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鬼斬り空洞.3

リア視点



なんだか、嫌な気配を感じます。ここは鬼ばかり出ます。


途中見つけた宝箱には、琥珀の鎧なんて物が見つかったので、コハクさんが装備します。

いつも、寒そうな格好してるので、これで大丈夫だね。


「う~ん。これじゃあ、調子出ないねぇ。すっぽんぽんとまでいかないまでも、露出してー」

叫ぶコハクさん。ああならないようにお姉ちゃんによく口酸っぱく言われてるよ。


「ハヤテくん、大丈夫かな?」

お姉ちゃんの剣が閃いて、足軽亡霊を凪払い、背後から来たゴーストをホーリーランスで串刺しにして浄化させます。


やっぱりお姉ちゃんは強いなぁ~。いつかあれだけ強くなれるかな。

私は勇者だから、村を守れる勇者になりたい。


「それにしてもここは、故郷を思い出すね」

ダンジョンの内部を見て、どこか遠くを見ているコハクさん。

独特な造りの建物内だから、ずいぶんと文化が違うのかな?


「こういう感じって言うと、東方之島国だっけ?」

「まあね。私たちが小さい時に移住して……いや、逃げて来たのさ」

悲しげな感じだね。大丈夫かな?コハクさんは、気分を切り替えるとまた歩き始める。


「きええええぃ!」

遅い来る鬼女の包丁を真っ二つにして斬るよ。

いくつかの素材を回収して進むと大きな扉が見えてくる。

その前に守るかのように立っている。灰色鬼。


今までの鬼とは違い強そうだよ。剣を構える。

「……また刀を求めてやって来たのか、猛者よ」

「しゃべった!?びっくり~!」

灰色鬼は、行きなり襲いかかって来る訳でもなく、表情は怖いけどね。

こちらを値踏みするように見た後で大きな棍棒を構える。


「やっぱり、戦うのか~」

「姫武者どもの力を見せてもらおう」

それは、強烈な一撃!私たちは慌てて避けるけど、コハクさんは動きが速い訳ではないから受けて防ぐので精一杯。


「やるじゃないのさ!歯応えがあっていいねー!」

マリンシールドで、ガインガインとぶつかる棍棒を受け流してるけど大丈夫かな。


私も身体を低くして、剣を振るうけど、腕が痺れた!堅い!

「甘いわ!」

振るわれた棍棒を剣で受けて吹き飛ぶけど、衝撃を受け流してダメージを減らす。


「神聖剣流星天撃!」

それは、お姉ちゃんの鋭い乱れ突き。私もそれに合わせて斬る!

「ブレイブザンバー!」

「おおお!これはぁぁぁぁぁ!?」

いくつもの傷を受けて背中から倒れる灰色鬼。

私、一人だったら危なかったなぁ~。


「……見事だ。俺の負けだな」

「止めを差すのかい?」

「待って。この鬼さん、見た目は怖いけど、悪い気配はしないよ?」

「そうなの?まあ、確かに他の鬼とは違うかも~」

じろじろと、お姉ちゃんが灰色鬼を眺めるので、どこか照れてる。

すると、灰色鬼はすまなそうに答える。


「……すまない。あんたらのことを試させてもらったぜ」

「どう言うことだい?どんなプレイを試したんだい?」

プレイってなに?コハクさんはたまに、分からないことを言うんだもん。


「?なにを言ってんだ、このワイルド女は?」

「私はコハク。こっちがプラチナで、こちらの勇者がリアだよ」

コハクさんの説明にびっくりしてこっちを見ているよ。なにを、驚いているんだろうね。



「……勇者か。それならば納得出来る。もし良ければ頼みがある」

なんか、凄く真剣だから聞いた方がいいのかな?


「ねえ。お兄ちゃんたちを早く探した方がいいと思う」

「そ、そうかな?」

「こ、ここは、話しを聞く流れじゃないのかい?」

あ、あれ?二人に呆れられちゃったよ。私はただ、早くお兄ちゃんに会いたいだけなんだけど?

いけなかったのだろうか。孤児院の大人たちは酷かったから私は、人間の汚さも知ってる。


だから、助けたい人だけ助ければいいと思う。

それで、助けてもらえなくて怒るなら、自分たちが強くなればいいだけだもん。


そんなことを話したら、コハクさんはかがんで優しく私の頭を撫でてくれた。


「そうか。あんたはそう思うんだね?私は別に間違っちゃいないと思うよ」

「え?」

「私の国は、争ってばかりいたからね。私もルリと焼け野原で暮らしてたけど、助けを求めながら死んでいく人たちを見てきたからね。

強くなるために自分を、鍛え始めたのさ」

そうなんだ。遠い過去を懐かしむように。いつものえっちなお姉さん的な感じじゃなくて。


「でもね。助けたい人だけじゃなくて、勇者ってのは困ってる人を助ける者だと思うよ」

「うんうん。私もそう思うけど、リアはまだ、大人ではないから無理してまで相手のお願いを聞かなくてもいいと思う」

私は、どうしたいのかな。この灰色鬼さんは困ってる感じだし。

悪い魔物って感じでもないし。それに、孤児院の大人たちでもないからら。


「うん。話しを聞かせてよ、おじさん」

「そうか。すまないな、娘よ」

「私はリアだよ、おじさん」

「そうか、すまんな。私はまだ二百歳だ。若者だ」

「そうなんだ、ごめんなさい」

「ふふ。素直に良い子じゃないか。色々仕込んでやるかね~」

「止めて。リアを汚さないで」

ともかく、おじ……灰色鬼さんのお話しを聞くことになったよ。



つづく

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