湖のダンジョン .1
トナの村から三日。街道外れた場所に湖があり、村の廃墟がある。
閑散としていて、生活感がない。
逃げ出したか、全滅したか。
湖をうりにした観光地だったのかもしれない。
昔は、ここに人が生活していたかと思うと、心苦しくなる。
村を抜けて、湖を見ると唖然とした。
湖そのものが、迷路になっているのだから。
「なんだあれ?」
「わぁ!壁か水で出来ているよ!」
「ホントだ!村にあったら、子供たちと遊べそう!」
「……迷路か。あなたは、どの女性にするか、迷路に迷ってるようね」
プラチナは驚き、リアは子供たちと遊ぶことを想像している。
魔物がいなければ、楽しめるだろうけど。遊園地の立体迷路みたいだ。
そして、コハクは変なことを言ってる。
突然でかい魚が、跳ねた。でかっ!水しぶきが跳ねて、大きさがうかがいしれる。これで、こちらがずぶ濡れだったらイルカショーみたいだな。
「……少し、休んでからにしようか」
「は~い!」
あんなの相手にするのか?やだな。でも、魚料理食べれるか?
プラチナが、お菓子と紅茶をアイテム袋から用意する。
熱いけど、美味しい。インスタントの紅茶とは違う。
「………」
「コハク?どうしたのかな?紅茶、嫌い?」
「あんたのアイテム袋ってすごいね。熱々のままなんて」
「どっちかと言うと、コハクの格好の方が凄いと思うけどね。
でも、このアイテム袋と、ハヤテくんのは、袋の中は時間が止まるのよ。まるで、失恋の傷が癒えない人の心みたいに」
変な例え。コハクは頷くと、紅茶と僕を交互に見ると言った。
「ハヤテ。この熱々の紅茶を私の身体にかけて暖めて」
「ぶーっ!」
思わず、口に含んだ紅茶を吹き出したよ!?
「やっぱり、その格好じゃ寒いんでしょ!?」
プラチナの差し出したタオルで口を拭きながら言うと、コハクはうっとりしながらマントの前を開けて、近づいてくる。
ビキニに包まれた胸を揺らしながら。後ずさる。
「もう、駄目だよ、コハクさん。目の前にダンジョンがあるのに、ふざけちゃ」
「ふざけてないよ。見られるたびに私は堅くなるんだから」
リアが、頬を膨らませて注意するけど、あまり効果はない。
むしろ、子供の可愛さを微笑ましく見ているだけた。
「よっと!」
準備をしつつ、空から襲ってきたダークペガサスを仕留める。
「ヒヒィィィィィィン!」
色が黒い馬に羽根が生えている。プラチナ曰く、ダークペガサスは、天使たちの乗り物だったものの、魔族のせいで、闇に染まったんだそうだ。
「…………」
プラチナが、悲しそうに見ている。その肩をポンと叩いて、励ます。
悲しけに微笑むプラチナを促すと、コハクを先頭に、湖のダンジョンに踏み込んだ。
いや、寒いだろうなと厚着しながらね。
つづく




