壊される馬車あれば乗せる馬車もあり、行きつく先は怪しげな漁村なり その3
「ここがテヤダト村ですか」
そう言ったのはミアではなくジュリーだった。
小さな村で、それほど大きくもない。
むしろ、入り口から村全体を見渡せてしまう程度の大きさしかない。
「ミア? 村の中心に海神の像があるって話よね? ないけど?」
スティフィが馬車の荷台から降りた後、村を見渡してそう言った。
少なくとも村の中心に台座らしきものはあるが、そこに海神の像の姿はない。
そして、その他にもそれらしきものは見当たらない。
「これはいったい……」
それを見たネルソンが驚いた顔を見せる。
テヤダト村だけでなく、漁村のような、海とかかわりあいにある場所は、海に入るために必ず海神を崇める。
そんな場所で信仰の対象である海神の像がないということは、ただ事ではない。
漁村なのに漁に出られない、ということだ。
ネルソンがなんとなく嫌なものを感じていると、村の奥から誰かが様子を見に出てくる。
その人物はネルソンも知る人物だ。
「おや、行商人さんではないですか?」
その人物は笑顔でネルソンに話しかける。
ネルソンもすぐに商売用の笑顔を作り、軽く頭を下げながら、
「これは村長、お久しぶりです」
と、少し大げさに挨拶する。
ただ、荷台にはほとんど積み荷はない。
売れるようなものはない。
そのことは村長も馬車の荷台を見てすぐに理解する。
その代わりに数人の人物を乗せている。
奴隷、というわけではなさそうだし、ネルソンがそんなものを扱うとも思えない。
「後の方々は?」
と、テヤダト村の村長は少し警戒するように聞いてきた。
「途中の道で困っているところを拾いましてな。これも神のお導きですな。そんなわけで今回は行商で来たというわけではないのですよ」
嘘ではない。
また神という言葉を使うことで、相手にもそのことが嘘ではないと通じる。
「神の? そうですか」
テヤダト村の村長は驚いた表情を見せる。
ネルソンは村長の反応に、少し違和感を覚えつつ、
「それより海神様の像はどうしたのですか?」
と、尋ねる。
漁村にとっては生命線のような物のはずだ。
ネルソンの問いに対して、村長は少し困ったような表情を浮かべる。
「そうなんですよ。像が壊れてしまいましてな。新しいのを作ろうにも良き建材と職人が見つからなくてですな」
もっともらしい理由だ。
ただ、どちらもオルタマリアの町まで行けば、どうにかなりそうなものでもある。
そして、この村とオルタマリアの町はそれほど離れていない。
簡単に行き来できる距離だ。
ネルソンはそこに違和感を感じていたのだが、フーベルト教授が話に入ってくる。
「失礼、この辺りの海神は、どの海神でしょうか?」
笑顔でフーベルト教授がネルソンと村長の間に入る。
ネルソンはフーベルト教授の行動に驚きはしたが、安堵もする。
テヤダト村の村長から感じる違和感が少し顔に出過ぎていたかもと。
「河と海の神ですが、あなたは?」
急に割って入ってきたフーベルト教授に、村長は面食らいながら答える。
「ああ、すいません。ボクはフーベルト・フーネルと申します。リズウィッド領の魔術学院の教授です。神族を研究している者です」
笑顔でフーベルト教授はそう答える。
そして、この辺りで河と海の神はどんな神だったかと、脳内を探る。
この旅に、ミアに同行すると決めてから、フーベルト教授もこの辺りのことはいろいろと下調べはしてある。
なので、すぐにそれが思い当たる神がいる。
それでネルソンが事前に心配していたことも納得がいく神だ。
「リズウィッドの! しかも教授ですか。どうして、そのような方が、こんな僻地の村へ?」
リズウィッド領といえば、南側でも一番大きな領地だ。
だが、オルタマリアの町を含め、テヤダト村がある場所はどこの領地でもない。
領地でもないということは、この時代ではこの土地を管理する神がいないということだ。
