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「こんにちわ。」
ある日、その人はやってきた。
「こんにちわー。あれ?おじさん、誰?」
「葵さん、いるかな?」
子どもの言葉を無視してたずねる。
「ママはねぇ。いまね、お仕事を頑張っているの。どうしたの?」
「いやね。ちょっと、用事があったんだが、いないなら、いい。じゃ、またくるね。」
少し冷たく言うと、男は去っていった。
数時間して母親が返ってきた。母親にその男性のことを伝えた。母親はまた、あのストーカーだと思って恐れた。最近はあっていない。変に刺激をしてしまうと、殺される、と聞いたことがあった。少し悩んでいたとき、声がした。
「こんにちわ。」
母親が覚悟を決めて扉を開けた。
「え。」
扉を開けて目に映った人物。一体何の目的でやってきたのかわからない。それは彼女がよく知る人物だった。痛い思い出がある。もしも、逆らったら、何をされるのかわからない。そんな恐怖感より警戒心で構えていた。
「こんにちわ。」
男はそういって笑った。




