GW戦線。風雲ギルドバトル 11-1
《ただいまよりぃ~、Aブロック決勝戦【夢の涙】VS【影法師】を行います!この戦いで勝利したギルドがBブロック優勝ギルドと覇を争う事になります!
ちなみにBブロックの優勝は既に確定しております。いうまでもなく【滅神】だ!
【百姓一揆】も頑張っていましたが、やはり最強プレイヤーと名高いアキラの壁は高かったぁ》
トト氏が観客に向けて紹介をしている頃、私達と影法師の面々が向かい合っている。
「ここであったが100年目。今までの借りを公衆の面前でノシ付けて返してやるぜぇ!覚悟しろよ!」
「やはり貴女ならこのギルドバトルに出て来ると思っていましたよ。
以前、完膚なきまでに叩き潰された後、俺達は血の滲む努力をしてスキルを鍛えた。今度こそ貴女に負ける要素は……無いッ!」
フィジットとギンガの二人が私を前に話しかけて来る。フィジットというのは龍潜境で斧を使っていたプレイヤー。そしてギンガは鑑定スキルの人です。
龍潜境で見たもう一人のヒャッハーな人は目の前には居ないようですね。恐らく別働隊なのでしょう。
「そう?一応私もあれから強くなってるのよ?貴方達だけが強くなったと勘違いしてるとまた痛い目を見ることになるわ。
それに今回は仲間も居るからね。私一人に感けていると、負ける事になるのは果たしてどちらかしらね?」
「くくっ。そう言ってられるのも今のうちだ」
意味深なセリフを残し、自分たちの本陣へ去っていくフィジットとギンガ。
私も本陣に戻りつつ、イロイロ戦い方を考えてみる。途中迎えに来たナナと合流し、戦略の相談を行う。
「うーん。面倒そうな相手ね。とりあえず【裁縫闘士】も使わないといけないかもしれない。今回は以前と違って装備の能力も下がっているから油断したら負けるものね。……少しくらい全力出しちゃいましょうか」
「シャナンも呼んで良いの?」
「いいわよ?私も兵隊達を使う事にするからね」
「やった!早く準備しないと!」
本陣に着くとナナと話した結果をルルカたちに伝え、他に良い意見がないか聞いてみる。
シヅキから意見を貰いそれを採用し、戦いに挑みました。
《Aブロックー決勝戦~開始ぃぃぃ!》
開始早々、影法師の本陣前にサンダーが打ち込まれる。これは勿論今から攻めるよ?って言う合図です。
それに触発され、慌てて本陣から出張ってくるPKたち。だけどその出張ってきた先にはシャナンに乗ったナナや、既に魔法の詠唱を終えいつでも発動可能な状態になっているルルカが居ました。
「行っくよ~シャナン!ドラゴンブレス!!」
「あたしも負けてられない!ボルケーノ!!」
二人の攻撃により、4人ほどのPKが消失する。そして他の面々はというと……
シヅキとスミナの二人プラス私の人形のリザプリ……《蜥蜴僧侶》と一緒に本陣へ向けて侵攻中。
リザプリは回復スキルを持っている人形で前衛二人の役に立ちますからね。試合会場内位なら自動指示で行動してくれます。
私とコノハは、15人のPKに囲まれている最中です。勿論その中にはフィジットとギンガの姿、そしてギルマスのガレイオウまでいる始末。……ガレイオウを倒しに本陣に向かったナナたちは空振りに終わるのね。
それにしても私を倒す為に数を集めてくるとはね~。
確かにギルマスを倒せばその時点で終わりだけど、だからといって最初から大勢で私を狙いに来るのはおかしくないですか?
「流石のアンタもこの数には驚いてるみたいだな。俺達の狙いは最初からアンタ一人。
ギルドバトルなんざ本当はどうでもよかったのさ」
「そう……。でもいくら数が居ようと私の範囲魔法ならどうとでもなるわよ?例えばこう言う風にね?
