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どこかの土地で.5

「えと、大丈夫かな?」

「は、はい。ありがとうございます!すみません、助けていただいて」

何度も、ぺこぺこしている。赤べこ?ハリネズミも一緒にぺこぺこしてるよ。可愛いな。

黒髪の女の子は、どこか日本人っぽい。もしかして、東方之島国の出身かな。



「ハリィ!」

ハリネズミもすりすりしてくれて可愛いね。トゲは、大丈夫だよね?

そのハリネズミが、こてんとなったのでお腹を撫でてやると、くすぐったそうにしている。


いいな。ペットとかほしいんだけどな。ハリネズミと遊んでる場合じゃないけど、遊んでいたい。


「ふふ。ハリィがあなたのこと、気に入ったみたいですね」

「ハリィって言うんだ」

「ハリィ、ハリィ」

「私は、かりんて言います。ホントに助けていただいてありがとうございます!」

「いや、ホントにもういいよ。えと、途中まで送るよ」

「あ、待って下さい。今の闇ギルドについて調べないと」

かりんは、使命感に溢れていたけど、僕ははっきりと言う。


「さっきの奴等は強いよ。無謀さと勇気は違うから、死にたくないなら止めといた方がいい」

「……でも。私は強くなりたいです。自立して有名な冒険者になりたいから」

なにが、その子を必死にさせるのか分からないけど、僕より年下の子を死なせたくないな。



「ごめん。僕はなにも力になれないけど、この依頼は止めといた方がいい」

「……分かりました。ごめんなさい」

その後、気まずい沈黙があったものの酒場まで送っていった。



「ありがとうございました」

ぺこりと頭を下げて、顔を上げるとまだ、浮かない表情。

「まずは、しっかり仲間を集めてゆっくり、強くなって」

「はい、そうですね。がんばります」

「ハリィ!」

二人に手を振りつつ行こうとすると、呼び止められた。

「あ、あの」

「ん?なんだい?」

「あなたのお名前は、教えてもらえますか?」

「ハヤテだよ」

「……ハヤテさん。忘れませんね。またいつか、会えますか?」

なんか、そんなことを言われると、嬉しくなるな。


「うん。僕はトナの村にいるから。いつか、平和になったら遊びにおいで」

僕は手を振り、今度こそ街の出口へと向かって歩き出した。

けど、その前に今の出来事をギルドに報告しておいた。


気にはなるけど、僕は自分の村のことの方が気になる。

きっとこの街の冒険者たちがなんとかしてくれると思う。




別方面の出口へ行くと、門番にギルドカードを見せる。

王都に行くのかいと聞かれたので、曖昧に答えておいた。





街道を歩きながら進んでいくと、やはり王都を目指す旅人や冒険者が多い。二日目からは、街道をそれて進んでいく。


時折射程内に入る魔物は、さくさくと仕留め行く。

強い後衛って楽でいいね。卑怯とか言われそうだけど。



時折現れる魔物を瞬殺しつつ、素材を回収して歩いていると、遠くに山々が見え始めた。


あの険しい山脈を越えれば、フォルティシオ領だ。

あの山々には、キラシカたちとダイシカンが住んでいる。

ワイバーンを仕留めるクエストを受けた時に行った山々だ。

みんな、元気に暮らしているかな。




夕方頃に、山々に近づくとその麓に村が見える。

もう冬の足音も近い。寒いから休ませてもらえるかな。


しかし、村に近づいてなにやら騒がしいことに気づく。

不穏な気配に足音を消して近づくと、金ぴかな鎧を着た馬鹿っぽい奴等が、村人を駆り立てている。


「や、止めてください!」

「わしらがなにをしたんだ!」

「騎士様、お止め下さい!」

僕の方に老人が逃げてくるので、助けようとして目の前で倒れた。背中には、矢が刺さっている。


「逃げるからだ、じじい!」

「ああ、おじいちゃん!」

こちらに来ようとした村娘の髪の毛をつかんで手繰り寄せると、嫌な顔で笑う。


「いいか!貴様等は、ブレッチャー侯爵様に命を捧げるのだ!

あの方のために、女どもは尽くせ!男どもは、馬車馬のように働け!老人どもは、一発芸であの方を笑わせるがいい!」

あの騎士、ホントに人々を守る騎士なのか。あんなクズの奴がいるのか。


僕は、倒れた老人の冥福を祈りひょっとこのお面を被る。

そして、ゆっくりと立ち上がり矢をつがえ放つと、兵士の眉間を射抜く。


「うわっ!」

「ひぃっ!」

倒れる兵士を見て、騎士が驚く。

「おい、どうした?この私が凄い魅力だからって、卒倒する程か?」

「ち、違います、ゴレッチャー様!あそこにいる者からの襲撃です!」

金ぴか兵士の声にこちらを見るゴレッチャー。なんて品のない顔してるんだ。



つづく


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