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第七話 どうも大学らしい

走っれ、走れ、ひたすら走れーー

一日三話投稿とか、みんなの真逆の大疾走~~

なんだろう…

最近、嫁姫達が情熱的だ…


うん、その…各国の国民に世継ぎを望まれてるんで

頑張るしかないのが王族だってのは

うん、よく分かったんだけどさ…


こう、うん、そう…


だいしゅきホールド?

中出し固め?


いや、そうじゃないと駄目なのは

うん、分かるよ、うん。


でも、なんだろう?


そういう政治的な理由抜きで

身籠もりたいエネルギーに

全員溢れてるっていうか?


いや、もう、ハーレム最高ですよ?

おっぱいとか最高っすよ!


なんだけど、えっと

どういう事?


なんで

最近、特に、みんな情熱的なの?



そういう「熱」が…、逆に…

賢者モードを炸裂させる理由になるんだ…な…。


『頑張ってる人は、輝いて見えるモンだろ?』


神剣がそう言ってきた。


「チートの辞書に助けて貰いまくり

 チートな神剣に助けて貰いまくり

 そういうのを頑張っているっていうのか?

 ただ、状況に、助けて、助けて、言ってるだけ

 これでいいのか、不安になる」


僕はそう返す。


『何が不安だ?

 絶望的だった、この国で戴冠した時に比べて

 まだまだ、前途は多難だが

 食糧事情も、かなり良くなった。

 準備を進めている開拓も進んでる。

 秋の収穫には、何かの形になるだろう…

 このジキスムントの国の人間も

 苦しいながらにそれでも笑顔が浮かんでる。

 よく分からん理由で、戦争して

 国を滅ぼした前王に比べれば

 今のお前は、名君そのものではないのか?

 少なくともチートだろうが、

 それを使って、この国をなんとかしようと

 頑張ったお前がいたから

 みんな笑顔になっている

 それでは駄目なのか?』


神剣はそう諭してくる。


「怖いんだ…」


『怖い?』


「昔の石崎良平の様に

 このチートが無ければ、

 何もできないだろう事が…」


『どういう事だ?』


「もし、神剣のお前を失えば、

 僕は、自分も嫁も守れない。

 もし、この不思議な辞書を失えば

 ペストなんて絶望的なモノに、

 また遭遇しても僕は何にもできない…

 チートを失った時、僕は、やっぱり石崎良平という

 昔のあれと同じにしかならない

 今の虚像のセルト王で居られない。

 その事実が怖いんだ…」


『なるほどな…

 確かに私も、自分が明日、消えて無くならない

 なんて事は、自分でも分からないしな…

 未来は不安定だ…

 だからこそ、チートな力は幻だと

 そう思うのだな?』


「うん…」


僕は神の剣のごもっともな言葉に項垂れた。


『老婆心を出せば…

 本当に今、お前はチートしか使えないのだろうか?

 いや、”立場”という、

 最もチートな物をお前は持っている…

 それの使い方が、

 分かってないだけなのではないか?』


剣はそう言ってきた。


「立場の使い方?」


僕はその言葉を尋ねる。


『アレキサンダー大王が

 ただの一人で超人だったと、思っているのか?

 確かに彼は英雄だ。

 誰にも真似の出来ない事をした。

 だが、たった一人で全てを為した男だったのか?

 その辞書に、それを尋ねてみたら、どうなのだ?』


言って神剣は、目もない癖に僕を見つめた。


僕はそれを聞いて、あの辞書のチートにまた頼る。

アレキサンダー大王について引いた。


すると前とは違った記述が、そこに現れた。


『アレキサンドロス3世』は王子期

哲学者であり科学者でもあった

『アリストテレス』を家庭教師に招き

その講義を受け、

後にアリストテレスが開いた学園「ミエザの学園」で、

そこに通い学友と交えて勉学を学んだ。

その学友は、後に彼を助ける仲間へと成っていく。


「へぇ、やっぱり…

 英雄ってのは、

 子供の頃からしっかりしてんだな…」


そう言って僕は腐った。


(「良平、何ですか、この成績は!

