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第七十二話 ノロケはほどほどに
「なあ、聞いてくれよー。この間ハルピィさんが可愛いくてさー」
学校で隆が烈太と祐子に話し始める。
「なあ、この手の話今週で何回目だっけ」
烈太は祐子に聞く。かれこれ隆は何度も同じ話をしていて聞いている二人はうんざりしているのだ。
「もう二十回は聞いたかしら」
「うわ、言い過ぎ。どんだけ言えば済むんだよ」
数字を聞いて烈太はよりうんざりする。
「はあ?俺の愛する恋人の話だぜ?何度言っても足りるわけないだろ」
だが隆は二人の態度などものともしない。
「不純異性交遊」
「やめろよその話は」
烈太がぼそっと呟くと隆は気まずくなる。隆は調子がよくトリマリィと一夜を共にしたことも二人に話した。当時は教室でしかも声が大きめだったので二人は隆の口を塞いだのだ。
だが何度も話されると逆に友人を貶めたくなるものだ。危うく他のクラスメイトに聞かれれば教師まで情報が行けば退学も有りうるからだ。
「ま、ばらされたくなければノロケはほどほどにするのね」
「分かったよ」
祐子に言われそれしきり隆は口を噤んだ。




