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二回もざまぁされる予定の中ボス魔王妃様は自由に生きたい  作者: 明。


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一撃でクリアー!!

 新しく作った翻訳アイテム。オルネース様に褒められました。えへへ。


 とりあえず謁見に来たなんとか(名前すらも発音不能)さん。通訳付きなのだが、物は試しとせっかくなので使ってみることにした。ただし会話ではなく聞き取りのみ。まだこのアイテムについては内緒にしておきたいからね。


「よく来たな」


 通訳が半魚人に話しかける。どうでもいいが、通訳は上半身が人間で下半身がタコ。なんていう種族なんだろう。


『ようこそ、高貴なる魚人よ。私はそなたを歓迎しよう』


 ん?通訳さん……だいぶ盛ってない??


『ふん、下賤な狐ふぜいが……。まあいい。本題に入れ』

「高貴なる魔王様にお会いできて幸せにございます。早速で申し訳ございませんが、本題に入らせていただきますね」


 通訳さん……(笑)えっちょ……これ笑いを我慢するのしんどい!通訳って大変なのね。オルネース様もよく見たら手が震えている。


「かまわぬ」

『お願いします』


『あの武闘会はイカサマだ!サルごときがあれほど強いはずがない!!ゆえに、我らは我らの言語だけでやる!!』

「ええと……現状、地上の言語にすげ替えるのは難しいので魔王殿下にご再考を願いたいのです」


 通訳さん……。マジで大変なのね。


「ふむ……?それでは約束が違うであろう。まあよい。では、優勝者であるオコシャスに好きなだけ挑むがよい。我が国は力こそすべて。強き者に従うのだからな。……我が相手をしてやってもよいぞ?」

『話が違う。不満なら、優勝者に好きなだけ挑むがいい』


『ふむ……よかろう!ただし、場所はこちらが指定する!』「それでお願いいたします。場所はこちらで指定してもよろしいでしょうか」


「いいだろう」

『いいだろう』


 あ、ここだけ同じこと言ってる(笑)

 うーん、魚人って相当プライド高いんだなぁ。とはいえ、ヤス兄に水中戦はなぁ……。打撃ダメージも減るかもだし、対策を考えておこうかな。



 通訳の人と魚人がいなくなったと同時に、あたしとオルネース様は笑い転げた。


「「あははははははは!!」」


「やっば!通訳さんやっば!!有能すぎ!!」


「いやー、やばいわ。特別ボーナス支給すべきね!素晴らしすぎる翻訳だったわ!もう、ちょっとこれ壊れてないわよね?あー、笑った笑った」


「壊れてませんよ。そして微妙に内容はあってるところがまた絶妙でしたね」


 暫くの間、わたしたちは笑い転げていた。




「ええ……まあええけどぉ……」


 ヤス兄に話したところ、一応了承していただけた。魚人の言葉は陸に住むものに発音も理解もできないんだもの……。

 逆に魚人からするとこちらの言語は比較的簡単らしい。それでも覚えたがらないあたり、ここらでその鼻っ柱をボッキボキとへし折っておくべきかもね。




 そして当日。ある程度予想していたけど、まさかの海中ステージ。


「まあ、そんなこったろうと思ってたわ」


 これ以上ないほどこちらに不利である。呼吸についてはアイテムでなんとかなるが、打撃や斬撃はかなり威力がダウンするだろう


「お手伝いしようか?」


 アイテムはバッチリご用意してますよ!


「いや、またイチャモンつけてくるやろし……こっちは正々堂々やるわ。そんなわけでユアン、この剣を槍に変えて」


「はーい」


 いつも便利な錬金釜さんで槍に変えてあげた。


「海中だと呼吸ができへんし、身動きもしにくいから、この道具を使う許可はもろといてな」


「はーい」



 そんなわけで魚人のところに行ったら、通訳さん付きでした。笑わないようにしないとね。


「あの、人間は水中呼吸ができないのでこれを使用したいのです」


『卑小なるヒトたるわたくしが話しかけるご無礼をお許しください。卑小なるヒトは偉大なる魚人様方とは違い水中呼吸ができぬのです。それゆえ、決闘でこの道具を使うことをお許しください』


 通訳さんは円滑にことが進むようにしてくれている。え、人間ってそこまでバカにされてる訳?確かに水中生活は無理だけど、魚人よりは日差しに強いと思うよ?


『ふん。好きにせよ。不正がないかこちらの者がチェックしてから返却する』

「念のために不正がないかチェックさせてください。後ほど返却します」


 安定の見事過ぎる変換に笑いそうになるのをこらえて頷いた。このアイテム、笑いそうになるのをなんとかしたい。この人、ものすごーく頭がいいんだろうな。




 ちなみに、そのアイテムとは使用者を大きな泡で包み込む魔法。普通ならば泡の中の空気が切れると苦しくなるが、そこはあたしが日本の知識でカバー。空気調節機能付き。二酸化炭素を分解して常に最適な空気を保つのだ。さらに省エネで僅かな魔力で展開可能。


 大変興奮した魚人の多分魔術師っぽい男性が走ってきた。げんなりした例の通訳さん連れだ。


『これは画期的な発明だ!これを作ったお方はどなたですかな?』

「……これをお作りなった方はどなたでしょうか?できればおしえていただきたいです。できれば、ですが……」


 なんとなくだが、正直にあたしでーす☆とか言っちゃうと、質問攻め地獄にあうと感じた。空気を察した通訳さんがこっそり首を振る。


「今こちらにはおりませんの」

『今はいないそうです』


 あからさまにがっかりしたご様子。暇なときに話してあげるかもしれないよ、多分。原理とかそんな頭良くないから、詳しく教えてあげられないと思うんだ。


 え?試合?


 なんかね、ヤス兄がね、槍でトルネード起こしてブッ飛ばしたよ。ワンパンならぬワンアタックマンだよ。えらそうな魚人ごとブッ飛ばしたからか、魚人がヤス兄にヘコヘコするようになって、ヤス兄が嫌な顔してた。

 ごめんね、ヤス兄。他の人達の安全と平和のために犠牲になってくれてありがとう。



 

ヤス兄が着々と手下を(無自覚で)増やしています。

第二の魔王になる日も近い(笑)

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― 新着の感想 ―
[一言] ヤス兄が魔王…?チンピラ魔王爆誕……??手下を引き連れ歩く姿に人が割れる図が想像できてしまったわ、めっさ簡単に(笑) 「チンピラちゃうわー!。゜(゜´Д`゜)゜。」 やだ泣かしちゃった……
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