お祭り.9
リオ視点
思った通りだった。みんな俺か子供だからって狙ってくるなんて馬鹿だなぁ~。
大人としての。いや冒険者としてのプライドねーの?
俺は槍を床に叩きつけその反動で飛び上がり冒険者たちの囲いから突破する。
着地と同時に近くにいた冒険者に足払い。
そのまま回転しながらスキンヘッドやツンツン頭を吹き飛ばしていく。
「サイクロン!」
どっからか風の魔法を放つ魔法使いの攻撃で、何人か場外へ吹き飛ばされる。
「魔法使いもいるのか~!めんどくさっ!」
「ガキはママのおっぱいでもしゃぶってろや!」
でかぶつが大剣を振りおろす。おせーよ。兄ちゃんの方がつえーし。
避けて足払い。膝を着かせてでかぶつの顔面にジャンプして槍を棍みたいに振り回してぶつける。
「ぶべっ!」
泡吹いて倒れる。やばっ!俺、結構強くなってねー?
でも。調子に乗っちゃ駄目だな。
予選で負けたらリアに馬鹿には……されないけど情けないもんな。
「見つけたぞ!クソガキ!」
ん?さっきのとっちゃんぼーやか。
貴族のガキが嫌みな表情で他にもガキを連れている?
あれは、貴族ではないな。取り巻きは奴隷か?首輪がしてある。
「貴様のような貴族様を馬鹿にする奴は殺してやる!」
レイピアを抜き構える。
「はっ!お前みたいな奴が将来上に立つかと思うと反吐が出るぜ!」
「このぼくちゃんを愚弄するなど許さん!やれ!お前たち!俺の壁になれ!」
「は、はい!」
「お金下さいね!」
奴隷のガキたちが立ち塞がって坊っちゃんがりに近づけねー。
こいつらの境遇には同情するが容赦はしねー。
「風神!」
遠心力を利用して身体を捻り放つ槍は、くるくる回転して奴隷たちの足元からぶつかっていく。倒れる奴隷。その間に踏み込み坊っちゃんがりに接近する。
「え~い!役立たずどもめ!後でムチ打ちだぁ!」
「うるせーな!変態ガキ!」
坊っちゃんがりのレイピアをかわしてエルボー。
顔面にめり込んで鼻の骨が折れたかも。転がって悶えている。
奴隷の味わってきた痛みの少しでも味わえってな。
戻ってきた槍をキャッチして突きつける。
「おおおおお!ぼ、ぼくちゃんの整った顔をよくもぉぉぉぉぉぉぉ!
ぼくちゃんは貴族だぞぉぉぉぉぉ!それなのに汚ならしい下賎な存在がぼくちゃんを傷つけるだとぉぉぉぉぉぉ!」
その貴族を狙うかのように冒険者たちが来た。
「おっと!貴族様はおねんねかー!」
「ほら!動けなくしてやるよ!」
哀れな坊っちゃんがりをしかし俺は助けた。
なぜなら俺はそいつらと同じようなクズにはなりたくなかったから。
槍で受け止めて受け流す。
「お、お前!?」
「勘違いするなよ?俺は弱いものいじめが嫌いなだけだ」
「なんだてめ~?甘いこと言ってんなよ!」
「こいつはうっかりここで死ぬんだからよ」
にやにやしながら冒険者は間合いを詰めてくる。
「それって反則じゃね?」
「まあな」
「でも大人の事情ってなー!」
一人はギザギザのブーメランを投げてきてしゃがんでかわす。
その間に剣を振るい袈裟斬りしてくる。
それを槍の間合いで受ける。なんだか揉め事か?
「あ、危ない!」
坊っちゃんがりの声に戻ってきていたブーメランを振り返らないまま弾くと床に刺さる。
「このガキ、やりやがる」
「お兄さんたちが弱いんじゃないの?」
「ふん。安い挑発しやがって。調子に乗るなよ!」
「こちとらプロだ。そこのガキを始末「おい!ベラベラしゃべるな!」
確かに喋りすぎだよ。その証拠に背後から強烈な風邪の魔法で冒険者たちが吹き飛ぶ。
「あああああああ!」
「うごおおおおお!?」
さっきの魔法使いか。そいつは褐色の肌と赤い派手や髪色の男。魔法使いって割には鍛えられてる体格だな。
コハクねーちゃんが言ってたな。清楚な女はワイルドな男がかっさらっていくって。コハクねーちゃんも昔はワイルド男が好みだったとか言ってたな。
「おお!よくぞぼくちゃんを守ったな!だが勝負は別……うげっ!」
槍の尖ってない方で鳩尾を打ってそのまま場外へ。勝負は別ってことで。
「お~い。子供たち。早くそこの坊っちゃんがりを避難させてな~。命狙われってから」
奴隷たちがこくこくと頷くと担いで連れていく。
まあ、この国の貴族様なんだろうけど。将来がホントに心配だぜ。
「お~っと!予選バトルロワイヤル二回戦!生意気なクソガキ……じゃなくてお貴族様はダウン!イケメン魔法使いはどんどん倒していく~!」
うさ耳アナウンサーのハスキーボイスが響いてる。はあ。元気だな。俺も負けないように頑張らないと。
あの魔法使いも風と炎の魔法を使い分けて倒している。気をつけないとな。
つづく




