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怖くなった俺は帰ろうとした。
鳥居に向かうと前から声がした。
「逃げるな!」
その瞬間、俺は後方にとばされた。
声に吹っ飛ばされたのだ。
慌てて違う方向に逃げた。
「逃げるなと言っただろう!」
また吹っ飛ばされた。
懲りずにさらに違うほうへ走った。
「無駄だ!」
もう一度、吹っ飛ばされた。
俺はその場にへたり込んだ。
声が聞こえた。
中年男の声で。
「こいつどうしょうか」
「さあどうしようね」
次は若い女の声。
「どうせ逃げられないんだから」
幼い少女の声だ。
「ゆっくり考えるか。時間はある」
老いた男の声。
そいつらの声を聴いていているうちに、俺にもなんとなくわかってきた。
こいつらは信仰されなくなって闇落ちした神だ。
そしてもうひとつわかったこと。
それは俺がこの神社から出ることは決してできないということだった。
終




