いや、たまたまですからね?
そんなわけで、あたしは何故か洞窟で正座していた。地味に足が痛……くない。晶が土を柔らかくして、樹がふかふか草クッション作ってくれてる。
「で、アレはどこで入手したの?」
「自作しました」
オルネース様が地面に転がった。それどういうリアクション?
「……ええと、材料は?」
「これがレシピなんだけど、キモは魔力水らしくて。普通の人が作っても浄化効果はあまり強くないよ」
「………うわ、コレ普通に用意できるヤツじゃない……。それもかなり安価で……」
オルネース様が頭を掻きむしる。安いのはいいことでは?むしろ自宅で調達可能な材料だから実質タダですよ?
「まだ魔力コントロールがやばい頃に作ったものなので今ならちゃんと作れる!ような気がする!!」
そんなわけでレッツ錬金釜!!
「え」
出現した釜に驚くオルネース様。
「まず、材料をぶっこむ!」
計量はしない。錬金釜がいい感じになんとかするから。余分な材料はペッしてくれるんだわ。謎スキルだよね……。
「え?」
「そして、キモの魔力水!!」
よっしゃ、今回はしっかり圧縮できてる!あ、圧縮はいらない……?いや、強力な方作るからいるよね?いるってことにしておこう、うん。
「え、ちょ、ヤバ!」
前回みたいにいつ弾ける!?ヤバイヤバイ割れる割れる!?的なドキドキ感は(私には)ない。ただなんかこう………輝いているような?前もこんなエフェクトあったっけか?前は弾けるヤベェェェオギャー!!って感じだったから、その辺りをまったく覚えてない。
何がヤバいの?今回は(多分)危なくないよ?
「魔力水注入!!」
そしてまたしてもボヨンボヨンする錬金釜。無茶はするなよ?しかし、硬そうなのにこんなにボヨンボヨンするなんて不思議な釜だわ。
「えええ!?」
そして、釜から虹色の光が溢れた。え、ナニコレ?
「コングラッチュレーション!!ウルトラレア!!」
うるとられあ、とな??
昔、小田郡がゲームでガチャやってたのを思い出す。その時のすごくイイものが来るときの演出みたいだと思った。
いや待て。
「釜が喋った!?」
「ソコはどうでもいいでしょ!?」
いや、今まで釜はメモ紙を出すことはあっても喋ったりはしてなくてね?とりあえず釜から出てきたのは……なんかゴージャスなミントフレグランスウォーターだった。いや、これは本当にミントフレグランスウォーター?虹色に発光してるしヤバくね?容器も聖なるミントフレグランスウォーターよりゴージャスだし……兄ーずに叱られる未来しか見えない。
「………作り直しますか」
とりあえずお蔵入りで。そっと鞄にしまいこむ。
しかし、何回やってもゴージャス版しか出てこねぇ。何故だ。もう虹色コングラッチュレーションは見飽きたわ!
「…………コレ、なんなのかしら」
オルネース様も怪訝な顔をしている。
「調べる?」
ベタっぽい魚が水槽から出てきた。お前、空も泳げるのか。カラフルで可愛いな。
「お願いするわ」
オルネース様と知り合いなのか、特に驚きもせず多分ミントフレグランスウォーターと思われる発光ブツを渡した。
「…………ナニコレ」
ベタっぽい魚にドン引きされた。魚ってこんなに表情豊かなのか。
「え、そんなにヤバイモノなんですか?」
「………こんな物質がこの世に存在するなんて……」
え、そんなにヤバいの?危険物??怖くて聞けないんだが?
「もったいぶってないでさっさと説明しなさいよ」
「オルネースはせっかちね。これ、聖水だわ。それも、神の祝福を受けたものをさらに強化したような効果があるわ。一つもらっていいかしら?」
「どうぞ」
そもそもお蔵入りの可能性が高いので、一本と言わず使って欲しい。
「えい」
ベタっぽい魚が瓶を床に投げつけた。当然瓶が割れる。そして、ジュワアアアアという音が鳴って黒い煙に包まれた。え、何!?これ劇物だったの!?
そして恐る恐る目を開けると、部屋全体がリフォームしたみたいにピカピカだった。
「オルネース、これ思ったよりすごいのだわ。この辺り一帯が綺麗サッパリなのだわ」
「ユアン」
「エッ、アッ、ハイ」
「コレを売ってちょうだい!!」
「いらないのであげますけど?お望みでしたらいくらでも作りますし」
そもそもいくらなのかもわからん。素材は家の温室から、いくらでも栽培して調達できるし。
「………………ええ……欲のない子なのだわ」
「そこがマスターのいいところなのできゅ」
「そうでちゅ!」
「………精霊……聖女だったのだわ?」
聖女?
「いえ違います」
私は聖女ではなくざまぁされちゃう中ボス魔王妃(予定)のだ。聖女はヒロインだもの。
「え、でも複数の精霊と契約して、その数が最も多い人間が聖女なのだわ。だから貴女は聖女候補なのだわ。胸元に証もあるのだわ」
「……………樹たん」
「きゅ!?」
「晶たん」
「ちゅ?」
反応からして樹は知っていたようなので、とりあえずもふもふビローンの刑に処した。ほっぺをもふもふして頬袋を伸ばすのである。
「ごめんなさいできゅうううううううう!!」
謝るので一応許した。つまり、この謎液とかも私が聖女(仮)だからということなの………かな?まあ、これ以上精霊を増やさなければ聖女にはならないわけね。




