第百四話 仇と犠牲という名の人殺しと
「あんたは…………へえ、いつだか殺しかけたあいつの弟じゃない」
ドラグリィは烈太に驚く。
「まさか、生きてるとは思わないでしょ?」
烈太はゆっくり立ち上がり言う。
「ええ、てっきり死んだと思ってたわ。まさか、女になって復讐にでも来たの?」
ドラグリィはレッカの正体が男であることの驚きを口にする。
「ふ、まさか。君が仇なんて忘れさせられていたからね。今の俺は正義の魔法少女さ」
烈太はニヤリとしながら言う。
「ふははははははははははははは!あーはっはっはっはっはっはっ!完成したぞ、とうとう完成した!これで烈太くんは強くなる!わたしが最強なのだ!わたしの発明こそがー、さいっきょー!」
ディリハは研究所の工房にて両手を掲げて悦に浸る。
今すぐ烈太にこの発明を届けねば、ディリハは走った。
「正義?ふっ、はっはっはっはっ!ちゃんちゃらおかしいわねぇ。あたしが仇だってのに正義の味方を気取るなんておかしいじゃない」
ドラグリィが烈太が正義という言葉を使ったことを笑う。
「おかしい、か。じゃあ君は何のために戦ってるんだ。正義?正義のためにこの世界の人達を犠牲にするって言うのかい?」
烈太が問う。
「そうよ、この世界はわたしの犠牲になってもらうわ!ははははははは!」
ドラグリィが高らかに宣言する。
「犠牲、つまりそれだけの数の人を殺してきた。今も、昔も」
烈太の言葉にドラグリィは目を丸くする。
「殺した?わたしが………?いや、違う。わたしは殺してなんかない!いやいや!わたしは!」
ドラグリィは自分の行いから目を背ける。




