第2話 イヨ
「ジャンケンポン」
誰が鬼役をするか決めた。結果は俺と美月がグーで守仁がチョキだった。
「じゃあ俺が鬼だな」
「二進法で1000000数えたら来てよ」
「二進法? っていうか数デカッ」
「まったくめんどいことさせるな美月は。まあ、別にいいか」
「ほらいくよイナ」
「へっ!? 別に急がなくても大丈夫でしょ。百万なんだし」
「イナ…………勉強しなよ」
美月は俺に対して今までで最も美しい万年の笑みだった。
「なんで笑顔でそんなこと言うのさ」
俺は、抗議した。少し照れ隠しでもあったが。
「まあとにかく隠れ場所を探さないと」
美月は俺の話を無視して周りをきょろきょろして隠れる場所を探していた。
「もしもし俺の話は無視ですか?」
「隠れる場所イナも早く探しな」
美月に華麗にスルーされてしまった。俺は、とてつもないダメージを負ったが美月は気付いていないだろう。
そのあと歩いていくと神社の裏手にきれいに整えられたら小さなほこらがあった。
「こんな場所にこんな小さなほこらがあったのか」
そのほこらの近くに向かって歩いていくとほこらの手前で石に突っかかって転んだ。
「イテテテ」
俺が転んだ様子を見て美月が心配そうに声をかけてきた。
「イナ大丈夫?」
「ああ小さな石だから大丈夫けがはないといいたいが………それより、ところであれはなんだ?」
「あれ?」
俺が言ったあれというのは先ほどつまずいた石のことだ。なんで石を指したのかというと。
「石が光っている!?」
美月が叫んだ。なぜ叫んだかというとなんと石が光っていたのだ。
「この石は一体?」
その光っていた石はさらに輝きだした。
「まっまぶしい」
「目が開けられない」
俺と美月はとてもまぶしくて目を開けられなかった。光が弱まりその石をまた見ると…………………。
美しい女の子が1人いた。
「君は誰?」
「あなたは?」
俺と美月はお互いにその女の子に質問した。
「私の名前はイヨ! 高天原から来た神様だよっ」
『神様!?』
「あれ? 信じていないの? やっぱりね話で聞いていた通りだね。最近の人々は神を信じなくなったのは本当の話だったんだね」
「神様ってあれでしょ。人間の信仰心から作られた架空の存在じゃなかったの?」
「それはあなた達の科学が発達して神や仏といったものを抽象的だと言って否定したからでしょ」
「じゃあ本物の神様?」
「うん。そうだよ。私は神様。名前はイヨ! 高天原という神様が住んでいる場所に存在する組織神仏再信仰会の第七部隊所属の神だよ」
こうして俺は神仏の再信仰を目指す組織に所属するイヨという神様に出会った。
そしてこの時の俺はまだ何も気づいていなかった。これから起きる世界を揺るがしかねない事件について。
そしてイヨの本当の正体についてもまだ俺は知る由もなかったのである。
第2話です。会話文がいつも以上に多くなっています。




