチャを一回だけやろう。

それで様子見てからお昼ご飯食べよう。


「さて、いよいよだな虹ガチャ!何が出るかなぁ」


ゴクリと唾を飲みながら、虹コインを例の機械に一枚入れる。

機械画面には虹色のカプセルと金色のカプセルが見える。

ガチャを回すボタンを押すと、中のカプセルが回り出す。

中にチラッと黒色が見えた。もしかしてあれが1番のレアか?


ガコンっ!!


頼む!虹色こい!!

中を開けると入っていたのはなんと黒色のカプセルだった。


「おぉ!さすが俺!運がいい!これ多分一番数少なかったから1番のレアだろ?青とか赤はなかったんだし!」


少し興奮しながらカプセルを開けると中にはいつも通りの紙。紙の色はカプセルと同じく黒色。そして白いメモ帳くらいの紙が折り畳まれて入っていた。


「ユニークスキル?」


 黒い紙には金色の文字でユニークスキルとだけ書いてあった。

白い紙にはユニークスキルの説明が書いてある。

まぁ要するにユニークスキルってのは『個人個人の性格や才能に合わせたスキル』のことで、この黒い紙はさっきみたいにライズっていうだけで自分に合ったユニークスキルが手に入るって言う破格のガチャ結果だったようだ。

そもそもスキルってなんだよと思わなくもないがそこはゲームに慣れた現代人。簡単にいうとステータスに書いてたMPを使ったりして特殊な能力を行使できるってものだ。それこそ魔法とか超能力って感じだな。考えただけでワクワクしてくるなっ!

さて、それではいよいよ黒い紙片手に……


「ライズっ!……っ!?」


呪文を唱えると黒い紙が光り出して俺を包み込んだ。

光に包まれること30秒ほど。光がモヤとなって俺の中に入り込んでくる。

全身を弄(まさぐ)られるかのような不快感を感じつつもそれに身をまかせながら目を瞑りその感覚に意識を向けると、だんだんと不快感がなくなっていき代わりに何か言葉にし辛い不思議な感覚がした。

表すとしたらアドレナリンが出て体が軽くなり、なんでもできるような気がする感覚……スポーツでいうところの集中状態(ゾーン)のような不思議な感覚だ。


身体にまとわりつくモヤが全部自分の身体の中に入り切って、体内に蠢くような不快感がなくなるのに5分ほど要したが無事に終わった。


「確かになんか力が手に入ったって感じがするな」

 なんとも言えないが今なら何か新しいこと(・・・・・)ができる気がした。これがスキルか。

さてそれでどんなスキルが手に入ったんだ?


 とりあえず最初に手に入れたステータスカードを機械に乗せ、どんなスキルが手に入ったのか確かめてみる。




名前 大山 凛時

種族 人間

LV 8

HP 104/104

MP 64/64


攻撃 104

防御 96

敏捷 136

器用 160

特攻 88

特防 80

運  224


《ユニークスキル》

ATM







「……え、ATM……?」




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