冒険?なにそれ?おいしいの? 11
なんだかんだと準備をしていると、ゲーム機端末に接続されている電話機能部分にメールの着信があったことを確認しました。それを見た私は、直ぐにログアウトし携帯をみるとやはり七実からでもうすぐログインできるとの事。 「始まりの街の広場で待ってる」という返事を送り、所用を済ませてログインする。
私が始まりの街に付くと既に数人のメンバーが集まってきていた。今居るのは全員クラスメイトのようです。
「レイカさん、こんばんわ」
「レイカ、ちぃっす~」
「二人ともこんばんわ。急だったのに来てくれてありがとう」
シュリとユキムラが私を見つけ近寄り挨拶をしてきたので私もそれに返す。暫くすると、始まりの街の広場に見知った顔含め、続々と集まり始めた。マサムネやコメカミ、クラスメイト以外ではミヤ。私は二人に挨拶しミヤの元へ。
「レイカ、会うのは久しぶりね。今日はナナが帰ってきたことをお祝いするのよね?」
「えぇ。……ところでヘルガが来ていないようだけど?」
ミヤの周りをキョロキョロと確認しながら尋ねてみる。
いつもなら二人セットで行動してるので、ミヤが一人で居るというのはかなりレアだ。
「アイツなら、家の用事でさっき店番に立つことになったって言ってたわ。アイツの家、コンビニしてるんだけど、アルバイトが遅刻してるらしくて急遽来るまでの身代わりだそうよ」
「へぇ~?コンビニかぁ。入った事無いわねぇ……」
「えっ!?ちょ、レイカそれ本気で言ってる?」
「本気だけどそれが変?」
「すっごく変だから!今時、星の数ほどあるって言うコンビニに入った事も無いなんて、アンタ一体どんな生活してんのよ……」
「流石にみたこと位はあるわよ?……でも詳しい事は黙秘します」
「今時コンビニを見た事がある程度の認識の人が居たなんて……はぁ、まあいいわ。アンタがおかしいのは以前から分かってるし……」
「人を変人扱いしないで欲しいんだけど?」
私がミヤに言い返そうとした時、待ち人来る。久しぶりに見るその獣姿。装備は……うん、古いよね。確か評価7前後のウルフだった気がする……。いまならウルフでも香り効果つきにして性能上げてるから、ほんとに恥ずかしい時代の装備品です。
「えっなに?なんなの、この人の数?」
ナナは姿を見せるなり広場にいる人の数を見て驚いていました。探し人が居ても人ごみに埋もれている以上見つけることは出来ないでしょう。
なので私は、ナナに近づきフリフリと揺れているそのシッポを握り締めた。
「キャゥ!?……もぉ~レイカちゃん!急に尻尾触らないでよ~。なんかそこ敏感なんだからぁ~」
「知っててやったに決まっているでしょう?」
獣族のプレイヤーは耳や尾が弱点(大ダメージを食らうとかではなく)、運営が遊びで付加した種族ごとの敏感な場所があったりするのです。人族は横っ腹……、亜人妖精はハネだったり、その長い耳、そして私のような魔族は……腰の辺りにあったりします。詳しい説明は……しませんよ?また話がそれちゃいますし……。
「もぅ!……こっちでも久しぶりだよね。元気があるかどうかはさっき確認したから良いとして……。
この人だかりは何?イベントか何かがあるの?」
「えぇ、あるわよ。公式じゃなくて個人のプレイヤーイベントだけどね」
「へぇ~?そうなんだぁ?最近はそういうのもプレイヤーが開くんだね」
「ちなみにイベントのホストは私なんだけどね?」
「へぇ~……えぇっ!?あのレイカちゃんが……このイベントのホスト?」
「どの私のことを言ってるのか想像はつくけど、そうなのよね。イベントの名前は【ナナ・カムバックおめでとう】ビンゴ大会よ?
まあ、名前自体は今付けたんだけどね。
ナナがいきなり帰ってくるものだからこっちでは大した用意は出来なかったの」
ちなみに用意した景品は、私の自作装備やアイテムだったり、他の人の扱っていた売り物を素材と交換してもらったり等、使いまわし品も数多くある。イベント掲示板にもこっそりゲリライベントすると言う事しか書いておきませんでしたからね。
そんなこじんまりする予定だったイベントはナナが来た頃には大イベント化していました。
「ゆっくり話したかったのに、これじゃあレイカちゃんと話ができないね」
「話すのはいつでもできるでしょう?今日は私の初イベント、楽しんで行って欲しいな?」
「……うん、そうだね。レイカちゃんの初めてなんだから楽しんでくる!私のためにイベントしてくれてありがとうね。いつまでも大好きだよ……麗華ちゃん」
最後だけニュアンスが違ったような気がしましたが、それを確認するまでにナナはビンゴ大会の輪の中へ。
1時間後……
ビンゴ大会が終わりプレイヤーたちが散らばっていく。そう、目玉イベントさえ終われば後は人の波は引いていくのみですから。 最終的に残ったのは、シュリとミヤ、私とナナの4人。
私達は初顔合わせだった人同士の紹介をしていく。この時、ナナにシュリの中身の紹介をこっそりとした所、非常に驚いていました。
ナナが帰ってきたところで、私はフレンドの再登録を済ませます。4人目以降を登録する事で特性【隠れたい者】の条件が変わるので、これからは今まで登録してこなかった人のフレンド登録を随時して行こうと思います。身近な所から5人目はシュリですね。
私達4人は、あっという間に意気投合し互いにフレンド登録も済ませました。この後はどうするかという話になりましたが、もう日付変更寸前となっていました。明日は平日ですから学校もありますので解散ということに。
ミヤって歳が幾つなのか分からないけど、次の予定を聞いてくる辺り高校生以下ではないみたいです。大学生なのかしら?ま、いっか。リアルの詮索はマナーとしてダメだってどこかで読んだし。
シュリやミヤと分かれた私はナナをつれて私有地へ。ナナに、遅ればせながらも以前二人で集めた素材(ヴェスピス周辺)で作った装備等を渡し、明日ログインした時には育成しているペットたちの紹介をしようと思います。