土地を管理する神の加護があるかないかで、その生活は大きく関わってくる。
そして、それはいくつかの例外を除き、貧富の差にも直結している。
リズウィッド領の魔術学院の教授ともなれば、このような僻地でさびれた漁村に、用はないはずなのだ。
村長はそれをいぶかしむ。
「まあ、それも神の思し召しという奴ですね」
フーベルト教授は少し困ったように笑みを浮かべてそう言った。
「この方たちは神に呼ばれ旅をしている方々です。村長……」
当たり障りのない、いや、あまりかかわらないようにと、ネルソンは村長にそう言った。
神の命で動いている者を妨害しようとは通常は考えないので、これはネルソンからの忠告のようなものだ。
「ああ、わかっていますよ。行商人さん、もともと我々は旅人には無害です。知っているでしょう。それに…… 今は神の像もこの通りなのですよ?」
ネルソンがなぜそんなことを言ってきたか、村長はすぐに理解して、少しおどけて見せる。
「まあ、それはそうなんじゃが」
ネルソンはそう言って、海神の像があった台座を見る。
神の像があった台座には足首あたりから下の部分だけが残されている。
神の像は神の座にいる神に願いを届けるためのものだ。
漁村であれば必須なはずなのだ。
直さないわけがないのだが。
ただ、壊れたとされる神の像の跡は、比較的新しい感じもする。壊れて間もない可能性も捨てきれない。
「ああ、なるほど。そういうことですか」
フーベルト教授はいろいろと納得する。
そしてそれを、大げさに表現した。
「どういうことですか?」
急に発言した魔術学院の教授に村長は少し慌てながら聞き返す。
それを見て、笑顔でフーベルト教授は答える。
「この辺りで河と海の神というと、あの神ですね。うーん、まあ、言ってしまえば、生贄を求める神ですよね?」
と。
「まあ、はい、そうですな」
と、村長は何とも言えない顔でうなずく。
「え?」
と、ジュリーが驚いた顔をする。
驚いたジュリーを見た村長が慌てて口を開く。
「ああ、安心してください。その生贄も村の者、それも志願者が、自ら名乗り出た者が、ですから。無理強いはしてないですし、旅人を生贄にするようなことはしていません。神もそれを求めていませんよ」
旅人や部外者を生贄として捧げているわけではない、と村長は慌てて否定する。
ジュリーはそれでもひきつった表情を隠せない。
ネルソンが心配していたのも、この村では未だに生贄の文化があるからだ。
フーベルト教授はそのこともわかっている。
ので、
「ああ、そういえば失礼しました。ボクは自己紹介しましたよね。こちらがボクの妻でサリーです。あちらが騎士隊所属のエリック君。こちらが助手のジュリー、デミアス教徒のスティフィです。で、この方が神の巫女であるミアです」
特に騎士隊とデミアス教の部分を強調してそう言った。
辺境の村とて、その二つの組織の名くらいは知っているはずだろうと。
「は、はぁ…… 騎士隊にデミアス教? それに神の巫女ですか…… そういえば、神に呼ばれて旅しているのでしたな」
村長は特に騎士隊の方に強く反応する。
逆にデミアス教の方はあまり心当たりがないといった感じだ。
ミアの方には視線すら合わせない。
もしかしたらミアの神のことを知っているのか、覚えているのかもしれない。
「はい。途中で馬車が壊れてしまい、困っているところをネルソンさんに助けられたというわけです」
正確には外道種に壊された、のだが、それが嘘というわけでもない。
「なるほど……」
と、村長ももう一度納得して見せる。
「それですね。できれば、馬車が欲しいのですが?」
フーベルト教授はそう言って軽く頭を下げながら、当初の目的を口にする。
「馬車ですか、ふーむ、ご満足していただけるものがあればよろしいのですが」
急に馬車の話になり、村長も考え始める。
「六人が乗れれば文句はありませんので」
と、フーベルト教授がそういうと、更に村長は思案顔になる。
