村でのんびり.2
今日は、村の近辺の魔物退治をしつつ、子供たちを村の外の花畑に案内した。
まあ、メガスライムやエアウルフは既に脅威ではないし、いつも同じ場所で遊ばせても飽きるだろうから。
ガレットさんに頼まれて連れてきた。
辺りには、白い花や黄色い花が咲き始めていて、この花が咲き始めると春がもう近いとのこと。
「ハヤテく~ん!ほら、ほらみて?」
プラチナの頭には、花輪が乗っかっている。
「へぇ。上手いもんだな」
言いながら、空に向けて矢を放つと、グリフォンが落ちてくる。
蹴られた後もあるので、プラチナに懐いたダークペガサスが蹴り落としたのかな。
「お兄ちゃん、すご~い!」
カナエも、リオも改めて目を丸くしている。
「俺も負けないからな!」
何故かリオが、張り合って来る。
素材になったので回収していると、リアに呼ばれた。
「えへへ。どう、お兄ちゃん?」
はにかむ笑顔。この子が今は、笑えているのが嬉しい。
このまま幸せに暮らして行ければいいんだけどな。
「うん。可愛いよ」
「わ~い!やった!嬉しい!」
「あ~!リアばっかりずるいよ!私は?」
「私も、私も~!」
カナエはともかくプラチナまで。
「もえ~」
「にゃん」
「コケ!」
連れてきた魔獣たちも呆れている。
「もえもえ!」
「もえちゃんは、私がかわいい?」
「もえもえ!」
「マンドラゴラにもえちゃんか~」
「いいでしょ、リオ。かわいいじゃない」
「はいはい。コッケの方がかわいいよ」
「コケ~」
うちのコカトリスは小さくて、どう見ても鶏に見えてしまう。
羽繕いをしてリラックスしている。
今日は日差しもぽかぽかしてて魔獣たちも眠たげだ。
遊びは子供たちに任せて僕は、たまに狙ってくる魔物を射落としていた。
「兄ちゃんも遊ぼうよ」
急かされて、リオに作ってやった竹馬で競争などをしていると、もえちゃんが羨ましそうにしていたので、また今度作って上げよう。
「ハヤテくん」
「なんだい?悪巧みした工場長みたいな顔をして?」
「なにそれ~?どこのどいつだよ!」
そうだよね。分かる訳もないか。
前世で働いていた職場の「工場長がよくこれを量産すれば売れる!」などと息巻いてなにも変わらないと言うことがよくあった。
失敗しないだけ言いと思うけどね。
「見て見て、見てよ~!」
ダークペガサスに乗って花びらを吹くと雨のように舞う。桜の花びらみたいだ。
「わ~い!綺麗だね!」
「ホントにね!プラチナお姉ちゃん、どうやったの?」
「えへへ。それは天使の秘密です」
いや、もう天使って言ってるし。羽根を生やしてないで隠しているから、冗談だと思ってるだろう。
「みなさ~ん!お昼ですよ~!」
ルリが、ミコやコハクと共にやってくる。
まあ、近いから村を開けても大丈夫か。
「はっやってっく~ん!私と私のお弁当食べて~!」
いつものように抱きついて来て慌ててしまう。
僕の世界では、男子受けするだろうけど、女子には嫌われるだろうな。
「ほら、ハヤテが困ってるだろうが。離れろビッチ」
「誰がビッチよ、誰が~!ね~、ミオン」
「でも、あなたほど軽い女と言う言葉が相応しい人もいませんよ」
「ぬぬぬ!」
ズバリ言われてしまい悔しそうにするルリ。
ミオンはなんだか、空気が読めなくて孤立しそうだな。
まあ、言いたいこと言えないよりはいいけどね。
「まあまあ。みんなで楽しく食べましょう」
シズナさんがお弁当を広げていくと、子供たちがはしゃぐ。
さすが、家庭的と言うか。お店に販売しててもおかしくない見た目。
洋風のお弁当と言った感じなのかな。
ミコのは、和風。僕にとっては馴染みのある感じだ。
特にこの山菜の天ぷらなんて美味しそうだ。
「はい。ハヤテさま、あ~ん」
「いやいや、自分で食べるから」
ミコが、まさか大胆に行動してくるとは。
「あ~!ずるい!お兄ちゃんにあ~んするのは私なんだから!」
リアが、サンドウィッチを僕の口元に運んでくる。まてまて!幸せが多すぎる!
「サリーさん!?その構えてる銃は冗談ですよね!」
「いえ。あなたを撃って私と一つになってもらうわ。えへ♪」
「落ち着け」
ガレットさんがチョップしてたしなめる。
「ハヤテは女たらしだ。好きになるならああ言うのは慣れないとな」
「……はい。私、二番目でもいいです」
「二番目は、私だよ~」
サーファが、元気よく手を上げる。
いや、みんな二番目でいいの?
そもそも僕は、だれかれ口説いてないけどね。
「いや、僕たらしじゃないですよ?」
「あんた、そんな状況でよく言えるね」
呆れるガレットさん。確かに。周りに女子しかいない。他人が見たらハーレム連れたムカつくウジ虫野郎と思われるかもしれない。
村には一番若いのが僕だからあまり、文句を言われないのかも知れない。
「……リオ。お前は僕が女たらしじゃないと分かってくれるよな?」
「……兄ちゃん。女に埋もれてしまえ!」
カナエをチラリと悔しそうに見るとばくばくとおにぎりを食べる。お前もか。
つづく
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