2ー2 光と闇が混じり合う刻
7章 一筋の光に誘われて
二人が結ばれた頃───
光の国では、ソレイユは微睡んでいた。
朝日が差し込んでまた、ふ…と眠気を誘う。
「…ルナ…」
夢の中で、彼女はルナを思っていた。ずっと一緒に育ってきて。学ぶことも、習うこともそれぞれだったけれど、いつも共に過ごしてきた二人には、かけがえのない愛情があった。
でも、結婚したときふと思った。
寂しい────と。
もちろん嬉しい。大好きな妹が婚約して幸せになるのを見ているのは。でも、自分から離れていってしまうような
それが嬉しくて、寂しくて───
「……ん……」
ぱちりと目を覚ました彼女の顔は美しかった。
朝の太陽に綺麗な金色の髪が艶めく。
その瞳もまるっきり青空が窓に反射した光ほどに澄み切っていた。
「ソレイユ様、おはようございます。
お飲み物は如何でしょうか?」
「おはよう、そうね、お紅茶をいただくわ。」
「かしこまりました。」
朝に相応しい爽やかな香りの紅茶が注がれる。
侍女が細やかな手配をして、彼女の前にカップを置く。
いつも朝はルナと飲んでいたのに、彼女はもういない。
「ルナ…わたし寂しいわ。」
そして、女王エステレアも同じことを思っていた。執務室で、ふぅと溜め息をつく。
窓の近くに寄って、もたれかかった。結い上げられた、ソレイユと同じ金髪が陽にきらきらと輝いている。
「闇と光では時間の流れが異なる。
闇の感覚ではまだ2~3日しか経っていないのだけれど。
光の感覚だと早く感じるわね。」
そう寂しげに呟いていた。
その後、朝食を済ませたソレイユはドレスに着替え、髪を金糸で結わえ石碑の前に立っていた。
───一つの神話が描かれた、美しい物語。
『遥か昔の物語』
『呪いを持つ少女は』
『何も持たない少年は』
『恋をした』
『ただ、それが始まりだった』
「──まるで、今のルナみたいね。」
その石碑の話はそれだけ。
本当はその後も話は紡がれていく。
でも、その話の最後は「呪い持ち」しか知ることは許されなかった。
でもルナはそんなことは知らない。
「今、どうしているかしら………」
エステレアも、ルナには教えなかった。
もちろん、ソレイユにも。
彼女に、自らの持つ髪と瞳と、その力を恐れさせたくなかった。
自分で自分を追い詰めてしまいたくなかった。
「きっといつか、あの子は知ることになる
でも、今は…」
ぱたん、と本を閉じてエステレアはまた執務に戻った。
ソレイユも、公務のために王宮に戻った。
話が変わり、光の国サイドのお話し。
石碑に綴られた話とはなんなのでしょうか?
ソレイユはもう少し出すつもりでしたが、
かなり出番が減ってしまった子です。




