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光と闇のシンフォニア  作者: 花宮 あいら
終わらない四重奏─カルテット
98/135

19―1 奏でる戦いの音

1章 それは新たな聖戦



ルナとアリアは、2年前に起こった光と闇の戦争を見事に和平に持ち込んだ。


それから、世界のことを記した書物を作り、ルナは赤子を身ごもった。


赤子はアイリスと名付けられ、闇と光の間にあるという蒼の力「焔」を授かった。


───突如、戦争の功労者であり蒼の守護者である、マリンの治める蒼に巨大な焔の渦が現れた。


焔の渦からは、古の存在であった魔物が現れ、そして16ほどになったアイリスがいた。


「未来を変える」その目的を果たすために、戦争の時に妹と過去に来たアイリス。しかし妹は所在が分からない。


アイリスは、光と闇の戦争でルナたちが使っていたトリクル要塞の地下にある神殿に祈りを捧げた。そうすることで、未来を救う力を授けられる。


それからルナたちは、エレメントを持つ人々をさがし、魔物を駆逐し、蒼にある小城で見張りを続けていた。


狂った時空に飛ばされたり、ルナの姉のソレイユの命を救い、闇の城に住まう道化師と邂逅したり。平和なようで激動の日々は、ルナとアリア、そしてアイリスを徐々に追いつめていった。


しかし、道化師によって、アイリスは衝撃の事実を知る。


ルナとアリアは、トリクル要塞の神殿を作った女神たちの前世の記憶を持っていることを。

道化師は昔話を通して二人の記憶を目覚めさせた。


そしてルナとアリアは記憶の解放からまた、未来で待つ魔物の息をたえさせることを誓う。


新たな試練の始まりは、すぐそこまで迫っていた───。




♢♢♢




「…つまり、オレ達は魔物復活のトリガー、といったところか」


「はい…お父様の記憶は綺麗な『クロノス』のものでしかない、とも」



道化師によって転移させられたアイリスは、アリアとルナに道化師の物語を説明していた。


二人は、すんなりとそれを受け入れたものの、複雑な胸中だった。


───自分たちがいなければ、その古の魔物は復活しないのに



「お母様とお父様の持つ指輪と、聖なる槍、クレ・リュミエール。これが、記憶と絡み合うそうです。でも、まずは……」



アイリスは一呼吸おいて、真剣な顔で言い切る。



「エレメントを持つ者と、妹、クラリスの存在を確立しなければならない。でなければ、空エレメントの力は揃わない」


「でも、こんな時に………」


「いいえ、こんな時だからこそ。時間はかかってしまっても、魔物の復活は決定事項です。お母様が死んでしまったのは…今から15年経った世界。少なくとも15年後には復活する………私というイレギュラーな存在で、早まることだってあり得る、というよりそれも確定でしょう。だから、クラリスを、妹を、どうか………」



懇願するアイリスに、ルナは俯く。

顔を上げて、白銀の髪を揺らめかして言った。



「…まずは…未来から来たクラリスを、探しましょう」

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