帰還とのんびり..8
次の日。アルフさんのとこへ寄った後。一つのダンジョンへ。
そこは、南にある湖ダンジョンで、例によって、敵が強くてお手上げ状態だ。
ギルドで依頼を受けると、村の出口へ。
「ハヤテくん。寂しくなったらわたしのこと思い出してね」
「は、はあ」
「ごめんね。うちの妹、抱きつき魔でさ」
「そんな薄着の姉には、言われたくありません!」
抱きつきながら、姉妹はやいやい言ってる。仲がよろしいことで。
「ふふ」
「どうしたの、リア?」
「姉妹、仲良くていいねって思うの」
「……リア。かわいい子」
にこにこするリアの頭をなでなでする、リア。コハクも微笑ましく見ている。
「村長、気になったんですが、畑仕事とか手伝わなくていいですか?」
「いやいや。あなたは、冒険者だしな。今のままで助けられているよ」
村長は、慌てたように首を振る。
この村は、冬野菜と羊の毛のモコモコウールが特産品らしい。
羊とヤギ。そして鶏が放し飼いになっているから、玉子がありがたい。
まあ、村の守りばかりしていたから、気になったのだけど。
前世でも、農業をしたことなかったから、帰って足手まといになるか。
「コッコッコッコッコケー」
「メェ~」
「ンメェ~」
間違いなく懐かれている。羊たちが後をついて来るね。
「お兄ちゃん、気をつけてな!」
「コハクも、裸みたいな格好してっと風邪引くぞ」
「なにさ。そう言って私の身体を舐め回すように見てるくせにさ!」
「それが、男ってもんだ!なあ、あんちゃん!」
違います。誠実な人もいます。返答に困る問いをされてもね。
下品なやりとりに苦笑するも、この土地の状況に元気であることはいいことだと思う。
馬車を借りつつ南へ。雄大な景色を馬車の荷台から眺めて進む間にも、魔物は襲って来る。
メガスライムや、切り裂き蛮族の集団。ひたすら洗濯するアライサンなんて変わり者もいた。
ひたすらきれいに身体を洗うので、小川が、汚染されていくので慌てた。
戦いにも幅が広がった。魔物にも見られても効果のあるスキル注目のおかげで、秒で防御力が上がっていくので鉄壁のガードをしてもらってる間に、矢で射抜く。
プラチナが突いて、リアの凪払い。僕の経験値ブーストの効果でみんなのレベルが上がる。
夜、キャンプの時は、冒険者を長く続けていただけあって、コハクの料理は美味しい。
食料を上手くさばいて、豪快に手持ちのフライパンで痛める。
「調理道具まで持ってるんですか?」
「ま、旅の間にも料理は楽しみたいからね。男共も喜んでくれた」
「は、はあ」
「オンナァァァァァァ!」
「しかし、こんな可愛らしい子が勇者だなんて」
夜。結界の中でキャンプをしてる中で、ご飯を食べてすやすやと僕の膝枕で寝てしまった。
その頭を優しく撫でる。まだ、小学生か中学生かそこらだらう。
もっと遊ばせて上げたいと思うんだけど、状況がそれを許さない。
「僕たちが守って上げるしかないですね」
「そうだよ。私たち大人が、だよ~」
「シリィィィィィィ!」
「そうだね。それにしても、二人は付き合ってるの?」
「フトモモォォォォォ!」
「え、い、いや!そう言う訳じゃないよ?なあ?」
「う、うん。残念ながらね。えへん」
なんで、威張ってるの?僕たちを眺めてクスリと笑う。
「なら、私にもチャンスはあるんだろう?」
「え?」
「タイプじゃないと思ってたけど、あんた強いしね。どう?」
にじりよってくる!?獲物と定められた!
「ベロベロサセテクレェェェェェ!」
「だ~め~!ハヤテくんはだめ!」
二人の間に入って僕を抱きしめる。柔らかいものに抱きしめられて幸せ。
「付き合ってないなら、いいじゃない?」
「駄目です~!ハヤテくんはそんなにすぐに誰かと寝ません~!」
「ぷっ、ふふ」
「?」
「冗談だよ。ちょっとからかっただけだから!」
リアを起こさないように笑いを堪えてる。
「む~!うるさい!」
プラチナが、頬を膨らませてるのでかわいい。語尾のうるさいは、アンデッドがうろうろしてるから。
「ターンアンデッド!」
「チチガ……チチガ……トオザカルゥゥゥゥゥ!」
浄化されるゾンビたち。もう大分慣れているのかもしれない。
結界のおかげで、入ってこれないしね。
「妹にライバルがいるのはいい」
何事もなかったように、優しげに遠くを見る。
村の方角だね。喧嘩ばかりしても、心配してるのだろう。
見張りを交代しつつ、日が昇ると朝飯を軽く済まし、僕たちはまたダンジョン目指して進む。
つづく
結界の外は、アンデッドが静かにこちらを狙ってたよ
切り裂き蛮族は、人を見ると奇声を発して襲いかかってくるから、話しは通じないよ。




