第三話 どうも襲うらしい
うーーん。
うーーーーーん。
「私達の国が、
勝手に仕掛けた戦争です。
そしてやっぱり負けました。
この手の枷は
王家の私達の考えの甘さの象徴です。
国民をこうしてしまった
自分達の愚かさへの罰に
そんな貴方は、勝者の施しですか?」
彼女はキッと僕を睨んでそう言った。
「そんなつもりじゃない…
僕は、君が姫だとも知らなかった
ただ…」
言って僕は何も言えなくなる。
「では何ですか?
女の子が鞭で打たれて
可哀相だから助けた…
とでもいうつもりですか?」
彼女はそう言う。
「それじゃ駄目なの!?」
僕は思わずそう返した。
「勝者の国の王子が…
それも貴方は、神剣を持つ
人類にとって特別な人…
それが、ただの少女一人
鞭で打たれたから、
可哀相なので助けるとか
そんな甘い事を言うの!?」
彼女はそう詰問する。
「駄目なのかよ!」
彼女のそんな言葉に、
僕は思わず激高するしかなかった。
「……おかしな王子様ね
貴方はもっと尊大な人なのかと
勝手に想像してたのに…
随分、甘い人…」
その時、彼女はそう口調を弱めた。
「君こそ…
こんな戦争、本当に望んでいたのか!
こんな国民を全員奴隷になってしまう
こんなの望んでいたのか!」
「反対したわ!
私はそんなの無謀だって!
でもお父様も家臣も
聞く耳を持たなかった!
そして全員討ち死して…
私だけが…王家の残党で…
生き残った…
だから、せめて、
何も出来なかった罰に…」
そう言って彼女は自分の枷を見る。
『どうするんだ?』
神剣が念話で尋ねてきた。
そんなの僕だって分からない。
それでもこのままには出来なかった。
「僕は今、君を奴隷として買った。
君が奴隷の枷を自らかけるのなら
僕が主人だ…
僕についてきて貰う…」
「私をどうするつもり?」
「そんなの、今は分からない…
でも、このままにするわけにも
いかない…
僕と一緒に来て貰う…」
「何処へ?」
「とりあえず…僕の部屋にでも…」
「奴隷の私を!?」
「君の今の主人は僕だ…
奴隷なら、命令を聞いて貰う…」
「……分かったわ…
甘い甘い、王子様…」
そして僕は、城に帰り
彼女を隠しながら、自分の部屋に連れて行った。
「リーストッロ姫!?」
しかし、僕の考えは、ちょっと甘かったらしい
二人の嫁に、あっさり見つかった…
「どういう事なんですか!王子!」
「え、えっと、その
これには話すと長いわけが…」
かくかくしかじかの説明をする。
「ジキスムントの王族を
奴隷としてかくまった!?」
リーナ姫はそれに絶叫した。
エリン姫もおろおろと狼狽えている。
「だって、彼女に非はないじゃないか!
反対しても聞く耳持たなかったんだし!」
「でも王族としての責任というモノが…」
おっとりとしてるエリン姫も
流石にそこは口を出してくる…
いや人質として、ある一種の人身御供として
ここに来ていたのだ。
それが彼女のいう
王族の責任という奴だったのだろう。
「でも分かって欲しい…
反対した人まで、処罰されるとか
関係のない国民まで巻き沿いとか
そんなのおかしいよ!」
僕はそう言うしかなかった。
「王子は優しすぎます…
まぁ同情はしますけれど…
それでも、このままというわけには…」
そう言ってリーナ姫もエリン姫も
この状態に眉をひそめていた。
「少しだけ、考えさせて欲しい…
時間を下さい…」
僕はそう言って嫁2人に
土下座して頭を下げた。
その様に、2人の嫁姫も
リーストッロ姫も困惑した顔をする。
そして僕は、賢者モードに自発的に入っていた。
神剣を抱いて、あの辞書をめくる。
『これがおかしいと思うのか?』
それはそう聞いて来た。
「おかしくないのか?」
僕は不機嫌に返す。
『さぁどうだろう?
