2ー1 光と闇が混じり合う刻
6章 光と闇が混じり合う刻
「アリア様!」
「ルナ!」
二人同時に発した。
そしてまた、口ごもる。
「私…」
「オレ…」
「いいえ、なんでも…」
「なんでいつもオレに隠す?」
そう言って、アリアがルナを抱きすくめる
驚いたルナは声を出すので精一杯だった。
「………わたしは…何も…」
「オレは…」
アリアはルナに優しく、けれど寂しさを伝えるように言葉を紡いだ。ルナを、愛していると言いたいがための言葉を。
「オレはお前を大事にしてるつもりだ。
でも、お前に気持ちがうまく伝えられない。
もっとお前に触れたい。
お前と話したい。
お前と………」
「アリア様…」
一呼吸おいてルナも、自分の気持ちをアリアにぶつけた。優しく、けれど、儚く。
「私も、おんなじ気持ちです
あなたのことを思うと胸が苦しくなります。
あなたとの距離が遠い気がして、怖くなって。
でも私は、あなたと、アリア様ともっともっとお話ししたい。」
「ルナ…」
それはほんの数日間の出来事。
ずっと前から惹かれあっていたからこそお互いの想いを伝えあえた。
これは、運命?それとも───。
「もっと…夫婦になりましょう
もっと、お互いの事を知りませんか?」
「…あぁ」
──と、アリアはそっと頷いた。そして、今までで一番の愛が込められているように抱き締められる。
ルナはそれを拒むことなく受け入れた。
「やっと、あなたの気持ちに触れられました…。
今、私はとても幸せです…。」
───これを恋と言うのでしょうね
とルナもアリアを抱きしめた。ぎゅうっと思いっきり、でも愛を込めて。
「良かった…。あなたを好きになれた。
……心が遠くて、ずっとずっと不安でした。」
「オレも…同じだ」
城に戻ってから、二人は闇の王に離宮へ移りたいと願い出た。
王は二人の願いならと快諾し、離宮に移った。
二人の幼い頃からの従者を数人だけ引き連れて。
それから。
離宮のバルコニーに驚いたルナは、アリアを呼び止めた。
「まぁ……バルコニーから、街が見えます」
「ここは王城より街に近いからな」
さら………と、その白銀の髪を撫でる。
藤色の瞳がアリアの顔を覗くように上向きになる。その頬はまるで林檎のように赤い。
アリアはルナに、微笑みかけた。可愛らしい彼女に、つい口が緩む。
「……すき、です」
ぽろりと、ルナは本音を口に出した。
「…愛してる」
そう言うと、ルナはぎゅ…と抱きしめられ、優しくルナの唇は、アリアの唇で塞がれた。
───平和で、しあわせ…
そう、ルナは思っていた。
その日も光と闇の均衡は保たれ、夕日は沈みまた朝日が昇る────。
やっと二人の気持ちが一つになりました。
本当に初々しいような、
今までも一緒にいたような。
こんな可愛らしい夫婦って良いですよね