03「綺麗な王子様達」
03「綺麗な王子様達」
「思わず息を呑む美しさ」とは
「こう言うのを見て言うモノなのかもしれない」
何て事を私は実感しながら・・・
この時、本当に私の呼吸は意識しない状態で止まっていた
硝子張りの温室と言う鳥籠の中には、とっても美しい生き物…
瑠璃色を身に纏った綺麗な生物…
色々な種類の意味での「麗しの王子様」が、存在していたのだ。
ちょっと見ただけで、私の心臓がドキドキしてしまう
そして、溜息が出る
「うわぁ~…マジですかぁ~…
でも、男の癖にズルイぞ!女としてちょっと嫉妬!」
そんな私の心境を露知らず・・・
王子様は、驚いた様子で私を見上げて
もしかしたら、当たり前の事かも知れませんが…
一見の価値有りな美麗な王子様は、次の瞬間
私に対して、物凄く怒っていた。
『何やってんだ!お前は!危ないだろうが!』
取敢えず・・・
硝子が割れたら「下に居る自分が危ない」から怒ったのか…
「硝子張りの温室の上に、飛び下りる」その行為とかが
「危ない事」だから怒ったのか…は
出会って、本当にちょっとしか経っていない
私には判断できないけど…
王子様が本気で怒っているのは、私にでも何となく理解出来たし
王子様が何かに怒っているのは、明白な事実だった。
「美人が怒ると迫力あるなぁ~…
怒鳴られんのとか、本当は好きくないけど…綺麗だから許す!」
私は王子様の顔に見惚れ、王子様の綺麗な声に聴き惚れながら…
怒ってる内容が「ちょっと家の兄貴みたい」って、思えてしまって
何だか気付けば、素でニコニコしながら怒られていた
『まったく…お前は、僕の話を聴いているのか?』
王子様は呆れ顔も綺麗だった
『聴いてるよ、硝子の上に飛び降りるとか…
危ない事はしちゃイケナイんでしょ?これからは気を付けるよ』
私は「ホント…温室の屋根の上まで見に来て良かった」と、思う。
王子様の言葉の端々に
私を心配するニアンスがある事に気が付いてからは
自分の兄貴になって貰う為・・・
姉貴の婿として、婿養子に来て貰う算段を内心立てている
気付けば私は、自称王子様の「キャノプティラ」お兄さんの事を
大好きな本物の兄貴と同じくらい、大好きになっていたのだ。
私は王子様に、今の地位を捨てるくらいの恋をして貰う為の下調べの為
王子様の好みとかの情報を得る為に、王子様を質問攻めにする
王子様は、私の質問をそれ程には嫌がらず
溜息を吐きながら『困った小娘ちゃんだな』って、言いながらも
律儀に私の質問の答えをくれる
王子様の全ての事柄から・・・
王子様の優しさと育ちの良さ…真面目さが伝わってくる
私はなんだか、この時間がとても楽しかった。
暫く話していると、王子様を「兄上」と呼ぶ2人組が姿を見せる
『僕の下の王子達だ』と、言って王子様が紹介してくれた
王子様より小柄で・・・
王子様より淡い色を身に纏う王子様が「ルスキニア」で
同じく、王子様より小柄で・・・
ルスキニアに近い青と
オレンジ色を身に纏う王子様が「タルシゲル」と、言うらしい
2人は、上を向いて話すのは「自分達が辛い」からと
他の「話ができる場所」へと、私と王子様を誘導してくれた。
王子様達はボイラーの風を通す配管の管理通路に座り
私は斜め上、窓が少し開いた屋根の端に腰かける
『女の子を置いておくのに、そこは危ないだろ…
もっと他の場所は無いのか?』と、プティラ王子様が言うけれど・・・
王子様達は見栄えもして、声すらも綺麗なのだ
私はさっきより「近く」て良く見えて
「クリアに聞こえて来る王子様達の声」に満足していた
『僕達は此処から出れないんだ…だから、落ちてくれるなよ
僕が助けたくても、助けに行けないんだから』
「そう、プティラ王子様が思ってくれるだけで嬉しい」
って、私から伝えたら怒るかな?
私は『運動神経良いから落ちたりなんてしないよぉ~
大丈夫だから安心してね!』と、何の根拠もなく言って見せた。
空気が肌寒くなってきた
気付けば辺りが暗くもなって来ている気がする・・・
私はその場で立ち上る
『おい!こら!全然、僕の話を聴いてないじゃないか!』
足の下から、プティラ王子様の声が聞こえてきているが…
私は、敢えて気にしない!
プティラ王子様より下で、私よりは年上そうな2人の王子様達が
『流石、庶民!気持ち良いくらいの無礼講だね』
と、声を揃えて笑っているのが聞こえてきた
私が見上げた空は、日が西に傾いて沈み始め
東の空が夜空へと変化し始めている。
「そろそろ、帰らないと…」
本物の私の兄貴達が心配して、私を探し始めてしまうだろう・・・
此処に来ている事がバレルのは、非常に不味い
ガチで、マジで…本気で怒られてしまう
『ごめん!そろそろ帰らなくちゃいけないんだ
だから…他に帰る方法思い付かないし、今からの事は許してね』
私は温室の屋根からまず・・・
空調を管理しているであろう少し低い場所にある屋根
煙突のあるボイラー室らしき場所の屋根の上に飛び降りてから
地面に飛び降りた。
温室の中から・・・
『危ないって言ってるだろう!怪我したらどうするんだ!』
私の事を心配しているプティラ王子様の声が聞こえてくる
『やるねぇ~面白い子だ!』『最高だよ君!』
「ルスキニア王子様とタルシゲル王子様」
2人の王子様からの褒め言葉と…
『またおいでね!』って、言う
その2人の王子様達からの、先の歓迎の言葉が聞えて来た
『王様は悪い王様かもしれないけど…
王子様っていうのは、別者だから悪い奴じゃなかったね』
私は意識せず、小さく独り言を言っていた
『綺麗なのに、とっても良い奴等だ』
なんだかとっても心が弾んだ、嬉しくて楽しい…気分が良い
私は塀を越えられそうな木に、目を付けて登り
塀の上から、温室の王子様達がいるであろう場所を眺める
『また、明日も遊びに来るね!おやすみなさい!王子様達!』
私は「王子様達からは、見えていないかもしれない」と、思いながらも
手を振り、身を翻して塀の外の気に飛び移った。
もしかしたら、こんな事ですら…
「プティラ王子様は私を心配して、私を怒ってくれるのかもしれない」
なぁ~んて事を思いながら私は思い出し笑いをする
『さてと…此処に来た事がバレない様に遠回りして帰らなくちゃ』
私は湖のある方向まで迂回して
兄と姉が待つ、何時もの集合場所に戻る事にした。