  もっと頑張りなさい、貴方なら出来るハズです」)


その時、あの世界の石崎良平だった記憶が蘇った。

そう自分で何も学ぼうとせず

ただ、学ばされる事に上手く付いていけずに

怒られてばかり居た、嫌な気分だった僕の事を。


こんな事になるんなら、

もっとこの世界の為になる事を

アレキサンダー大王の様に勉強しとけば…

自分で自発的に勉強しとけば…

チートじゃない自分の知識で、

僕もまだ胸が張れただろうに。

そう思った。


『続きを読んでみろ…』


剣が促した。

僕は読む。


後に王座につき東征を始めたアレキサンダー大王は

王座についたその前後に、家庭教師であった

『アリストテレス』を『リュケイオン』に招き

自身はパトロンとなって学園を作って

そこでアリストテレスは多くの弟子を育て

学問を花開かせた。

アリストテレスの師であるプラトンの開いた

『アカデメイア』と並ぶ学園の殿堂であり

後にエジプトに作られた都市アレキサンドリア

での学園都市『ムセイオン』の先駆けであった。

これらの流れより、アリストテレスの師であった

プラトンが開いた『アカデメイア』に敬意を表して

研究学園施設の事を

学術団体アカデミー」と呼ぶようになった。


「アカデミー…」


僕はその文言に項垂れた。


『確かに、私は、明日、消えるかもしれん

 その辞書も消えるかもしれん

 保持しようとせず、記録もしないのなら

 その可能性がずっと付きまとう。

 なら、自分達で作りだして記録する

 その行動は、チートなのだろうか?

 どうなのだろう?

 今、お前の立場はチートかもしれない。

 でも、アレキサンダー大王とお前が

 同じ権限を持っているのなら

 ”王の息子”という”チートの立場”で

 生まれたのなら、そのチートで出来る事は

 その未来に繋がる物は、やはりチートなのかな?』


「………」


『それに、お前はまだ若い…

 自身が、学びたいと思った時

 誰かの為に、学びたいと思って

 その辞書を開いたとき…

 お前は本当に、学んでないのだろうか?』


「………」


『どうして、あっちの世界では

 お前はその辞書を、開けなかったのだろうな?』


「……どうしてなんだろう?

 開けばあっちでも、グーグル先生が教えてくれた

 それだけの事なのに、

 僕はどうして

 あっちでは辞書を開かなかった?

