第六話 どうも食料らしい
ちょっと、こそっと(いやぜんぜん、こそっとしてないが)ルールブック、ソードワー○ド 1.0 使おうww TRPGのGMの血が騒ぎ出してきたww
最大の国難は去った。
しかしジキスムントの未来は、まだまだ、だ。
そんな困難に立ち向かわないといけないと
さぁ張り切るかと考えていたら。
嫁が増えたらしい。
カールスント公国の公王が、
ペストを検疫的にでも駆逐したのに感極まって
是非とも同盟を結びたい、結ぶべきだと
考えたらしく、公姫のエレシア姫を嫁がせてきた。
もう三人も姫を嫁にしてる手前
どういう理由で断るのか、理由が無く
まぁ嫁姫ズの嫉妬心は、
断る理由にならないわけでもなかったんだけど
医療大国であるカールスント公国との
同盟は魅力であり
エレシア姫自身も、高位の僧侶なので
彼女自身が医者として有能なのもあって
”高度な政治的判断”という奴か
もう娶るしかなかった。
他の姫達も、それに納得するしかなかった様だ。
そして嫁姫4人…
うん、みんな良い子なんだ。
性格もね。うん。
おっぱい的な何かも…。
ただ、えっと、うん。
愛よりも先に、子供。
って世継ぎの事ばっかりが先に来るのは
王族って窮屈だなぁって…思う。
いいえ?
好きデスよ?
何だかんだ言って、エレシア姫は
僕より年上でお姉さんの様な包容力とかもあって
ペストの件でベタ惚れされちゃったし…
おっぱい大きいし…。
嫉妬で可愛いリーナ姫も、
おっとり落ち着くエリン姫も
使命感で必死なリースロット姫も
みんながみんな、それでも喧嘩せずに
和気藹々としてくれて
まぁ、おっぱい的な何かも
ええ、はい、ええ
むしろ毎日で死にそうなんですが
治癒系のエレシア姫が来たので
「元気になれ魔法?」
トランスファーって奴?
それで回復させられるんで
なんていうか僕は今、種馬らしい
そうハーレムな所は
その素敵なんだけど…
だから逆に、賢者タイム続発って感じ?
それで、あの辞書とか、なんとなく読んでみたり
神剣の相棒と語ってると、僕には疑問が生まれた。
特にリーナ姫とリースロット姫は
たしなみ程度とは言え、魔道士の心得もあり
宮廷魔法使いも居たんで、それを見ていると
思ったんだ。
「この世界、攻撃魔法にしか特化してねぇ」
って。
今、この国を密やかに支えてくれてるのは
エリン姫の本国からの、農作物…。
父の本国の最低限の輸送と、エリン姫からの
こっそりの支援食料で、やりくりしてる。
ジキスムントに今、必要なのは
壊れて荒廃した建物の再建築と
農産物を作る食料事情の改善。
特に食料。
これが問題だ。
辞書に頼った。
開墾
山林・原野を切り開いたり
池沼・海面を干拓して耕地へと
地類を変換すること。
そうか…山とか削るしかないのか…。
「おい、ちょっと神剣、手伝えや!」
言って僕は、神剣持って
衝撃波のスラッシュブレイクを
近郊にあるペシュ山地に叩きつけまくって
開墾してみた。
『あの、私は神剣で
魔族と戦う剣なんだが
開墾に使うのはどうなんだ?』
神剣がそう腐ったが、口のワリには
まんざらでも無さそうだった。
でもそうやって切り開いた農地候補を
農民のティックが見ると、こう言ってきた。
「大王様、土地があっても
水が引けないと、肥沃な大地になりませんや…」
物凄い土木社業のチートをしたのに
まだ足りないらしい。
辞書に頼った。
用水路
灌漑や水道、工業用などのために
水を引く目的で造られた水路である。
川から水を引かないと駄目らしい。
だからペシュ山地の近くに流れてた
メルル川に、またスラッシュブレイク。
灌漑用水路を引く為の、基本的な通り道を作り
そこに工事の指示を出して用水路の
整備を始めさせた。
まぁ毎日、ブレイクしまくって
いい汗かいたから
基本工事は超速で進んだらしく
農民のティックは
「何年もかかるハズの大規模開拓事業が
大王様のおかげで、こんなに基礎が進みました!
