お祭り.4
「はぁ~。おっきいなぁ!」
貴族の屋敷の大きさと立派さに感心してしまう。
きっとタワマンよりも高いに違いない。
これがホントの金持ちの家か。あのレナードさんは結構な身分と役職なのだろう。
「中庭すご~い!」
綺麗に手入れされている植木や花たちを見てリアが喜んでる。
「レナード様の懐の深さに比べたら大したことありません」
誇らしげに言うキサさん。レナードさんのことをよっぽど尊敬してるのだろう。
まあ、中もすごいんだけど。僕の家の何倍の広さ。使用人たちが部屋に案内してくれる。
「こちらの客間をお使いください」
「気が利いてるな~」
「待て待てドロタ。ホントにいいんですか?」
「あなた方はレナード様の恩人ですからね。お気になさらずに」
そう言われると無下にも出来ないか。
子供たちはベッドにダイブして楽しそうだ。
コハクは服を脱いですっぽんぽんになろうとしていたので、プラチナとミコが慌てて止める。
「ち、ちょっと、コハクさん!なにしてるんですか!」
「なにって脱ぐだろふつ~?」
「脱ぎません。破廉恥ですよ」
ミコが照れながらもたしなめる。この人はどこ行ってもマイペースだな。
「全く固いんだから。硬いのはハヤテのナニだけにしておくれ」
「僕のナニ……じゃない!なにを知ってるんです!」
「ははは!」
ツッコミを入れたら笑われたんだけど。
ともかく少し休むとしようか。なんか疲れた。
「ではなにかご用があればお申しつけ下さい」
一礼して下がろうとしたキサさんを呼び止める。
「あの。この街のことを教えてもらってもいいですか?」
「……そうですね。ではお茶を今、ご用意します」
しばらくしてキサさんと他のメイドがお茶やお菓子を用意して下がっていく。
どのメイドも美人が多いな。
「ハヤテくんはなにをデレデレしてるのかな?」
「いてっ!」
プラチナが膝をつねる。ぷんぷんしないでほしい。
「そうなの?お兄ちゃん私たちよりあのメイドさんの方がいいの?」
「そ、そ、そんなことないよ」
純粋な瞳でそんなこと聞かないでねリア。
それにしてもこのハーレムみたいな状況って気疲れするよね。
「なんだ、ハヤテさんはロリコンなのか?」
「違うよ、ハヤテ兄ちゃん女狂いなんだよ」
「ドロタに変なこと教えないように!」
リオもどこでそんな言葉を覚えたんだ。
そもそも僕は誰にも手を出してないぞ。
「そろそろ説明しても?」
キサさんはそんな僕らの様子を無表情で眺めている。
う~ん。こういう人を大爆笑させてみたいんだけど。
無表情の人ほど大爆笑したら面白そうだから。
そう思うのは僕だけなのだろうか。
「このフォルティシオ王国は以前は物流が盛んでしたが今は閉ざされた世界になってから空輸に頼る世界になってしまいました」
「くうゆ?くうゆってなんだ?」
リオが疑問を口にする。空輸がこの世界にあるのか?
でも飛行機なんてないよな。
「ああ。あれだろ。ドラゴンやグリフォンを使っての輸入や輸送でなんとか収入を得ていると」
「コハク様は博識でいらっしゃいますね」
「まあね。この国の元カレが教えてくれたのさ」
「まあ」
あっけらかんとコハクは話すものだからミコは口元に手を当てて驚いている。うぶ?
それにしてもこの紅茶美味しいな。これだけでも高いんだろうな。
「まあ。この国がこうなって王様にざまあみろです」
「ええ?この国の王様人望ないの~?」
「プラチナ様は分かりませんか?この国の闇を。人間以外を下に見てるんですよ。
獣人や亜人は街の貧民エリアばかりで中央エリアは人間ばかりです。
たまにいても奴隷扱いですね。
まあ、強ければ闘技場で賭けの対象になっています」
「やっぱり大人ってトナの村以外の大人以外生きる価値ないね」
リアは悲しい表情で呟いたのでどう話していいか分からない。僕だって汚い大人だ。
「でも。私はレナード様を尊敬しています。
あの方はこの国の差別を変えようともしていますが、敵が多いのもまた事実」
流石に権力争いには手を貸せないけどね。
僕たちは人間のパーティーだから(天使はいるけど)大丈夫かな。
「その王様はろくでもないのかい?」
「ええ。国を発展させるためなら武力行使も厭わないですね。
過去にはレイガード帝国とも同盟していましたが、このような有り様になってからは同盟破棄されていい様……と言いたいですが」
「国を建て直すのに大変で、皺寄せは民たちに来ると」
その話しにどこの世界もそんなものなのかと思ってしまう。
結局金と権力がなければ駄目なんだろうな。
まあ、聞いといてなんだけど僕にはどうにも出来ないな。
子供たちが無事安心にそだてばそれでいい。
て、いつの間にか村の子供を心配する近所のおじさん的な考えになってるような。
つづく




