帰還とのんびり. 2
それは、当たり前の朝。僕にとってはそれが贅沢のことで、ベッドから起き上がると、隣のベッドにいたはずのリアが潜り込んでいた。
いや、なんでプラチナも入り込んでるのかと、ツッコミを入れようとして止めた。
めちゃめちゃ幸せそうに寝ている無防備さになんかこっちまで、幸せな気分になる。
まあ、この年で孤独だったから、寂しいんだろうな。
そのまま起こさないようにして、そっとおきあがる。
一階に降りて暖炉に火の魔石で炎を起こす。冬の村の寒さはハンパないと言うことだ。
暖まるまでそこにいることにした。
簡単な朝食を作ってると、村のじじばばたちが野菜を持ってきてくれるのでそれでサラダを作る。お返しに飛竜の肉を上げる。
僕が仕留めた場合は、解体しないでも、解体された状態になるから光の女神様々だろう。
「おはよう、お兄ちゃん」
リアが起きてきて抱きつく。
「おお。おはよう。嬉しいけど、料理してる時は抱きついちゃ駄目だよ」
「はい。ごめんなさい」
「ハヤテくん、おふぁよう。私も抱きついてい~い?」
「それは、色々と駄目です」
「ええ……なるほどそうか、そうか。私の魅力的なボディにメロメロだな~?」
「それな!」
照れくさいので、そう答えておく。それな、の使い方は違うかもしれない。
「もう!照れ屋さんなんだから」
「お兄さんは、照れ屋さんなんですね!」
お皿を並べながら、リアまでそんなことを言う。
この世界の距離感は、どうなっているのか。
パンとサラダとスープの簡単な料理だけど、これで十分だ。
しかし、日本人だから米が食べたい。
「いつか、東方之島国に行って見たいな。米と味噌汁が欲しい」
「お兄ちゃんの故郷です?」
「違うんだけど、似てるかな?」
「私との新婚旅行で行きますか」
「行きますか」
「行きませんよ?普通の関係で行くからね」
「そうなの?お姉ちゃんが、本妻で私が、二人目の妻でいいよ?」
「え?後妻じゃ私、死んでるじゃない!あ、天使だから平気なのかー」
「平気でもないと思うけど……」
なんだろ。くだらないやり取りなんだけど、賑やかで食事が楽しい。
こんな感じなのは、久々だからね。卒業して社会人になってからは、ずっと独りだった。
「お兄ちゃん、どうしたの?暗い顔して」
「いや、なんでもないよ」
心配かけちゃったから。気をつけねばいけない。
「ま、いっぱい食べたまえ」
「……僕が作ったんだけどね」
ジト目で、プラチナを見ると笑って誤魔化す。
こんな風に、誰かと過ごせるのは幸せだと思う。
「あ、おはよう、お兄ちゃん」
「カナエ、買い物か?」
「うん、お使い頼まれちゃった」
「そっか。偉いよ」
頭を撫でてやると、嬉しそうにはにかむ。
「ロリコン兄ちゃん、俺らと遊ぼーぜ」
「誰が、ロリコンだ!」
怒ると逃げていく子供たち。ロリコンじゃないよ。もっと、年上が好きなんだよ。
ギルドには入ると、相変わらず冒険者はいない。
ガレットさんも、外の見回りをしているのかいない。
この前、パーティー組んだからレベルも上がってるから、この辺の魔物は大丈夫だろう。
「おはよう、ハヤテくん。私の顔を見たくなった?」
カウンターから出てきてルリが微笑む。
「まあ、依頼の報告なんだけどね」
「ムー。そこは、嘘でもそうだよって言いなよー。モテないよ」
ぐさっ。まあ、モテないけどね。それより聞きたいこともある。
「ルリさんおはよう。いつも明るいね!」
「おはよう、リアちゃん。ありがとね。プラチナも、おはよ」
「うん、おはよう。ねえ、この村の結界とかどうなってるかなー?」
「結界石使っても、すぐに壊されちゃうの」
困ったように笑うルリ。確かにな。だから、飛竜が大空から襲って来たんだな。
「それと、冒険者は、やっぱり来ない感じかな?」
「そうだね。依頼しに行くにしても、このハードなエリアを抜けないと行けないよ」
ハードじゃなくて、ベリーハードだけどね。やっぱり僕が行くしかないか。
「……もう少し、余裕が出来たら僕が行ってくるよ」
「それは、とても嬉しいけどあまり、無理しないでよ。
匙を投げた国が悪いんだからさ」
地図で見たら、フェルティシオ王国の辺境にこの村がある。
何度か、このエリアの魔物が強くなった理由を探るのと、魔物討伐を目的とした部隊を派遣したものの、全滅したという。
僕に出来ることは、一つ一つクエストをこなして、この村を楽にさせて上げることだ。
「……そうだ。転職ってどこでするのかな?」
説明書に載っていた項目。転職すれば、便利なスキルとすてーたすの上がりも良くなって強くなれるとある。リアもあの村じゃ、転職出来なかったから、村人のままじゃ、パラメーターの上がりも悪いと思う。
「わ・た・し・の・お・う・ち♪」
上目遣いでルリがそんなことを言うから照れてしまう。
「あいたたたたた~!」
「いつからあんたのおうちは、転職屋になったんだい?」
ガレットさんが、背後から忍び寄りこめかみをぐりぐりしている。
この二人は、仲がいいのかな。悪いのかな。
「おはよう、ガレットさん。ルリさんをあまり、いじめないで?」
「あんたは、良い子だ。でもね、このビッチを甘やかすと男が駄目になるからね。私は厳しくするんだよ」
「そうなんだ。仕方ないね」
ガレットさんに頭を撫でられて、えへへと笑う。嬉しそうだ。
「そんなことないよ。みんな、私を好きになるけど、追いかけてくるから私すぐ、冷めちゃうんだよ」
困ったように話す。余裕のある男なら良いけど、モテない男はそりゃ、追いかけてしまうかもね。
ルリには、気をつけないといけない。
「えへへ。ハヤテくんは私になびかないから、気になっちゃうんだよね」
「ぼ、僕のことは、そっとして置いて下さい」
にじりよって来るので、少し後ずさる。モテる男なら上手く対応出来るんだろうけどね。
つづく
タイトル長くなりすぎたかもしんないです 笑
気になったら短くします