私には判断しかねるな…』
そう投げた神剣に僕は眉をひそめて
その辞書を眺めていた。
アレクサンダー大帝のページだ
本当の英雄は凄いよな。
僕のようなチートな偽物じゃない。
こんな時でも、迷わずに
こんな状況でも
何か考えてしてしまうんだろう。
でも僕は可哀相だと思った女の子を、
家にかくまう程度の
その程度の事しかできない。
結局、偽物の英雄だ。
「そうさ偽物の英雄さ…」
僕は思わずそう呟く。
『偽物の英雄か…
そこで止まってしまったら
あの世界のお前と、何が違うんだ?』
その時、神剣はそう語りかけてきた。
僕は抱えた剣を眺めた。
『今日、お前は自分の意志で
彼女を助けようと飛び出した。
それは、あの世界のお前では
考えられなかった事じゃないのか?』
神剣はそういう。
「それは、お前が居たからだ…
こんなにどうとでもなる剣に
守られていれば
どんな強気にだってなれる。
あの世界の僕には
そんなモノはなかった
だから…」
言って僕は震えた。
『力があれば強気になれるが
力がないと、
何もできないというのか…
それじゃ確かに
偽物の英雄と自虐してもしかた無いな。
でも、本当に、私の剣の力がなければ
今のお前は何もできないのか?
お前には、今、立場がある。
何かを決めたら、実行できる立場が。
それも確かにチートかもしれない。
でも、そんな立場というチートでも
自分で何かをしたいと思わなければ
あの世界のお前の様に
何も無いのも同じだ。
せっかくあるのなら
剣の私以外でも、使ってみればどうだ?
お前がアレクサンダー大帝のように
何かをしたいと決めれたなら
例えチートでも同じ事だろう?』
「どういう事だ?」
『少なくとも、リーナ姫もエリン姫も
お前が適当に
”可哀相だから、こうなれば”
と思った程度の事で
それなりに幸せにはなれたという事だ。
どちらか一方を選べば
どちらかは泣く事になってたのだからな。
それは、私の剣の力を
お前が使ったからなのか?』
「………」
『アレクサンダー大王だって
王の息子で生まれなければ
あんなにやりたい放題は
出来なかっただろう。
最初から”立場”があった。
でも、王の息子で生まれた数多の王子がいて
どうしてアレクサンダー王だけが
英雄になれたんだ?
何が他の王子と違ったんだと思う?』
「それは……挑発してるのか?」
『いや?
英雄になる為には、
まず気持ちと、
どんな馬鹿な事でもいいから
飛び込む勇気が必要だと
そういう事が言いたかっただけだ。
なにせ私は、神剣だからな…』
「どんな馬鹿な事でも、飛び込む勇気…」
僕はその言葉で考え込む。
そして辞書に問いかけた。
奴隷ってどうなんだって…
すると、あるページが開かれた。
そのページをなんとなく僕は読む。
………
そのページを読み終えた後
僕は思わず考え込んだ。
この人とアレクサンダー大帝のように
2つを掛け合わせる事がもしできたなら…と。
『やってみないのか?その”なんとなく”』
神剣は嫌な奴だ。
どうもコイツは僕の心を読むらしい。
「なんとなく考えただけだぞ?」
僕はそう返した。
『考える事は誰でも出来る。
問題なのは、それを”やるかやらないか”
それだけだ…』
神剣は淡々とそう言った。
その言葉で、僕の中の何かが弾けた。
「笑うなよ…僕の馬鹿なこれからの行動に」
『失敗は、成功の母だ。
失敗を笑うようなら、神剣などやれんよ』
剣はそう笑って返した。
その言葉を聞いて、思わず僕は飛び出した。
「リースロット姫!」
僕は僕の部屋でやるせなさそうにしている
彼女を呼んだ。
「は、はい!」
その言葉に、思わず返事をする彼女。
「君は僕の奴隷だ。
なので、君を貰う」
僕は座った目をして、そう言った。
「え!?」
その言葉に、リースロット姫の顔が強ばった。
「君が自分の責任を感じているのなら
これは君への罰だ。
そう勝手に思わせて貰う。
君を貰う。
このファーレ王国の王子が
君を貰い受ける!」
そう言って僕は彼女を押し倒した。
「私を辱めるつもりですか!」
その押し倒しに、抵抗する彼女。
「ああ、そうしよう!
君が自分への罰だというのなら
この辱めがそうだ!
国民を守れなかった自責の念で
その身に辛さを刻んで貰う!」
言って僕は彼女を強く抱きしめた。
その僕の言葉に彼女は涙を浮かべる。
「それなら、私を汚すがいいわ!
そして私は自分の無力を、
貴方の暴力で悔やみましょう!
私を汚しなさい!
勝者の王子!」
彼女はキッと僕を睨む。
「ああ!そうさせて貰うよ!」
僕はそう言うと
彼女を僕のベッドの上で襲った。
文字数制限あるから、展開を急にせにゃならんのは、キツイのう…。
葛藤して、立ち上がるシーンが、超速すぎる…。
それより1セクション3000文字で終わるんで
一日で3話ぐらい書けて、アップ速度が速すぎて困る…。
まぁ、超短期決戦だし、そんな狂った感じでもいいか
あっちの挿絵も、第1次改修も、放置してんだし…。