【暗黒の穴】」
「チッ!そうはさせねぇ!《阻害の粉》」
私の詠唱を阻害するべく、アイテムを使用してくるフィジット。普通なら先の戦いの時のミヤの様に詠唱中は動かず集中しないといけないですけど、私の場合、舞の足運びをすることで集中しながら動く事ができるのです。
少し離れた位置から見ていたガレイオウもアイテムによる攻撃を避けながら魔法を放つ私に驚いています。
「やるなっ。詠唱しながら動き回る魔法使いなんて、想定外じゃないか!」
この位の事で想定外とか言われても困るんですけど……。まだ本気のほも出していないのに。
私の放った暗黒の穴で2人のPKが深い穴に閉じ込められ、行動不能になる。
私は穴に閉じ込めた位で安心できるはずもないので、PK二人の居る穴に向かってリザナイ《蜥蜴騎士》を突っ込ませておきました。勝つにしろ負けるにしろ時間稼ぎにはなるはずですから。
「魔法以外のスキルは人形操作か。あのクズスキルといわれた物をあそこまで使いこなすとは流石だな
俺達がライバルと決めただけの事はあるぜ!」
「え?ライバルとか勝手に決めないでくださる?私のライバルは世界にただ一人ナナだけなのだから。
あまり勝手な事ばっかり言ってると……消し飛ばすわよ?」
フィジットの勝手なライバル宣言にカチンと来た私の言葉に世界が震えあがった(嘘?)
「あ、あのレイカさん?私全然相手にされてないのですけど……」
しかしそこに世界救済の手が差し伸べられる。
この声が掛からなかったら少しだけキレた私が顔を出すところでしたよ?
……うん、最近沸点が低い気がします。戦いのときは特に……注意しないと。
ただでさえ、GW後に販売開始される第3版後期のPVで私のキレっぷりが白日の下に晒されてしまいましたからね。ああいう目立ち方は二度とごめんです。
☆☆☆☆☆その頃の運営サイドにて☆☆☆☆☆
とある会社のとある一室においてギルドバトルの様子をモニターする二人の男女が居た。
「さて、今日のレイカはどんな表情を見せてくれるのかな?ちゃんとパパが見ているから安心すると良いぞ?」
「社長!職権乱用して開発室に入り浸るのはやめてください!娘さんに言いつけますよ?」
「や、やめたまえ!そ、そんな事をされたら厳格なパパとしてのイメージが崩れる!」
「……どこが厳格なのですか?毎度毎度開発室に来る度にデレデレした顔で娘自慢をしてくる社長からはそんなものを一切感じられません!(娘さんの関係しない仕事中は凄いと思いますけどね)」
「ナ、ナンダッテェー!?」
和仁が開発室のモニターでレイカの写るデータを全て採取しているのは周知の事実だ。
だが今回、和仁の目的はレイカにある頼み事をするための交渉材料を探しに来ているのだった。
「にしても、娘を説得する為の材料探しする親って最低だよな……」
「そうですね。社長は最低です。なぜ普通に頼まないんですか?」
「ウチの麗華は目立つのが嫌いでね。こんな話をしたら間違いなく嫌われてしまう。
だが今更この案を白紙に戻すなどできん!……けど娘に嫌われたくないんだよなぁ。
どうしたら良いんだろうか。キャサリン君……」
「だ、誰がキャサリン君ですか!私の名前は……」
和仁の目の前には一枚のA4用紙が置かれておりそこには《Dream Community Online CM起用オーディション概要》と書かれていた。
☆☆☆☆☆ 終 ☆☆☆☆☆
「ごめんなさいね。コノハ。それじゃ指示を出すわよ?コノハは倒せそうなプレイヤーを集中して狙って頂戴。かといって注意散漫になってやられないように気をつけてね?退場しちゃうと私の戦いが見れなくなるわよ?」
優しく微笑みながら後半にジョークを混ぜつつ指示を出しました。
「ふぁっ。はいいぃ!不肖コノハ!レイカさ…んを狙うPKを一人以上仕留めて見せます~!」
すると真っ赤な顔になって二刀を構えるコノハ。
その目は先の言葉を出した時のように蕩けた目つきではなく、獲物を狙う鋭いハンターの目になっていました。
その良い眼つきに免じて、様付けしそうになってた事は聞かなかったことにしてあげます。
コノハはPKの中から自分と対戦相手として相性の良さそうな軽鎧装備の斧使いを選んだ。
コノハは素早さで敵を撹乱して急所狙いで倒すアサシン型。なので大振りになる攻撃が多い斧使いや矢を番えるのに時間を食うタイプの弓使いは格好の獲物なのです。




