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(1) 俺、転生しました。

最後まで読んでいただければ幸いです(´▽`)


一話につき二千数百字を計画しています(´▽`)

 あ、皆さんこんにちは。山田光輝です。今俺は病院のベッドに寝ています。なんでこんなことになったか、順を追って説明しようと思います。

 あれは暑い夏の日、三時間目の体育の時間です。集団行動からも解放されて浮かれながらランニングをしていたら体から力が抜けてしまいました。思わずその場に蹲り、遂に倒れ込んでしまいました。様子が明らかにおかしいという事で俺は一番近い大病院に救急搬送されました。熱中症を疑われたようですが体温には異常なく、それらしい症状は無かったんですよね。それで、精密検査を受けたら、まさかのステージIVのがん。狸寝入りしながら家族に話される病状を聞いてみれば、三ヶ月の余命宣告。無事俺は入院してここに寝ているんですよね。「大丈夫、きっと治るよ」って言ってくれる医者の言葉も虚しくて虚しくて、力なく俺は頷くことしか出来ません。彼女の一人は欲しい人生でしたが、諦めるしか無さそうですね。そこからもう二ヶ月が経ち、俺の人生はいよいよ終焉を迎えます。それではないと思いますが、また会う日まで!


 ◆


 四週間後、俺は十七年の人生に幕を閉じました。最後の一ヶ月はクラスメイトと企画をやったり、旅行をしたり、楽しい思い出で埋めつくそうと周囲の人は出来うる限りのことを俺に尽くしてくれました。俺は最後まで微笑みながら、この世に別れを告げたんです。


 ◆


(ここは……どこだ……?)

 目を覚ませば見慣れた病院の天井ではなく、剥き出しの木で作られた天井が目に入った。起き上がって周囲を見回してもやはり見慣れないコテージのような内装しか見えない。

「目が覚めたか?」

 ダンディな中年男性が俺に話しかけてくる。

「え、まあ……」

「いやーその辺で倒れてるもんだからびっくりしたよ」

 大きな声で笑いながら男性が聞き捨てならないことを言う。

「その辺で?」

 男性は肯定する。

「見たこともないやつがそこらで倒れてたら気になるってもんだ!」

 男は豪快に笑いつつそう話してくれた。男に連れられその場所を教えてもらう。周囲を見回しても日本にこんな場所は無い。そして俺は病院で死んだはずだ。その瞬間、俺は悟った、()()()()()()、と。

 しかしその事実を知ったとしても見知らぬ土地で生きてゆく術はない。例えどんな所であっても社会の形は作られている。労働無しには飯が食えない。

「ところでお前さん、生きてくアテはあんのか?」

 今しがた悩んでいたことをズバリ聞かれ一瞬固まってしまったが、俺は藁にもすがる思いで答えた。

「無いです……、これからどうしようか悩んでまして……」

「だろうな! ガッハッハッ」

 盛大に笑われるが此方としては笑い事ではない。場合によれば命の危機である。そう危惧していれば

「安心しろ、働き口が見つかるまで俺が養ってやるよ」

と心強い言葉をかけてもらえる。頂いた二つ目の命はまだまだ延ばせそうだ。


 ◆


 ダンディな男性の名はアールスと言った。アールスが提示した俺を養ってくれる条件は家事だ。外で稼ぐ額を増やすには時間を増やすしかない。となると、家事に回す時間が足りなくなるという理由だ。昔院内で見まくっていたYouTubeから得た家事の知識が今役に立つ。見るものが無いからと無駄な希望を持って見ていたものだ。知識を元に慣れない手つきではあるが、無知のド素人よりはマシであろう。こんな感じで俺とアールスの共同生活が始まった。

 数ヶ月がたった頃、俺は日々の家事にすっかり慣れてきて、転生当初より幾分か手際が良くなった。とは言っても、日本にいた頃の母親には遠く及ばない。まだまだだと俺は痛感する。そんなある日、アールスが息を荒立てて俺の方に来た。

「コウキ! 国からお前にお達しだ!」

「国から?」

 聞くとは思ってもみなかった()()()のお達しという言葉に俺は呆けてしまう。

「良かったな、いい働き口になりそうだぞ!」

 アールスは笑顔で伝えてくる。俺はその手紙を覗き込む。そこに書いてあったのは記号の羅列であった。それもそのはずで、ここは異世界。日本語が使われている訳もなく、今は読めている振りをしつつ記号を眺めた。


『コウキヤマダ殿 貴殿を勇者としてシャールイス城に正式に招待する シャールイス国国王』


 眺めていたら何故か手紙の内容を読み取れてしまった。文面から見るに俺は転生という形で召喚されたと考えると言語翻訳能力を付与されていても不思議ではない。だが、俺は深く考えずにアールスの話を聞くことにした。

「アールスさん、これって……」

「間違いねぇ、お前への招待だ。国王のサインも本物。明日にでも城に案内してやるからこのお達し持って行きな」

 ふと読み取れた意味とアールスの話が一致している。俺の頭はパンクしかけていた。国王から直々に招待を受けることは全く予想がつかなかった。

「とりあえず今日はもう遅い。寝な」

 アールスの言う通りなので、俺は床に就くことにした。いきなり訪れた明日のイベントを一晩中考えてしまい、この夜は結局十分に眠れなかった。

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