 辞書を開かなかった、石崎良平だったんだ?」


『その理由が、分かるか?』


僕はその理由を考えた。

その時、可愛い姫嫁達の笑顔と

ハァハァする可愛いおっぱいが

僕の心の中に浮かんだ。


「…そっか、そんな単純な理由が

 開けるか、開けないかの、差なのか…」


それで僕は全部分かった気がした。

だから囁いた。


「………作りたい」


『何をだ?』


「真似でも良い…チートでもいい…

 明日、この辞書が消えてしまっても

 それでも、この世界の困難に

 立ち向かえる施設を…

 僕は、みんなが生きる為の『大学』を

 このジキスムントに作りたい…」


『どうしてそう思う?』


「ハハハハ…

 嫁姫達のおっぱいが柔らかいから…

 これを失いたくないって言ったら

 笑うか?」


『いや、人間の欲求の根源らしくて

 いいんじゃないか?』


「そっか…」


そして僕は、

誘導されたような気もするけど

それでも決めた。

今の僕に、それでも出来る事を。



でもその前に、僕はどうしても

告白しなければ成らない人達が居ると思ってた。


だから、嫁達みんなを次の日

ベッドに呼びつけたのだった。


そして僕は、みんなの前で土下座する。


「僕は、みんなに嘘をついていた

 だから、こうやって頭を下げます」


「?」「?」「?」「?」


嫁姫4人はキョトンとしていた。


「きっと何を言っているか分からないと思うけど

 僕は、この世界の人間じゃないんだ…」


「?」「?」「?」「?」


僕の意味不明の発言に

嫁姫はやっぱりキョトンとしている。


「僕は全然違う世界から転生してきたんだ。

 何を言ってるのかは、多分わからないと思うけど。

 そうなんだ…

 僕は、異世界からこの世界に転生してきた者なんだ。

 そして転生してきた

 元の世界では何でもない、何の力もない

 何でもない人間だったんだ…

 ただ、その世界から、これを…」


そう言って僕は、あのチートな辞書を取りだした。


「僕には、何の知識も知恵も力もないけれど

 何故か、この神剣が守ってくれて

 何故か、この辞書が…

 僕の元居た世界で、起きた様々な事を

 記録して読ませてくれる辞書が

 僕を助けてくれて…

 この力を使って、ペストだ、なんだと

 色んな事を、知る事ができるだけなんだ…」


「!?」「!?」「!?」「!?」


その僕の告白にその4人は驚いている様だった。

きっと軽蔑されるだろう。

ただの、チートを使ってるだけの

どうしようもない奴だもの…。


「僕は元の世界じゃ、王子でも何でもない

 農民にさえ足りない、

 何も生み出せない平民の人間だった。

 それが神剣の助けと、この辞書の力で

 こうやって偽物の大王をしてるだけなんだ。

 だから、みんなを騙していてごめんなさい。

 僕という、無力な僕を、もうみんなに

 隠したくなかったから、

 だから、ごめんなさい…」


そう言って僕は、また土下座した。


「どうしてそれを

 今、告白してくれる気になったんですか?」


年長者の立場からか、エレシア姫がそう尋ねてきた。


「きっと、こんな駄目な奴に言われても

 嫌われるだけだと思うけど…

 それでも…

 みんなの事が、本当に好きだから…

 もうみんなに嘘をつきたくないから…

 これから、僕がしようとする事にも…」


そう言って僕は真実を告白し

きっと嫌われた、大好きな人達に嫌われた

という事を受け止めた。

そう思ったのに、何故か、それが満足だった。


「ええ、大嫌いですよ…」


エレシア姫が続けてそう言った。

ああ、やっぱりそうだよね…。


「そんな悩みを、抱えていたのに

 ずっと私達を頼ってくれなかった

 それを打ち明けてくれなかった

 そんな貴方の、私達に対する信頼の無さが

 それだけが、大嫌いでした…」


そうエレシア姫が言ったとき、

他の三人も同じ様に頷いた。


「!?」


僕はそんな彼女の言葉に驚いた。


「違和感に私達が

 気付かなかったと思っているんですか?

 ずっと貴方に抱かれて

 貴方に大切にされてると分かるのに

 何か貴方がいつも後ろめたさで

 私達に見せてくれない、その心。

 その分からない何かが、大嫌いでした…

 そんなに私達は、信用されてないのかって」


言って彼女は僕をじっと見つめる。

僕は姫のその言葉に震えた。


「貴方は、その力が

 自分の力じゃないと言いますけれど…

 それを持ち得るだけで、

 私達には、天の使いにしか思えません…

 でも、もし貴方が、天使か、神様の様な人でも

 あるいは私達の感覚でなら

 天才的な才能を持つ人であっても

 ”その力を私達の為に使ってくれなければ”

 私達には、何にもならない事なんですよ?」


「!?」


彼女はそう僕に諭す。


「どんな力でも、いいじゃないですか…

 貴方はその力で、古き時代から

 私達を苦しめた黒死病を、

 部分的にでも駆逐してくれた。

 それで、どれだけの人が

 笑顔になったと思ってるんですか?

 その笑顔を作ってくれた

 そうしたいと思ってくれた

 その貴方の気持ちは、偽物ですか?

