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お祭り.23

「さーーーて!次の試合は好印象!優しげな弓使い!ハヤテ!」

バニーガールが飛び跳ねるたびに揺れる胸にみんなが夢中になるので、注目されないですむ。

遠くからじゃ、見えないだろうに。


「そして!対戦者はコテツさーーーん!名前からして二人とも東方之島国出身でしょうかーーー!?」

やはり、日本みたいなとこあるんだ。でも俺は、この世界の住人ではないんだけどね。



「それでは、始めてくださーーい!」

コテツは静かに刀を納刀状態で構えてる。

これは接近したら不味いかな。居合い斬りとか。

さっきのコハクとの関係も気になるけど。


試しに気を込めて矢を放つと抜いて弾かれる。

更に二連射。三連射を弾かれる。凄い剣速だ。

困った。このまま気を込めて放ってもジリ貧だな。

かといって接近したら叶わないかも。


僕の攻撃を弾けるならば同じ強さは、最低限ある訳だし。


「……こないなら。こちらから行くぞ!」

「!」

踏み込みが速い。反射的に飛龍閃を抜いて受ける。

横凪ぎ。袈裟斬り。突き。それらを辛うじて受ける。剣戟が舞台に響く。

接近戦はやはり不利だ。かすり傷が増えていく。



「ほう。後衛なのに剣もそれなりに使えるか」

「それはどうも」

「うちの姫様方が世話になった」

「姫様!?誰のことー!」

「知らぬならいい。このまま決着をつける!」

放たれる居合い斬りを剣で受ける。

しかし、その反動で僕の剣を軸に回転してもう一太刀!そんな動き反則だよとか思いながらかがんでかわす。刀を突かれるのを転がって避けて気を放つ。

それを首を傾けてかわす。踏み込まれて突きを右に左にかわす。なんとか必死に受け流す。

僕のレベルに対応出来るってことはこっちより強いのか!?



「楽しいな。久々に強い猛者と戦えて仕事を忘れそうだぞ、青年!」

「ちっ!」

凄まじい斬撃に怯みそうになる。このまま負けても仕方ない相手……手を斬られ弓が落ちる。

怪我した方を押さえる。なんだ?力が抜ける?

がくりと膝を着く。コテツがゆっくりと近づいてくる。


「この胴狸は心にダメージを与えるゆえ。もう立ち上がれまい」

武器に付与されてるスキルか。そう……だな。頑張ったしもういいか。




「さて。負けを認めてくれるかな?」

「……ぼ、僕の「お兄ちゃーーーん!頑張ってーー!」

負けを宣言しそうになったその時。リアの言葉が不思議と心の敗北感を吹き飛ばした。

こんなすぐに諦めるなんて。前世と一緒じゃないか!ぼっちだから、人生を諦めて。幼馴染みを失望させて!そして、妥協して工場で働いて夢も希望も持たないで。


そして今は、子供たちに心配かけてる。

大人はきっと。子供たちに見本を見せないといけない。いや、かっこつけたいだけか。

それでも。まだ、諦めるか!


「……ほう。瞳に力が戻ったか。なれば遠慮なく!」

居合いで抜いたのでなくて救いだった。

上段斬りをかわして弓に手を取り放つ一矢をかわされて弓ごと放る。


「なに?」

相手は驚いてそれを弾き。その間に間合いを詰めて剣を振るう。

それを受けられた瞬間。横からの弓の一矢に膝を着くコテツに剣を突きつける。





「……参った。なんだ、今のは?」

コテツの目線の先には落ちてる弓。簡単に言えば遠隔操作だ。

レベルが上がって魔力を送って操ることが出来る。

でも、弓を手放すので、いざという時の隠し技みたいなものだ。





「おおっとーーー!勝利したのはハヤテくん!私のイチオシだぞーーー!

是非、優勝して私のことを迎えに来てほしいものです!」

バニーガールさん、なに言ってるの?そんなルールじゃないよね?





「ははは。そうか。中々面白い技を使うな!負けは負けだ!なんでも話そう!」

実に気持ち良さそうに笑ってる。

「いえ。こちらも駄目かと思いましたよ……と!?」

リアが駆けて来て抱きついた。


「お兄ちゃん、勝ったーー!えへへー!」

「ああ。心配かけたな」

「ううん。かっこ良かったよー!」

「はっやってくーーん!」

他のみんなもやってくるけど抱きつかないで。

僕だって男なんだからな。

流石に巫女はそんなことしないけど、もじもじしてない?





「コハクさま。はしたないことはしないでください。それとその格好」

「たく。あんたは変わらないね」

「おじさんと、コハクおねーちゃんはどういう関係なの?」

「お、おじ」

「ははは!コテツ。おじさんだってよ。そんなこと言われたことも無いのにねー!」

「コハクさま!」

「ははは!ここじゃなんだから屋敷に戻って話そうか」

コハクに言われてそうだなと思い立つ。

ふと視線を感じて王族閲覧席から第二王子がこちらを睨みつけていた。

スキルのスナイパーアイがあるから良く見えてしまうのも困りものだな。



つづく

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