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新生活と出会い 1-2

2話目です!


次話予定は、書け次第という事で……明日か明後日かどっちかになるかなぁ

 少し時間軸が遡ります。


 去年の年末にあったイベントのあとは受験も間近に控えていたせいもあり、ログイン回数は減っていました。その理由としていくつか受ける大学のオープンキャンパスというか下見にも行った為です。


 「そこの学生服の人。うちの学校の下見に来たの?」


 その大学のうちの一つC大を下見していた時、女性に後ろから声を掛けられたのです。私は返事をするべく振り返るとその女性に名前を呼ばれてしまったわけです。


 「はい、そうで……「もしかしてレイカじゃない?」……?」


 その女性は驚きの声をあげていました。私が正面を向いた時、改めてその女性の顔を確認して同じく私も驚くことになった。


 「……ミヤ?」



 この言葉に女性は頷きました。DCOなど、最新のゲームでは基本自分の体や体型を弄ることはできません。よってネカマ・ネナベも存在しにくいのです。まあ女性顔の男性や男性のような体型の女性は偶に間違われたりするみたいですけど……そこは運営に報告すればアバターの作り直しや設定の変更が出来ますので大きな問題にはなっていません。


 「そうよ。へぇ~ほんとにレイカなんだぁ?あっちでアンタが美形なのは分かってたつもりだけど、いざ本物を見ると、その造型に不公平さを感じるわね」

 「造型ってなによ。顔の造りはどうしようもないじゃない。ってそれよりミヤはこの大学の学生だったのね。うすうす年上だとは思ってたけど」

 「えぇ、私はここのシステム構築科の2回生よ。アンタがここに来る時には3回生だけどね」

 「え?別に私はここに決めたわけじゃ……」

 「そう言わないでさ?この学校にしておきなって。ヘルガのやつもここの学生だから、話しやすいわよ」

 「来るかどうかは、学校を気に入るかどうかで決めますので!」

 「あいかわらず頑固ねぇ。……うん、しょうがない。暇だから私が大学を案内してあげるわ」

 「一人で見てもよく分かりませんし時間があるならお願いします」

 「任せなさい!別の科の事も分かる範囲で良かったら説明してあげるわ!」


 リアルのミヤはゲームで見たとおりのすっきりとした顔立ちで、ふわっとしたウェーブの掛かった髪形をしていました。違うのは髪の色だけで、ゲームでは赤。リアルでは黒という事くらいでしょう。

 ミヤに案内されるがまま、私は理工・生命科学・経済学等の各科を案内され、ミヤの所属するシステム構築科もしっかり説明してもらいました。


 「次に行くアンタの趣味だって言う裁縫に関する服飾デザイン科もあるにはあるんだけど、そこは私よりアンタの方がみたら分かるわよね?」

 「詳しい内容まではわかりませんけどね。でもミヤのおかげで大学内で迷わずに済みそうです。今まで見に行った学校は全部広くてすぐ迷う作りでしたので。こんなに早く希望した場所を回れるとは思っていませんでした。ほんとにありがとう」

 「い、いいのよ。私も暇だっただけだし。それよりさ、そんなよく迷いそうな大学に行くより、少しでも詳しくなったこの大学の方が良いって……ね?来なさいよ~」

 「ミヤもしつこいですね~。そんな強引な勧誘されるとベータテストの終わりを思い出しますね」

 「そうねぇ、あの時はただ正式版でフレンドを増やしたい目的で誘ってたんだけどねぇ」

 「何気にひどい理由でした!?」

 「気にしない気にしない。さて、じゃあ服飾デザイン科に行くよ!」

 「あ、待ってよミヤ」



 服飾デザイン科にはたくさんの学生がプロッタでの型紙作り、裁断機やミシンなどで縫製作業を行っていました。


 「おろ~?美弥子~。あんたがここに来るなんて明日は雨でも降るんじゃな~い?」

 「沙菜依、五月蝿いわよ!?私は単に来年……じゃなかった今年ここに入るかもしれない学生の案内をしてるだけよ」

 「……ミヤって美弥子さんって言うのね?」

 「あ、そういえば名乗ってなかったわね。私は都筑美弥子よ。改めてヨロシク。呼び方はさん付けは無しであっちと同じくミヤでいいわよ」

 「私は鏡麗華です。こちらこそ自己紹介が遅れてすみません。私も今までどおりでお願い。ミヤに敬語使うのはなんか違う気がするし」

 「そこは普通敬語使わないとダメよね?……それにしても麗華は本名だったのね。まっ、私に似たようなもんだけど」


 私と美弥子ミヤは顔を見合わせて笑う。そこに先の服飾科の沙菜依と呼ばれていた女性の割り込みが入りました。沙菜依さんは髪はショートカットで全体的な雰囲気からは元気なイメージが感じとれますね。


 「うわぁお!?この子、超美人じゃない!何処で引っ掛けてきたのよ。あと、モデルしてくれない?」

 「引っ掛けてないし!?てか麗華が困ってるから離れなさい!」

 「え~、困ってないよね~?」

 「え?あの、これ以上は困ります……けど」

 「むぅ、まあ無理強いはしないけどね。えっと麗華さん…だっけ?私は美弥子の親友の牧原沙菜依よ。ヨロシクね。あとモデルの件は本気で考えて欲しいな。最近の服に着られてる子が多くて見ててイヤになるのよね。でもその点、麗華さんならどんな服も着こなしてくれそうだし。問題があるとすれば服が霞むくらい美人なところだけど……そこは私達の腕で霞まない服を作れば良いだけだし!」

 「ただの幼馴染で恋敵でしょ?」


 沙菜依さんは、その場で語りだしました。ミヤは……もううんざりと言ったような顔です。その場で語りに夢中になっている沙菜依さんを放置して私達は服飾デザイン科を案内してもらいました。

 見れば見るほど使ってみたくなる道具がたくさんですね。基本道具しか使っていませんからこういった大掛かりな機械がすごく気になるんです。


 「こんなものよ?どう?うちの学校に来る気になったかしら?」

 「またそれ?……まあ服飾デザイン科に入れたらここに来るのは吝かではないですね。他の大学より設備がしっかりしていましたし、作業場の雰囲気も良かったように見えます」

 「そう?なら今年の春に待ってるわね。ちゃんと受かりなさいよ?」

 「まあ頑張ってみるわ。ミヤ、今日はありがとう。リアルで会えるとは思ってなかったからビックリしたわ」

 「それは私も同じね。ヘルガは……今日は会わせられなかったけど次回にでも紹介するわ」

 「そうですね。でも握手はなしで」

 「アンタ何処の芸能人よ?…あっ、ちょっと待って。ヘルガに自慢する為に記念撮影するわ」


 何で私と写メ撮るのが自慢になるのかが理解不能ですけどミヤが撮りたいと言うならしょうがありませんね。二人してポーズを決めた物を共有・保存して、少しばかり話した後ミヤと電話番号などの交換をして別れました。 




 私の周囲に関する説明はこの位にしておきまして、次はパソコンやらのネット環境の整備ですね。DCOをプレイするための専用機はネット環境さえあれば再設定はすぐ終わります。

 機械の設定は苦手な私ですけども、実家の方でその辺の取り付けや設定に関しては何度も繰り返して覚えましたので失敗はありません。

 無事、セッティングを終えたところでベッドに寝転がり、DCOにログインしました。

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