ありがたや、ありがたや」
って崇められた。
いや、仕事したの神剣なんだけどね。
『スラッシュブレイクって魔族を切る
技なんだけど、そこん所、どーよ?』
神剣が愚痴ってきた。
「今、必要なのは、魔族と戦うより食料」
僕は答えた。
『ふむ、王の自覚だけはあるようだな』
神剣はそう答えた。
また辞書に頼る。
治水工事
河川で行う改良工事。治水対策の一つ。
河道の浚渫・拡張などにより水流を円滑にし、
築堤を行うことで河川の氾濫などを防ぎ、
運輸・灌漑の効率性をあげることを目的とする。
国民の陳情書に”治水工事要望”のそれがあったんで
読んでみて、へぇそういうのって
重要なんだぁと思い
治水の歴史と川の氾濫の歴史を読んで
人類が、如何に川と共に生き
川に悩まされてきたかを知った。
その知識を持って
ジキスムントのギリギリの
なけなしの土木作業力で、治水の指示も出す。
きめ細かい堤防工事なので
こういうのに神剣は役に立たない。
「おまえ、壊す事しかできんのな…」
『お前、剣、何だと思ってるの?』
だから、だんだん疑問になったんだ。
リーナ姫とリースロット姫と宮廷魔導師呼んで
「こういう大規模土木作業って
魔法でなんとか、ならんのん?」
って。
その質問に三人は顔を見合わせてて悩んでいた。
リーナ姫とリースロット姫が問答した。
「ファイヤボルトとかは?」
「薪とか炊けますね…」
「スリープクラウド…」
「不眠症の人が助かります」
「ライトニングとか?」
「土建には向かないかと…」
「ファイヤーボール…」
「ああ、そこら辺で広範囲破壊ですね」
「ブリザード…」
「壊すのにはちょっと…」
「ルーンロープ」
「魔法で縄作るんなら、普通に縄で…」
「ディスインテグレート…」
「それが大規模破壊!」
「ディスインティグレートか…」
「レベル9魔法…
超高位魔法使いしか使えませんね…」
「えっと、宮廷魔術師さん
ディスインテグレート、使える?」
僕は聞いてみたけど、彼はブンブン首を振った。
フライの魔法でギリギリらしい。
「テレキネシスとか、そういうのが
土建の精密作業に役立つんだけど…
そういうのは?」
リーナ姫が言った
「テレキネシスはレベル7魔法の
高位魔法なんで、誰でも使えるわけでは…」
「えーー
じゃぁみんなが使える程度って?」
僕はみんなの魔法使いの能力を聞いた。
リーナ姫
「私はレベル2…」
リースロット姫
「私はレベル3になれました」
宮廷魔術師
「私はレベル5で…」
「あー、そう…そう…
えーっと、ちょっと、みんなが使える魔法
その持続時間、効果、
僕に教えてくんない?」
僕はみんなのレベルを聞いて、
みんなが使える魔法の範囲と、その効果を調べてみた。
「………全部、攻撃特化やがな
それも他に応用するには、持続時間が短すぎる…」
その事実に僕は愕然とする。
「魔法って、
あっちの世界の科学みたいな
モンじゃないの!?」
僕は思わずそこで叫んだ。
「カガク?」
その僕の不思議な言葉に、三人は首を捻った。
「あーーまぁそれはいいとして…
あのね、僕達の国は今ね。
食料が欲しいの。
国民が餓えなくて良い食料が…
食料生成の魔法って無いの!?」
僕は一番大事な所を尋ねた。
「食料生成って、確か相当キワな魔法だった様な…」
その言葉にリーナ姫が応える。
「何でだよ!!」
僕はそこで絶叫するしかなかった。
僕は仕方が無いのであの辞書にまた頼った。
「魔法が、生活の役にたたねぇ…
手っ取り早く、食料を安定確保する方法って!?」