そこまで大きな馬車ともなると、この村ではかなり限られる。
なくはないが、持ち主に相談しないといけなくなる。
この場ですぐに返事を返せる案件ではない。
「心当たりはいくつかありますので、声をかけてみます」
村長はそう言ってにっこりと笑った。
「ありがとうございます」
と、フーベルト教授も笑顔で会釈する。
村長は少し考えた後、
「ですが、さすがにすぐにとは行きませんので数日ください。そこまで大きい馬車ともなると、この村にはあまりなく、相談が必要ですのでな。空き家がありますので今日はそこをお使いください」
そう言って、村長は一軒の家を指さす。
空き家ということだが、しっかりと手入れされている。
「ありがとうございます」
「ネルソンさんはオルタマリアで仕入れがあるんでしたよね?」
そこでミアが、これ以上ネルソンに迷惑かけられないとばかりにそう言った。
ミアもこの村から何となく嫌な気配を感じている。
それにネルソンを巻き込むわけにはいかない。
ミアにとって、リッケルト村にとって、ネルソンは大事な行商人なのだ。
「いえ、ワシも今日はここで休ませてもらいましょうか」
ただ今から出発すれば間違いなく野宿になる。
ネルソンからしても、それは迷惑な話だ。
「あの村長、何か隠してますね」
空き家に入り聞き耳が立てられていないか確かめてから、フーベルト教授は言い切った。
「やはりそうですか……」
と、ネルソンも頷く。
そもそも、海神の像を壊れたままにしておくのは、いくらなんでもおかしい。
「あの像…… 壊されてから一か月以上は放置…… されています…… ね」
それまで黙っていたサリー教授が口を開く。
しかも今は普段は持ち歩いていない剣を腰に差している。
サリー教授も何かしらを感じ取っているようだ。
「そうなのですか…… やはりなにかあるのですな」
そう言ってネルソンは煙管に煙草の葉を詰め始める。
それらの話は関係ないとばかりにスティフィはミアに話しかける。
ミアがあからさまに不貞腐れているからだ。
「ミア、不貞腐れてどうしたの?」
「アイちゃん様が外にいます」
ミアは拗ねたようにそう言った。
「荷物持ち君が室内に入らないんだから仕方がないでしょうに」
スティフィは呆れながらミアを宥める。
自然の守護者である古老樹は人工物の建物の内部に入るのを嫌う。
それでもミアに何かあれば室内まで入ってくるのだろうが。
何もなければ外を好む。
問題なのは、ロロカカ神の御使いであるアイちゃん様は、今荷物持ち君の上に乗っているということだ。
荷物持ち君が外で待機するならば、アイちゃん様も自然とそうなる。
「むぅ……」
ミアは納得いかないというように左手の腕輪を見る。
この腕輪がなければ、ロロカカ神の御使いは今も自分の左腕にいたのにと、そう思ってならない。
腕輪にはめられている宝石は淡く光を発している。
「村長。少し騒がしかったが何かありましたか?」
他の村民とは違い頭から覆う白い服を着た男が、戻ってきた村長に聞く。
村長は白い服を着た男に、一礼してから、
「行商人が来ましてな」
と、少し難しい顔をして答える。
「ほぅ? 行商ですか」
何か珍しい物でも手に入れば、と白い服の男は顔の表情を緩める。
「ですが、荷は積んでおらず途中で人を拾ってきたと」
その顔を見て、村長は言いづらそうに言った。
「どのような?」
だが、白い服の男は逆に興味を持つ。
この村では何かと人材が足りない。
特に魔術師が足りない。
その中に魔術師でもいれば、白い服の男からすれば嬉しい話だ。
「本当か嘘かはわかりませんが、リズウィッド領の魔術学院の教授と名乗っていました」
村長の発言に、白い服の男は目を大きく見開き嬉しそうな表情を浮かべる。
「ハハッ、魔術学院の教授ですか。それもリズウィッド領の。これは良い、絶好の機会ではないですか」
白い服の男は、顔を覆っている布がゆがむほど笑って見せる。
「では?」
少し心配そうに、それでいて嬉しそうに村長も聞き返す。
