表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/106

異世界.2

まあ、ゆっくりです。すみません

プラチナの速さに追いつけない。僕は、レベル500だよね?

それなのに僕より速いなんて。待てよ?ここから狙い射てばいいのか?

立ち止まって矢をつがえて構える。部活の時を思い出すな。集中!

スキルの効果か、視界がクリアになる。見えた。盗賊が馬車を襲っている?護衛の兵士?いや、冒険者らしき人が襲われているけど、数が多い。それでもこの矢ならば!剣を振るおうとした盗賊の肩に一矢。そして続けて女性にのし掛かろうとしているクズに二矢め。ただ冷静に放って行く。冒険者たちは何事かと驚いているがそこで、ハヤテが到着して、剣を振るうのが見える。後は任せて、馬車に近づこうとした盗賊を射つ。足を狙って。



戦いはすぐに終了した。僕がたどり着く頃には、盗賊たちは縛られている。プラチナが気づいて手を振ってくる。

「ハヤテくん、ハヤテくん。捕らえたよ」

随分と気さくな喋り方だ。

「あ、うん」

見ると、冒険者の方々も平気みたいだ。良かった。その冒険者たちもこちらにやってきて礼を言う。

「さっきの矢は君か?凄い腕前だな。」

気さくな剣士の人は、ゲインさん。

「ありがとう!助かっちゃった!」

長い棒みたいのを持ってるのがマイリーさん。

「ふん、あれくらい俺だって出来たぜ!」

なにか意地を張ってるのはグラバーさん。戦斧の使い手かな。背中に重たいの背負ってるし。映画とかの小道具ではないんだよな。当たり前だけど。

そして、豪華そうな馬車の扉が開き、立派な服装と言うか。あれが貴族様という奴か。会ったことはないものの良いイメージはない。

住民から搾取して、良い女がいれば囲ってそうな気がする。貧乏な人間のコンプレックスだけどね。


中から出て来たのは、スラッとした一人のおじさん。そして、こちらに向かって歩いてくる。

「君かい、助けてくれたのは?」

「は、はい」

緊張してどうする?僕の方が圧倒的に強いんだ。

しかし、貴族の気品と言うか風格と言うか。そう言ったものに飲まれてしまうのは仕方ないのかもしれない。どうしたら良いのか。僕が考えていると手を差し出される。ん?お手?違うか。握手だよね。貴族を前にして緊張しているようだ。

「ども」

しっかり握ると、静かに微笑み隣にいる執事に話しかける。

「セバス。あれを…」

「はい。お待ちください」

セバスと呼ばれた執事は、優雅に一礼すると馬車の中へ入っていく。

そうか。どこの世界も執事はセバスチャンなのかも。

どうでも良いことを考えていると、セバスさんは小さなお面を持ってきた。なにあれ?

「これは、東方の島国より手に入れた一品です。よろしければどうぞ」

「……はあ。ありがとうございます」

えと。ひょっとこのお面なんですけど。それを被ってプラチナを見たら、吹き出すのを我慢している。え?なにこれ?これがお礼?


「プラチナ、君のことは僕が守る」

「ぷっ!」

お面を着けてかっこつけてみた。

だよね。笑っちゃいよね。ひょっとこのお面はいいんだけど、これ着けてバトルとかしたら緊張感もないし。カッコつけても決まらないよ。


ひょっとこのお面―東方の国での一品。珍しくて手に入らない。

気になるあの子に急接近するには、このお面しかない!?


「冗談です。こちらです」

セバス。チャーミングな人め。渡された皮袋。ジャリジャリした音がするので中身はお金かな。助かるけど。断ってから中を開けてみたら金貨が何枚も入っている。

「いや、あのこんなにもらえないんですけど」

貧乏人には、眩しすぎる。

「まあ、そう言わずに」

「いや、でも」

「それで、そこの彼女にでも素敵なアクセサリーでも買いなさい。あんなにきれいなのになにもつけてないなんてもったいない」

「あら。きれいだなんてお上手ですね」

「はは。すまないね。私は急いでいるのでこれで失礼させてもらうよ」

馬車に乗り込み、セバスは一礼して冒険者たちも馬に乗って行ってしまう。あの、このお金。そして、名前も名乗らないで行ってしまった。

まあ、男にはあまり興味がないからいいか。小さい頃から、下に見られて来たからな。同性は苦手なんだ。



「……どうしようか、このお金」

「まあ、いいじゃない。きれいな私になにかアクセサリーをプレゼントしてね」

この天使、褒め言葉に弱いのかな。まあ、それはそれとしてゆっくり街に行きますか。モテない男としては、美女と旅出来るなんて中々ないからな。


ちなみに金貨は、1000枚あったよ。計算出来ないけど、銅貨、銀貨、金貨、大金貨、白銀貨、さらにどーん!そんな風に続いてると説明書に書いてあった。


時折、遠くに見える魔物を射抜いて倒し、素材をGET。空に飛んでいる自由なグリフォンを射抜いて素材をGETしながら、夜は野宿。

近くの林から木の枝を集めては、プラチナの火の魔法で、火をつける。

アイテム袋から取り出した魔物の肉を串に刺してを焼いている。魔物の肉か………大丈夫か。



つづく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