表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地下牢の華  作者: 朱音小夏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/9

華の見る夢

あの運命の夜から、千善は今まで以上に仕事に精を出していた。毎日夜が来る度に、あと5日。あと4日。あと...と指折り数えては雅楽との逢瀬に思いを馳せるのであった。それは雅楽も同じであった。何度も何度もお花に「今日は何曜日だい?」と尋ねていた。そんな雅楽の様子にお花は嬉しく感じていた。今までにないくらい雅楽は楽しそうで、幸せそうだったからだ。幸い、最近は客をとる事も、和武の相手をする事も無かった。そして、今日も今日とて雅楽はお花にいつもの質問をするのであった。


「お花、お花。今日は何曜日だい?」

「雅楽様。今日は待ちに待った金曜日ですよ。今は朝です。」

「!じゃあ今日の夜は...」

「えぇ。皇様がいらっしゃる日ですね。」


お花がそう言うと、雅楽はぽわぽわと花を纏ったかのようにご機嫌になった。


「雅楽様。さぁ、朝食を食べましょう。」

「お花、楽しみ過ぎてご飯が食べられないよ...!」

「そんなにですか...。ではみそ汁だけでも飲んで下さい。」

「う、うん。分かった。」

「それから...楼主様から言われたのですが、新しい着物を仕立てたそうです。お昼を食べたら身体を清めて、今日はその着物を着て皇様をお迎えしましょう。」

「...?楼主様は何故そのような事を?」

「それは分かりませんが...皇様が財閥の方なので最高のおもてなしをとの事なのでしょう。」


「なるほどね。」と答えると雅楽はみそ汁を口にした。心なしかお花も嬉しそうにニコニコと笑っている。


「お花?お前まで嬉しそうだけれど...」

「いえ。ここに来る前に例の着物を見せていただいたのですが、とても美しく、雅楽様にピッタリな物でしたので!」


「早くその着物を着た雅楽様が見たいです。」とうっとりとしながら言うので、雅楽は一体どのような着物なのかとても気になってしまった。


「一体どんな着物なんだい?」


雅楽がそう問うと、お花はパァッと顔を明るくしたかと思えば、ニヤリと悪い笑みを浮かべ「それはお昼のお楽しみです。」と悪戯に笑うのであった。そうして朝食を終えると、雅楽はごろりと布団に寝転がった。


「雅楽様。お行儀が悪いですよ。」

「大丈夫だよ。ここには僕とお花しかいないのだから。」

「ハァ...。それではお昼にまた来ますね?」

「ありがとう、お花。」


雅楽がそう言うとお花はお膳を持ち地上へと戻って行った。


「千善様...。早くお逢いしたいです。この一週間、楽しみで楽しみで...」


雅楽はそう呟くと静かに瞳を閉じた。まだ一度しか逢っていない相手だと言うのに、こんなにも心を惹かれるとは。一体何故だろう。そう思いながら雅楽は眠りにつくのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