お祭り.20
サラシナ視点
ふむ。ぼくちゃんはこうしてていいのだろうか。
外の暑さから快適なこの部屋でまったりしてるのもどうかと思う。
父上は未だに床に伏せているからな。影武者にも世話をかける。
「……みんな。ぼくちゃんは決めたぞ」
「お。なんかやる気出たのか?」
「ふ。俺たちに出来ることならば遠慮なく言ってくれ」
レッドもブルーも頼もしいな。そして、チラリとピンクを見る。
「……ぼくちゃんは王宮に戻る」
「「「「ええ!?」」」」
みんな驚きうるさいな。ぼくちゃんだって小鹿のように震えてるだけではないのだぞ?
「馬鹿なの?あなた馬鹿なの!?そんなことしたらまた狙われちゃうよ!」
普通なら不敬罪だろうけど、ピンクはぼくちゃんを心配してくれてる。ありがたいことだ。
「……ぼくはね。部下が傷つくことも悲しいと思う。
病に伏してる王の元までたどり着けば進言出来ると思うんだ」
「しっかしなー。今は待とうぜ」
「そうだ、そうだ。みんなに相談した方がいいぜ」
レッドとイエローは反対か。さてどうしたものか。
「ピンクはどう思う?」
「私も危険だと思う。それよりもここでお世話になってるから恩返しをした方が良くないかな?」
それももっともだな。他の仲間たちもそう言う。
「ランティよ」
「はっ!」
跪くランティにぼくちゃんは告げる。
「これはみんなで恩返しをするためになにをすればいいと思うね?」
「……プレゼントとかですか?」
「……ふむ。しかし相手は物に困らない貴族だからね。そうだ、みんなのために料理をすると言うのはどうかね?」
「でも、俺たち料理とか普通に出来ないんだが」
ブルーよ。クールに当たり前のように言っては駄目だ。
「私は出来るよ。みんなに教えて上げるよ」
ピンクが元気良く手を上げる。ふむ。それならいいか。
「まずは、キサさんに聞いてみようかな」
「どうしてメイドにさん付けなんだー?」
「それはもちろん。ぼくちゃんより優れた能力の持ち主だからだ」
イエローにたしなめるように説明するが納得してないみたいだ。
「……その心は?」
「もちろん、キレたら怖いからだ。みんな、怒らせては駄目だぞ」
みんな、こくこくと頷いてる。しかし、グリーンがなにかに気づいてあわあわしている。なんだ?新しい遊びか?
まさかぼくちゃんにもあわあわしてほしいと言うのか?
「……誰がキレたら怖いですって?」
はぅ!?こ、この声はキサではないのか?
恐る恐る振り返るとあなたがいた……じゃない。キサがいた。ちょうどぼくちゃんの目線に豊満なバストがある!お山が二つ。
とても、にこやかな笑顔で。
片手に鶏。反対側にはキラリと光る包丁!ひぃっ!?
「あわわ!ま、まさかぼくちゃんたちをその鶏のようにしめるんじゃ……!?」
「うふふ。そんなことありませんよ。仮にも王族の方にね~~?」
「そ、そうだよな。それならばいい。実はキサ……さんに頼みがあるんだよ」
「はい。なんでしょうか?」
笑顔に迫力を感じるが事情を説明すると嬉しそうになる。嘘臭い笑顔ではなくなったか。
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……………………………。
「成る程。しかしそれは愚策でしょう。あなたの坊っちゃん苅りと紙一重です」
良く分からないが、先ほどのお返しでディスッて来たのか。豪胆な女よ。
「はは。キサさんは言い過ぎだぜ」
「そ、そうですよ~。相手は王子ですよ~」
よく言うな。レッドやピンクも奴隷なのにズケズケと言いたいことを言うではないか。
まあ、その方が付き合いやすいのだが。
「よいよい。して、キサさん。その心は?」
「……そうですね。まずはサラシナ様に慕う者を集めなければなりませんね。敬愛するレナード様は、協力してくれるでしょうが……」
「……派閥か。ぼくちゃんの味方の貴族はいないな」
「貴方は人気ないのですか?」
「おい」
「ふふ。冗談ですよ。唯一の味方は国王様と王妃様。
しかし、国王様は床に伏せている。
王妃様は女子は味方に出来るけど、
あなた方は奴隷制度の悪政を廃止しようとしているけれど、顔だけで性格カースト最悪の第一王子と生まれだけが取り柄の第二王子。
そして、くそったれ野郎の宰相のせいで中々政策が、
上手くいかないと言うことですね」
「……はは!言いたい放題だな!」
イエローが大爆笑。しかし、キサさんに指摘されて思う。人材に恵まれてないなこの国。
しかし、このキサさんは何者なのだろうか。
ただのスタイル抜群な女と言う訳ではあるまい。
ぼくちゃんの、嫁候補……いや、なんでもない。今、めっちゃ睨まれた。考えなかったことにしよう。
今、出来ることがないならやはり、お掃除大作戦でも実行するしかあるまい。
つづく




