第13話 エプロン
その日の放課後。俺は頭を抱えて帰っていた。もちろん、守仁や美月は一緒ではない。美月には一緒に帰ろうと言われたが1人で帰りたいと言って断っておいた。
で、何で1人で帰りたいかというと俺が悩んでいることが大きくかかわっている。
物部のこと、蘇我のこと、大伴のこと。そんなことどうでもいい。今の俺にとって一番の問題は………数学のテストだった。
「あああ、追試だ。赤点だあああ」
帰り道、近所のおばさんや小学生が俺の突然お叫びで一斉に振り返る。そんなこと俺には気にしてはいられない。とにかく、叫ばずにはいられなかった。
今の俺にはたくさんの問題を抱えているのに学校は何を考えているんだよ。もっと俺に自由をプリーズしてよ! 俺は心の中で追試になった理由を他人のせい(特に学校)にしながら帰って行った。
「ただいま」
俺は自分の蘇我の家に帰ってきた。
「お帰りなさい」
そう言って、奥から走ってきたのはエプロン姿をした───イヨだった。? イヨだった?
俺は目の前の者を注意して何回も瞬きをしてみた。しかし、何回見てもイヨだった。エプロンを着ている。
「イヨ、何してるの?」
俺は本当に思っていたことを言った。イヨは人間の可愛い女の子のように見えるがこれでも神様だ。神様がこんなことをしていていいのかと思ってしまった。
「一度ぐらいエプロンというもの着てみたかったんだよ」
イヨは笑顔で答えた。反則すぎの笑顔だった。俺は、この時今まで考えていたことを忘れてしまっていた。
「そういえば、蘇我の当主さんが呼んでいたよ」
「お父さんが?」
イヨがどうやらお父さんが俺を呼んでいるということを伝えてくれた。
「はぁ~」
俺は疲れていたこともありため息をついた。しかし、ため息をついたところで何も変わらない。
俺は、最近行きたくもないのに行っている例のあの奥の部屋に向かって一直線に寄り道をすることなく進んでいった。
今回も量が少なくてすいません。