「ああ、でも相手は教授様だ。夜に寝静まってからだ。ん? どうした?」
だが、あまり浮かない顔をしている村長に白い服の男が気付き聞き返す。
「奇妙な使い魔がおりましてな。空き家の前に待機しているんですよ」
使い魔は魔力がある限り休息も必要ない。
夜遅くに襲撃するにしても気づかれてしまうはずだが、それを操る操者はそうではない。
「使い魔か。それは厄介だな。して、奇妙とは?」
使い魔の中には操者と視界を共有できるものもいると聞く。
外に立たせているというのであれば、そういった見張り役の使い魔の可能性もある。
何者かが近づけば、それだけで操者に知らせが行く、そんな使い魔も存在することを白い服の男は理解している。
だが、まさか自立型の使い魔だとは考えもしない。
それは当たり前のことで、使い魔は本来そういうものだ。
自立して動く使い魔のほうが異常だ。
「泥人形だとは思うのですが……」
ただの泥人形ではない。
頭部から木が生えているのだが、そこに異質なものが絡みついている。
村長はそれが気になって仕方がない。
触手を持ち一塊もある肉塊で、肉塊の中央には巨大な目がついている。
あまりにも異質で触れていい物かどうか迷うほどだ。
「最底辺の使い魔ではないか」
泥人形と聞いて、白い服の男はあざ笑う。
恐れるものではないと。
「それに、その…… 肉塊に大きな目玉が付いていまして、とにかく異様なんですよ」
だが、村長が続けた言葉に白い服の男の笑みは消える。
「それは面妖な。というか、それは泥人形ではあるまい?」
実物を見ていない白い服の男は想像もできない。
ただ村長の怯えようから、ただの使い魔ではないと気が付く。
まさか古老樹が核として使われ自立して動く使い魔に、外道の王を封じ込めた御使いが絡みついているとは思いつくわけがない。
「いえ、本体は泥人形なのですよ」
と、村長はそう言うが、村長自身は魔術師でもない。
泥人形という使い魔だとは理解できるが、それ以上のことはわからない。
なにより魔術学院の教授が連れている使い魔なのだ。
侮っていいはずがない、と村長は考えている。
「ふむ。まあ、にしてもセレン様をお呼びするほどのことではあるまい」
少し考えた後、白い服の男は落ち着いてそう言った。
白い服の男が名をあげた存在は、無暗に呼び出して良い存在ではない。
「……まあ、そうですな」
と、村長もそれに同意する。
あの存在を動かすには何かと代償を伴う。
今、この村にそんな余裕はない。
「なんだ?」
「い、いえ、何も」
村長も言いたいことはあるが、この男は共謀者だ。
今更言えることはなにもない。
「生贄が嫌だというから解放してやったのだぞ?」
白い服の男にそう言われ、
「はい、わかっております」
と、村長は深々と頭を下げた。
今更もう戻れないのは村長もわかっている。
そして、村長は村に滞在しているミア達の詳細を告げ始める。
「しかし、少し人数が多いな。村の者を何人か牢へ移動させるしかあるまい」
それを聞いた白い服の男は少し困った顔をする。
不要な人材はいないが村人の支配を解いてでも、魔術学院の教授はどうしても手に入れておきたい。
「わかりました。ああ、それとアーマーン様はデミアス教というのはご存じですか?」
村長は思い出したようにそのことを白い服の男、もぐりの魔術師であるアーマーンに聞く。
「なに? デミアス教徒がいるのか?」
その名を聞いて、アーマーンは嫌な顔をする。
あまりかかわりあいになりたくない相手だ。
辺鄙なこの村では大した影響はないが、それでも敵対どころか、認知すらされたくない相手だ。
「はい」
「そうか…… しかし、こちらが優勢となれば従うか? いや、リズウィッド領にはデミアス教の大神官がいると聞く。命を受けているならばさすがに、そちらを優先するか……」
アーマーンはそう言って考え込む。
アーマーンは正式な魔術師ではなくもぐりの魔術師だ。