辞書は、流石にそこで数秒
「………」が入った。
そして答えが出てきた。
乱獲すると諸刃の剣だが、
『漁業』
海産資源を確保する事で
ある程度の恒常的に食糧確保が可能。
ただし、乱獲すると魚類などが死滅するので
乱獲が諸刃の剣。
故に、恒常性確保の為に
『養殖』という方法が考えられた。
「ソレダ!!」
僕は、その辞書の素晴らしい答えと
こんな山部での事情も含め
唯一持っている、海部のトルト港に
漁業強化の王命を出し
ついでに『漁業』から派生して
考えられる『狩猟』で、
当座、食料の心細いのを確保するよう
みんなを集めて計画を練る。
農業を勃興させるのは必要だが
農業を整備しても、直ぐに直ぐ
食料になるわけじゃない。
そして『狩猟』を引いていたら
派生で出てきた『畜産』という
『養豚』『養鶏』等々
『養殖』の陸版も出てくる。
その整備は必要だが
今はそこまで考えてられない。
僕は、なけなしのジキスムント軍を率い
”食料確保という国家問題”に、あんまり役に立たない
魔法使いを、狩りの時の攻撃連携に使う様に編成して
「狩猟部隊」を編成した。
そして悩む。
「うわ…神剣って攻撃力有り過ぎて
狩猟じゃ、使えねぇ…」
『不遜な…』
「今、必要なのは、むしろ弓じゃん!!」
『弓術取得は盲点だな…
まぁ戦闘スキルの補助をしてやれる
私のその補助で、弓術を使うんだな』
「ナイス神剣!
それ! それグッド!
今、要るのは食料。ともかく食料!」
そんなわけで、僕達は、
荒廃しているこの国に、安定食料を求めて
軍なるモノを、食料獲得の為に
働かせたのだった。
まぁ兵隊も、「食料確保」という
とても分かり易い仕事だったので、
むしろ一生懸命にしてくれた…
しかし、そこで、大問題が起きるのだった…。
「生物って、保存が効かずに腐るじゃん!」
その大問題が狩猟で直ぐに発生した。
生活の知恵、”「燻製」にして保存力を上げるのだ!”
というのを部隊に入れてた狩人から聞いて、
保存の事は、当座、数日凌ぐという知恵を付けたが
そのせいで、定期的に狩猟に軍で出て行かねばならず
もう軍なんだか、食料確保部隊なんだか
さっぱりわからない日々が続いた。
辞書にも頼る。
保存に関してのエポックメイキング。
『冷凍保存』
冷凍にする事で、腐食を遅らせれるという事を
恒常的に行う事を考え
『冷蔵庫』なるモノが発明された。
食料保存に関する一大革命発明。
それを見て僕は突っ伏した。
不意のあっちの世界の記憶が蘇る。
(「母さん、
もうこんな古い冷蔵庫なんて買い換えようよ!」
「冷蔵庫があるだけ、マシでしょう!?
昔の人はこれさえ無かったのよ!」)
そんな何気ないやり取り。
「電気って、こういう状況に追い込まれると
すげーモンだったんだな…」
僕は思わず、そう呟くしかなかった。
特記事項:
冷蔵庫の出現までにも冷凍保存の概念は存在し
地下室を作れば、似た効果が発生するので
これを利用していた。
「ソレダ!」
僕は、それに飛びついて、
城の地下室を冷凍保存に使えるように
改造する王命を出した。
そんなことばっかりしていると
国民から親愛を込めて
『生活王』の称号を貰っていた、らしい…
『うん、お前は『王』だよ…
そんな事を、みんながして欲しいって思う…
『王』の鏡だな…』
神剣がそう評価する。
「僕、生きてるだけです!! みんなと!!」
僕は絶叫した。
ちょっとうん、積年のGMとしての疑問が、爆発してきたwww ついでにそれも、これでやらして貰おうwww




