第9話 学校
翌日。俺は、学生という身分なので学校に通うことになる。だから、イヨには家にいてもらい学校に通った。いつもと同じ通学路。坂道が多くて行きは上り帰りは下りであるため学校に行くのは憂鬱であるが今日はそれだけでなく昨日のこともありとても足が重かった。
「はぁ~」
ため息をつく。本当に憂鬱だ。これでは、守仁と顔合わせができない。同じクラスなので余計に気まずい。そんなことを考えていると後ろから「おはよう」と見慣れた声が聞こえた。
「ああ、おはよう美月」
声の持ち主は炊屋美月。俺の幼馴染だ。その幼馴染は俺に声をかけてきたのは俺があまりにも元気なく登校しているのを心配に思ったからだろう。
「イナ。まだ、昨日のことを引きずっているの? いい加減前を向きなよ」
アドバイスをくれた。その後守仁と必ず話をすることと言われて話の途中で学校についてしまった。
私立王仁学園。それが俺達の通う学校だ。全校生徒600人弱という微妙な規模の学園である。ただ、特別な学校でもある。これは後でお父さんから聞いた話によるとここに通う生徒の約半分は特別な一族の末裔だというのだ。
そんな学校に通う俺達はクラスが同じだ。もう一度言うクラスは同じだ。
「………」
「………」
美月と一緒に教室に入ったところで守仁と目があったがお互い何も語らない。そのまま自分の机に俺は座る。
「ねぇ、イナさー」
美月が俺に話しかけてくる。どうせいうことは。
「守仁といい加減に会話しなよ」
やはりそう来たか。いつもなら美月の言うことは素直に受け入れる俺であるが今回ばかりは首を振って言う。
「すまない。俺達はもう後戻りできないんだよ」
答える。その答えを聞いた美月の表情は悲しそうに見えた。そして、美月は「ごめんなさい」と言って自分の席に戻っていった。俺は、美月には悪いことをしたと思いながらも何もできないと考えたのでそのまま授業の準備をした。1時間目は英語だ。英語なんてやりたくないや。
すいません。久しぶりです。今回は学校の話に入ります。これからしばらくは学校編をやりたいと思います。




