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お祭り.5

その日は夕方に市場へ向かった。沢山の食材が並んでいるので村の外とは大違いだ。

ムスタブ村の商人みたいに地上を来るものはいなくて、開発したばかりの空の乗り物で他国からの輸入や輸出をしていると言う。

あれかな。空の乗り物と言ったら飛空艇的な奴かな。

ゲームとかラノベにはよく出てくるけど。


「空飛ぶ船か~。乗って見て~な!」

「うん。だね!」

リオとリアはその空飛ぶ乗り物に興味津々だ。

人が多いのでリアと手を繋いでる。

リオは照れてるので琥珀が後ろからガードしている。

それはそれでどうかと思うけど。

流石に子供に手を出したりしないだろうけど。


「あ~、これ美味しそう!」

プラチナは焼き鳥のようなものを買って食べている。

食べる人の分まで買って配っている。

ホントに焼き鳥の味がするな。つくねだ。


野菜を販売する場所を見に来たのに買い食いになっている。なのでみんなで食べたいものを買ってこさせることにした。


「ハヤテく~ん。あっち行こ~?」

「お兄ちゃん、私と行こうよ~」

「ハヤテ。私と暗がりにしけこまない?」

「コハクさん!ハヤテくんと如何わしい行為をしないでください!」

「いいじゃないか。ならみんなで……」

「コハクさま。戯れはそこまでにして商売の仕度を致しましょう」

「はいはい。ついでにいい男も仕入れるとするかね」

ともかく僕を引っ張らないでくれるかな。

それを見ていたキサさんが一言呟いた。


「あなたはたらしですね」

「…………」

言い訳のしようもない。でも一応手は出してないんだけど。僕の中の真面目さがそれをさせない。

いや、ホントは臆病なだけかもしれないな。


前世での恋愛のことを思い出すとね。どうせ別れるなら無理に付き合わなくてもいいやって思ってるのかもな。


「俺も兄ちゃんみたいにモテたいな~!」

「リオ様には無理でしょう」

「メイド、ひどっ!」

リオのツッコミにくすくす笑うキサさん。




みんなそれぞれの食べ物を買った後は広間の方でてーとイスが出てるのでそこで食べることになった。

「ミコさんたちにも持って行こうよ」

「じゃあこの俺が持ってくから、みんなはここで食べてな」

ドロタがキサさんに場所を聞いて届けに行った。

何だかんだここに来るまでも雑用とかしたりして気が利くな。


「なー、なー、兄ちゃん。みんなで大会出ようぜ」

「いや。それは危険だろう。ルールはどうなってるんだろう?」

「まあ、コロシアムと違ってどちらかが死ぬまでなんてことはありませんが、リオさまじゃあぼこぼこにされますよ」

「なんだと~!なら俺と勝負しろ!」

息巻くリオにくすりと笑うキサさんは鋭い目を向ける。

「いいですよ?甘ったれたクソガキを鍛えてあげましょう」

「よし!後で勝負だかんな!」

大丈夫かな?まあ、手加減くらいしてくれるよね。

でも、剣戟大会か。出るのはともかく見物はしたいよな。

余裕があったらそれもいいか。


食べ終わったのでみんなで自分達の屋台まで行くとなにやら揉めている。

なんか頭のよさそうなインテリっぽい男女だ。


「ですからここでの販売は許可が出てるとおもうんですが……」

ミコが困ったようにしてるしコハクはインテリ男を誘惑しようと密着している。


「そんなこと言わないでさ~。坊や気持ちいいことしてあげるからね?」

「な、なにを!?賄賂など受けとらんぞ!」

はぁ。なにをしてるんだか。

嫌な予感をしつつもインテリたちに話しかける。


「あの。なにかあったんですか?」

「なにあなた?しかもハーレムを引き連れちゃって」

インテリ女が僕を見た後で背後を見やり羨ましそうにしている?


「あなた方は商業ギルドの方々ですね?」

「なんだ。メイド風情が……て、離れろ痴女!」

インテリ男はもがいて離れる。


「根性ない男だね」

「うるさい。貴様らか?こで野菜を販売するのは?」

「それは無理になりました。あなた方が冒険者のゲビダブと揉めたことにより、ここでの販売は取り消されたわ」

インテリ女はメガネのズレを直すと自慢気に言い放った。なんて傲慢なんだ。そして雑に因縁吹っ掛けている。


「私はレナード侯爵のメイド。キサと申します。

ここの使用許可は出ているはずですが?」

睨み合いが発生しているな。どう止めたものか。


「ねー、メガネお姉さん。どうしてゴミドブを倒したら駄目なの?」

「ぶふ。ゴミドブ……おほん。あのね?ゲビダブはウインクネリ様の息のかかった冒険者だから、ゲビダブに睨まれたら権力で揉み潰されちゃうの。分かる?」

インテリ女は優しくリアに諭す。

リアの可愛さにこいつらも心が柔らかくなるのかもしれない。


「そんなにはっきり話してくれるなんて」

プラチナが苦笑する。天使の前で悪い人のことを話したからだろうか。


「そのウィンクネリとはどのような方なのですか?」


でもどうしようか。ここで販売出来ないなら他の稼ぐ方法を探さないと。


「この国の宰相ですよ。人間以外を見下す嫌な奴です」

インテリ男女は亜人だから手痛い目にもあったのだろう。特にウインクネリの味方ではなく、仕事としてしているのだろう。


「……分かりした。ここは引き下がりましょう」

「いいのですか?なんなら商業ギルドなど潰してレナード様の元で作り直せばいいのですよ」

キサさんが物騒なことをいうのでギョッとするインテリ男女。


「もう。そんな過激なこと言っちゃ駄目だよ?

ともかく話しは分かりましたから」

プラチナがにこにこと言うので空気のぴりつきも落ち着く。

ここで揉めたら村にまで迷惑かかるかもしれない。

大人って理不尽で迷惑かけるのに自分から謝らないからな。



つづく


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