 貴方がなんとかしたいって、その力を使って

 私達をなんとかしてくれたいって

 そう思ってくれたから

 これだけの事が起きたんじゃないんですか?」


「………」


僕はその姫の言葉に呆然と成った。


「貴方は、私達の為に、みんなの為に

 どんな力でも使って…

 貴方が自己嫌悪するその力を使ってでも

 一生懸命だったじゃないですか!

 私達は、そんな貴方を好きになったんです!

 力がある貴方じゃない…

 その力を、私達に使ってくれる

 一生懸命な貴方だから、好きになったんです!

 だったら、私達を、もっと信頼して下さいよ!

 そんな事を打ち明けられたからって

 貴方の事を嫌いになったりしませんよ!

 それより、よっぽど、それを打ち明けてくれたことが

 私は嬉しいんです…

 ようやく、私は貴方に信頼された、愛されたって…」


エレシア姫の言葉に、同じ様に首を振る三人。


「貴方が、

 その貴方が後ろ暗いと思う事を打ち明けて

 それでも、まだ、その力で

 この世界に笑顔を作り出す事を望んでくれるのなら

 私は一生、貴方を支える為に生きて行きます。

 私達を信用して下さいな…

 政治的な理由があっても

 もう私達は、家族でしょう?

 一生懸命な人に、一生懸命に思われるのって

 幸せなんですよ?」


言って彼女は僕を抱きしめる。

それに、あー!と言って、

他の三姫も同じ様に僕を抱きしめた。

その時、土下座な僕は、

そのベッドの上で思わず泣いていた。

あの世界では、絶対に手に入らなかった

”信頼”を得て、だから僕は嬉しくて

泣くしかなかった。


「それにですね…」


最後にエレシア姫が悪戯っぽく笑う。


「どうやらそれは、

 貴方の意識では、ズルらしいですけれど…

 私達には、神様からの贈り物みたいですよ?

 だって、その辞書に書いてある事…

 私達、読めないみたいですし…」


そう言って彼女は舌を出して笑った。


「え!?」


言って僕はその辞書をみんなに開いてみせる。

僕には日本語で読めるそれだ。


「私達には、それが何を書いているのか

 それすらわかりません。

 ただ光ってるだけで、文字さえ見えません。

 それなのに、それが黒死病を倒してくれた…

 それが、神様の贈り物でなければ

 私達には、それは何だというんですか?」


「みんなには…これが読めない?」


その事実を知って僕は驚く。

誰もがこれを読めば、同じチートを使えると

思っていたから…


『お前は、

 魔族への切り札というだけじゃないんだな。

 この世界の人類への幸せへの切り札…

 今のお前は、そういう存在だ…

 打ち明けなければ、

 それすら、お前は気付かなかった

 さて後は…お前の心次第だ…』


神剣は念話でそう言った。


その神剣の言葉に、僕はまた泣いた。

そして決意する。


「こんな情けない男の僕を信頼してくれてありがとう。

 こんな卑怯な人間の僕を、それでも信頼してくれて

 ありがとう…

 だから僕はするよ…」


「?」


その言葉に、みんなが僕を見て首を捻る。


「僕は作る、このジキスムントに

 『大学』を…」


僕はそう言った。


「大学?」


聞き慣れないその言葉に、

4人の姫はキョトンとするしかなかった。


それはまだきっと、みんなには分からない。

でもこんな僕を信頼してくれたみんなだから

だから僕は、どんなにチートでもいい。

この辞書が記してある事を、

僕の作る大学に、書き写していこう。

そう決意した。


そして次の日、僕は王命で

『ジキスムント大学』の建設を皆に命令した。


全てはこれから始まる。

そう困難で、大変な時間が…


そう思っていた時、

『その男』が、フラッとやってきたのだった…。



これ、ゆっくり書いてたら、もっといい話だったのかもしれんな…

まぁ俺が最後のオチを読みいんで、読みたいオチの為に

俺が自分の為に、突っ走るんだけども


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