部活に入れ C 満作部
さっきから周りの視線が痛い、それはというと秋にお姫様抱っこされているこの状況、男子として、なんか恥ずかしい。
「ねぇ、秋」
「なぁに、春」
天使、というか女神のような笑みを浮かべて俺に言葉を返してくる。
てか、今気づいたけど秋の方から柑橘系のいい香りがする。
「……みかん、みかんが食べたい」
ふとそんな発言をしてしまっていた。
何言ってんだ、俺。
「もう春たら、それ昨晩も言ってたよ」
「え? 昨晩秋と会ったけ?」
俺の記憶上帰ってから外に出てないし秋にも会ってないけどな。
すると秋は「やっぱり」と呟いてからどこか寂しげな顔をして、秋はぼやく
「昨晩のこと、ほんと忘れちゃったんだね」
……俺、昨晩なにしたの?
秋の顔を見てると、そんな疑問ばかりが頭の中を駆け回る。
「ん〜でもね、やっぱり昨晩の春は、魔法少年はとってもかっこよかったよ」
……俺、マジでなにやったの??
秋が、春から魔法少年に言い換えてるしさその笑顔、他の男子が見たら絶対に鼻血ブーするよ、ねー。(経験談)
「ん、そのあとに見せてくれたあの笑顔も最高だったよ」
なんなんだ、俺は一体全体なにをしたんだよ!!
そして秋の顔を見慣れてる俺でも流石にこの女神級の笑みを見続けていれば間違いなく失神かなにかするだろう。
「でさ、秋」
「なぁに、春」
みかんが食べたいと呟いたことでだいぶ後になったが、この状況を忘れちゃいけない。
「いい加減に下ろしてよ」
お姫様抱っこされているこの状況、もうヤダ!! 恥ずかしい、黒歴史決定だぁ!!
「だってぇ、もうちょっと春と一緒がいいだもん」
そんなこと、ほっぺを膨らませて言われても、すれ違う人達にこれ以上変な目で見られたくない。
そこへ先を扇動していた姉ちゃんが口を開く。
「君たち、いつまでイチャイチャしてるの? もう目的地着いたよ」
目的地、ここに来るまでずっと秋に抱っこされていたのか、男子としてなんか、恥ずかしい。
「は、ふぁ〜」
そんなこと言って秋の顔がどんどん赤くなっていく。
赤面した秋に下ろされ、改めて辺りを見渡す、そこは授業でもあまり使われないと聞く三棟で学校の一番北側、その校舎の三階に俺たちはいた。
「神折、弟と義理の妹を連れて来たぞ〜」
そう言いながら姉ちゃんは空き教室と思われるドアを開ける。
その後に秋が「だ、誰が義理の妹ですか」と姉の耳元で言っていたのが聞こえた。
教室の入り口にあるクラス札に俺は目をやる、そこには何も書かれておらず変わりに魔法使いのシールが貼られていた。
「ほら行くよ、春」
クラス札に目を向けていたら秋に手を引っ張られ教室へと足を踏み入れる。
足を踏み入れた先には学校でよく見る学校机? と椅子な並べられている。
その教室の窓際で本を読んでいる先輩? がいた。本はカバーをしていてなにを読んでいるのかわからない。
その先輩らしき人はこちらに気づいたようで読んでいた本を机の上に置きこっちを向く。
「こんにちは先輩、その子らが噂の後輩ですか」
灰色の前髪をいじりながら先輩? はシキねーに言葉を飛ばす。
「そう、後輩だよ」
姉ちゃんが肯定する。
そして灰色髪の先輩はうちの姉と違い落ち着いてトーン話す。
「ようこそ、我ら満作部へ」
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