だから、こんな辺鄙な村のうちの一つにいついている。
それでもデミアス教の大神官を敵に回すのは得策ではないとちゃんと理解している。
デミアスの信徒は基本的に自分よりも強いものに従う。
そういう宗教だ。だから邪教と呼ばれるのだが。
通常であれば、デミス教徒は強いものの味方だ。そういう連中だと少なくともアーマーンは考えている。
例外があるとしたら、大神官というデミアス教でも上位の存在だ。
大神官から命を受けていたら、さすがにそれを裏切りはしないだろう。
「どういったものなので?」
村長はアーマーンの態度を見て不安になる。
手を出すべき相手ではないように思えるのだが、アーマーンはどうしても魔術学院の教授を手に入れたいようにも村長には思える。
そして、村長自身それは正しいとも思える。
魔術学院の教授ともなれば、下手な貴族以上の権力を持てるのだ。
しかも、それがリズウィッド領ともなれば、かなりの権力になるはずだ。
「デミアス教は世界最大の邪教だよ。今はまだあまりかかわりたくないな」
さらにその言葉を聞いて、村長は完全に怖気づく。
「邪教…… ですか」
生贄を捧げるこの村も、もともと邪教と言えばそうなのかもしれない。
だが、それを知りつつもアーマーンは、この村の現状を邪教じみたと表現はしたものの、直接邪教呼ばわりはしてこなかった。
そのアーマーンが邪教と、世界最大の邪教とそうはっきり言ったのだ。
村長からすれば、恐れるのも仕方がない。
「その者には手を出さずに、穏便に済ませ行商と共に帰すしかあるまい」
今はまだ行商人もこの村の命綱だ。
解放するしかない。
デミアス教徒の話を聞いて、デミアス教徒と敵対しないように上手く折り合いをつけなければならない。
いや、むしろこの村ごとデミアス教の傘下になるといえば、悪いようにはしないはずだ。
アーマーンにとってもデミアス教が後ろ盾になってくれるのであれば心強い話だ。
自由を謳うデミアス教なら、アーマーンとこの村の所業にも寛容なことだろう。
「騎士隊の者は?」
村長からしたら、邪教の者よりもそちらの方が気になる。
世界規模の組織で、世界に一人しかいない王直属の組織だと聞く。
そちらの方が気になってしまう。
「魔術学院の教授ともなれば護衛にもつくか。まあ、騎士隊の方は術の影響下に置くしかあるまい」
教授の護衛についているのであれば、そちらを抑えればどうにでもなると、アーマーンは判断する。
それに、この辺りでは一番大きい町であるオルタマリアの騎士隊ですら、十人にも満たない人数で素人に毛が生えたような連中だ。
どうにでもなる、とアーマーンは判断する。
まあ、アーマーンはオルタマリアの町の現状を知らないのだが。
今のオルタマリアの町は外道の王との決戦で、騎士隊の人数も膨れ上がっている。
「大丈夫でしょうか?」
村長は心配そうに、アーマーンに聞く。
「安心しろ。そちらは教授さえ手に入れてしまえばどうにでもなる。デミアス教徒の方は一度捕まえた後、話を聞いてから決めねばならないがな」
まず、魔術学院の教授を手に入れる。
そうすれば、あとはどうにでもなる。
そう、このもぐりの魔術師、アーマーンは考えている。
「はい、わかりました。我々も後戻りできませぬ。覚悟を決めるしかないですね。では寝静まった頃に?」
ただ村長としても、既に引き返せないところまで来てしまっている。
もうやるしかない。
このアーマーンという魔術師と共に、神に背く道を進むしかないのだ。
「ああ、行動を起こす。教授を術の影響下に置ければ、この村の問題がすべて解決するぞ」
アーマーンは口には出さなかった、自分の野望もな、と心の中で付け足す。
万が一、いや、千が一、百が一……
十が一、誤字脱字があればご指摘ください。
指摘して頂ければ幸いです。
少なくとも私は大変助かります。
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