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TCG風の力で俺は魔法少女達と肩を並べる  作者: 庚 権左右衛門
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調査結果報告


 週が明けて、4月26日の昼休み。

 この日は前日の雨が嘘のように晴れ渡っていた。


「んで、一体なんだ、二人きりで話したいことって」


 二人きりで話せるような場所を探して、空き教室にて弁当を広げた亮一は、さっそくこの状況を望んだ玲子にその真意を問いかけた。

 その内容自体は、すでに見当がついているのか、玲子を見やる亮一の表情は、どこか呆れたような感じだ。


「まずはこれ」


 そう言って玲子が取り出したのは、スマートフォンだった。

 玲子は、それでメディアプレーヤーを起動させると、microSDに保存されたデータを再生させた。


 それは、何らかの方法で撮影されたビデオ映像だった。

 空中を飛んでいるところを考えると、どうやらドローンで空撮を行ったのだろうとあたりを付けた。

 そして、カメラ目線の先にいるのは――一人の、ドレスを纏った少女だった。


 イメージ的には魔法少女といえばわかりやすいだろうか。しかし、大きく露出した背中からは翼をはやしている時点で、人間離れをしているようにも見える。

 そして、その少女はとある民家の二階にある窓から部屋の中に入ると――そのまま、光に包まれ、かと思えばごく普通の少女へと変化してしまったではないか。


 夜でも撮影できる、赤外線暗視カメラだから色まではわからなかったものの、顔位なら普通にわかる画質だ。

 そのご尊顔は、彼女がしばらくしてから就寝する際にようやっととらえることができたのだが――それをみた亮一は、驚いた顔で玲子に振り返った。


「これって……」

「えぇ、そうなるわね。……デパートや百貨店の事件との関連性はさておいて、あの人が私達と同じ(・・)――それも、戦い慣れている光景を見るに、それなりに前から異能の力に目覚めていたのは間違いないわね。あと、これみたいな戦いもだけど」

「戦いって……お前、やっぱり昨晩…………」


 こんな風に、慎重に人目を憚って二人きりの状態を作り出すのだから、ただの世間話ではないとは思っていた。

 そして、ここ数日玲子が気にしている事柄を鑑みれば、それが何の話題であるかなどすぐにわかった。

 特に一昨日など、実際に事件の被害に遭ったデパートに調査しに行こうとまで言い出したのだから。


 だが、まさかとは思ったがここまでするとは思ってもいなかった。

 それも、その口ぶりからするに実際に戦っている光景を直視までしている。

 道理で今朝から眠たそうにしていたはずである。


「まったく、無事だったらよかったものの、大けがでもしたらどうするつもりだったんだ」

「大丈夫よ。戦い自体は遠目からでも十分観察できたし――彼女たちも、まさか自分たち以外が異能の力を使って空を飛んで、観察しているだなんて思ってもいなかったみたいだしね。実に簡単なスニーキングミッションだったわ」

「俺は呆れたよ、まったく……」


 本当にやると決めたら徹底的にやる娘である。お転婆もここまでくると呆れるのを通り越して感心してしまうものだ。

 だから、亮一としては、やることはいつも通りただ一つだけだった。


「それで? 俺はこれを見て、どうすればいいんだ?」


 突っ走ろうとしている玲子を止めることができないなら、せめて彼女が少しでも無茶をしないようにサポートをする。それが亮一にとっての次善策だった。


「話が早くて済むわ。亮一は、学校内で、何か気になったことがなかったか確認してほしいの。特に、体育の授業は予定通りグラウンドだったでしょう?」

「あぁ、確かに……この前の百貨店の時と同じく、異能関連で感じたことはあったな」


 ちょっと待ってろ、と言って、亮一は例の端末を取り出すと、一昨日と同じように行動履歴画面を呼び出し、表示範囲を今日に合わせる。


 表示された情報を視て、そして玲子にそれを見せた。


「どれどれ……お~、やっぱり。頼るべきは何とやら、だねぇ」


 亮一から渡された端末を受け取った玲子は、それを見ながらスマートフォンに何やら打ち込んでいく。

 メモ機能かなんかを使用しているのだろう。


「頼られるこっちはやれやれって言いたいけどな……で? 聞きたいのはこれだけじゃないんだろう?」


 それを見守りながら、亮一は話の続きを玲子に促した。というのも、これでも玲子とは長い付き合いなのだ。野次馬根性丸出しの状態の彼女が、この程度で収まるとは到底思えない。知りたいのは、もうちょっと踏み込んだものであるに違いないはずだ。


「ちょっと待って………………うん、これで大丈夫。えっとね、一昨日のもちょっと見せてほしいな。魔力コードの部分を特に」

「魔力コード……ふむ。ちょっと待っててくれ」


 メモが終わった玲子は、端末を亮一に返しつつそう答える。

 要求を聞いて、あぁ、そういうことかと理由まで悟った亮一は、すぐに一昨日のものを画面に呼び出し、再度玲子に渡した。

 玲子は、「ふーん、なるほどねぇ……」などと、まるですべてを見通したかのような、不敵な笑みを浮かべて、亮一に「これで知りたかったことは全部分かったわ」と一言。

 どうやら、決定的なナニカを掴んだらしい。

 おそらくは、魔力コードが一致したのだろう。昨晩ここで行われていたという戦闘で放出された魔力と、一昨日感じた魔力の波長が。

 それで、犯人グループ(・・・・・・)の一人にあたりを付けた、というところだろうか。


 亮一も、野次馬根性がなかっただけで、気にはしていたのだ。

 だから、全てがわかったと聞けば、自然と聞く姿勢になった。



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