2ー4 光と闇が混じり合う刻
9章 愛の象徴
「おはよう、ルナ」
「アリア…様、おはようございます」
「…様はつけるなって言ったよな」
「はい、でもなんだか落ち着かなくて」
離宮に移った二人。
離宮はお城よりも小さいため、ルナとアリアは同じ部屋。
ルナの従者とアリアの従者はそれぞれ部屋が割当たっている。
「少し…冷えてますね…」
「ん」
「わっ、そ、そう言うことではなく…」
「いいだろ別に」
覆い被さるようにアリアはルナを抱き寄せた。
こっちに来てからアリアに抱きしめられてばっかりだ。
「は、恥ずかしいです」
「オレたちは夫婦なんだから
これくらい何ともないだろ」
「そうですけれど…」
顔を赤らめ照れる素振りのルナにアリアは胸が跳ねた。
もっと満たしたい、甘やかしたいと思ってしまう
「朝食を食べに行こう」
「はい…アリア様」
アリアに手を引かれるように部屋から出る。
(今、わたし、アリア様と手を繋いでる…)
(オレ、今ルナと手を繋いで…)
その様子を従者が微笑ましいと思いながら見守っていた。
結婚してもうすぐ2週間なのに、
初々しさが抜けない二人だ、と。
「いただきます。」
「いただきます。」
朝ごはんは、パンとスープ、
そして光の国で取れた野菜を使ったサラダ。
「美味しいです。今日もありがとうございます。」
「いえ、こうしてルナ様に召し上がって頂けることが私の幸せでございます。」
「…丁寧なんだな」
「光の国では、お食事を作って頂いた方に敬意を払うことは当然の事です。
アリア様もやってみては如何でしょう?」
「…感謝する。」
「勿体ないお言葉です。」
ルナの計らいで、従者と一緒に朝ごはんを食べ、
二人は闇の国の市街地へ出かけた。
「まあ、あれはアリア様じゃない?」
「仮面を着けていても溢れ出るお美しさですこと。」
「その隣の女性は誰かしら?」
「知らないの?王子様とご結婚なされたあの…」
「あれがルナ王子妃?この世の人とは思えないほどお綺麗な方ね」
ひそひそと、羨望の眼差しをした人から噂が漏れ聞こえる。
「アリア様、歩くのお早いのですね」
「悪い。早かったか」
「いえ、わたしが王宮にいたときは出歩くということが殆ど無かったのです。
いつも馬車や星々の流れにのっていたので。」
「なら。」
「あっ、アリア様、他の方がみていらっしゃいます
降ろして下さい。」
「降ろさない。」
「…もう!」
お姫様抱っこをされながらルナはアリアと街を巡った。
こんなに賑やかな商店街をルナは見たことがなかった。
「アリア様、どうなさいましたか?」
「…妻に似合う歩きやすい靴をくれ」
「では、これは如何でしょうか?」
靴を買ったアリアはルナに靴を履かせた。
仄かにピンクがかった靴。リボンがかけられてとてもかわいかった。
「ありがとうございます。」
「歩きたいんだろ」
靴屋の店主は二人をあたたかい目で見守っていた。
すると、外で騒がしい音がした。
「何事だ」
「一体何が…」
外に出てみると、悪党が騒ぎを起こしていた。
「金目の物を出せ!
出せない奴は皆殺しだあぁっ!」
悲鳴を上げて逃げ惑う人々。
アリアはそれをみて何か思ったようだった。
「ルナ、ここで待っていてくれ。」
「アリア様、お待ちください!
わたしも一緒に参ります!」
「お前を危険な目にあわせたくない。」
「アリア様…」
アリアは悪党の元へ赴く。
ルナは店主にかくまわれて安全なところに出た。
「店主様、申し訳ありません
やはりわたしは、アリア様が心配です
行って参ります。」
一言ことわってからアリア様の元へ駆けた。
「アリア様!!」
「ルナ、なんでここに来た!」
アリアの心配をよそに、ルナは一歩ずつ進む。
「へっこれはこれは王子妃サマ
ちょうどいい。お前を殺す!」
「やめてください!
これ以上この街を荒らすならば、人々が悲しみます!」
「そんなの関係ねえよ!
っだあ!!」
持っていた斤を振り回される。近づいたらケガを負う。その時だった。
「щьръочъо…!!」
「пунътшт…!」
呪術だった。
「ぐっ!?」
「アリア様、ご無事ですか?」
「ルナ、身体が光って…」
「私の魔力が周りと共鳴しているのです。
呪いがそうさせているから…」
気がつくと悪党は倒れていた。
命は失っていないが、ここで倒れられると迷惑だ。
「ЁЧЭЯЬд」
見えない鎖で拘束させる。
「アリア様、お買い物も済みました。
帰りましょう。」
「あぁ」
帰ろうとすると、街の人々から呼び止められた。
「待ってくれ!!これを受け取っていってくれ!」
「お前っ!王子様と王子妃様になんて言葉を!!」
「いや、構わん
感謝する。」
「悪党を追い払ってくれてありがとうございます。」
聞くと、彼らは前から悪事を働いていたそうだ。辞退したのだが、民からお礼をもらって二人は離宮へ戻った。
「ただいま帰りました。」
「ただいま」
部屋にもどり、買った靴や本などを整理する
時間が過ぎて夜になり、二人は夕食を食べた。
「今日も良い1日でした
女神様の御加護に感謝致します」
恋人を脱却して夫婦らしくなってきました
この日の出来事はまだ続くようです。




