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Dream Community Online(仮)  作者: ふんにゃり
高校生編!?
39/135

冒険?なにそれ?おいしいの? 7

誤字などありましたら指摘いただけるとありがたいです。

 素材採取のためにフォウクラッセンの街からフィールドに出て、ゲーム内時間で約20分掛かる場所にある目的地《ダブリヌの森》に到着しました。強いモンスターが多いといわれるフォウクラッセン周辺の中で、この森は比較的モンスターが弱いと認識されており、外周部である此処に来る途中にも幾つかのプレイヤーたちを見かけました。森の中には植物を始めとして食材なども豊富に採取できるらしいので、パーティの中にはそれらを目的としている採取などのスキル持ちも居るようです。


 「モンスターの種類は、やっぱり昆虫種と獣種が多いのね。どうせなら敵の強さも知りたい所だけど……」


 私は、道中に出会ったモンスターをウィンドベルなどの眠りの効果のある魔法で無力化しつつ、ゆっくりと森の中を歩きながら素材を探していると、運よく?赤い毛のイノシシのようなモンスターと戦っている男女4人のPTを見つけたました。丁度、戦闘が始まるところみたいなのでこっそりと物陰から観戦させて貰う事にしました。

 表示されているイノシシのモンスターの名前は『レッドホットボア』といい、火属性の魔法を使う名前が単純な割りに森の中ではかなり強い部類に入る存在らしいです。言うなればフィールドボス一歩手前みたいな感じ?少なくとも第4の街(ヴェスピス)周辺ではフィールドボスもしくはエリアボスといわれても頷けるとか……。



 「入っていきなりこいつとバトル羽目になるとか、なんてツいてないんだろうな……」

 「もうっ!ルータスが、「そうだ!森に行こうぜ!」なんて言うからこんな強いって噂の奴と出会っちゃったのよっ!」

 「ユキもルータスも、言い争ってる場合かよ?他のPTもチラホラ森の中にいるんだ。逃げてMPKなんてことにならないように、俺達が全滅するか奴を倒すしかないんだから集中しろ!」

 「なら奴を倒そうぜ、テンシン!俺達が攻略組に入る為には、強さを証明しないと……。その為にも、攻略組がやっと倒せるというこの森はクリアできないとダメだろ」

 「それはそうなんだけどさ……」

 「……そもそもそれ以前に前衛だけでここに来るのが無知無謀……」

 「うぐぅ!?ヒナの言葉が地味に厳しい」


 剣と盾を装備した守備系スキルの成長率が高いナイトと思われる金髪の少年ルータス。そのルータスに意見してたのが、槍を装備している武器の扱いに長けたウォリアーの赤い髪の女性ユキ。言い合いを始めた二人を止めたのは、おそらくウォリアーで大剣を装備する緑髪の男性テンシン。的確に鋭い指摘を行い、他の3人を怯ませたのがヒナというみたい。ヒナは背中に弓を背負っているところを見るに、恐らくウォリアーでしょう。

 どうやら単に殴るだけの脳筋じゃないみたいです……が、物理攻撃に特化してるというのは間違いじゃないですよね。ヒナに関してはフードらしき物を被っており顔を確認できません。顔を隠すような怪しい人物であるヒナ……。時折出るヒナの遠慮のない一言があっても問題ないほど4人は仲が良いのかしら?


 そんな前衛ばかりのルータス達が、森の中に数多くいるモンスターの中で不運にも出会ったのは、森の中で上位に属し、魔法をも使用してくるレッドホットボア。

 レッドホットボアがどういった攻撃をするかは私も知らないので丁度良いです。ルータス達には悪いですけど、ちょっと様子を見させてもらって、危なそうでしたら支援くらいはしてみましょうか。



 「来るぞ!皆散れ!俺達にとっては、初見の相手だが魔法を使うという情報はあるんだ。魔法に注意して、今までの戦術どおりそれぞれ最高の技で対応するぞ」

 「……戦術って言っても、ただスキルで得た技を打ち込んでるだけ……」

 「……言うなヒナ。だが、俺達がそれだけでここまでやってこれたのは事実!今は自分の力を信じるしかないんだ!」

 「ねぇ、ルータス。カッコイイ言葉で纏めようとしてるけど……いい加減マジシャンとかの支援メンバー探そうよ……」

 「俺もそう思うぞ。ルータス。攻略組が言ってるように、第5の街フォウクラッセンから力押しじゃ限界なんだ。こいつを倒してそろそろ新しいメンバーを探そうぜ?」

 「テンシン。お願いだからフラグが立ちそうなコメントはしないで」

 「い、今のセリフの何処にそんなフラグが立つところがっ!?」

 「……もちろんこいつを倒してメンバー云々の所……言い換えれば「この戦いが終わったら俺、結婚するんだ!」的な介錯に取れるかもしれない」

 「そこは言い換えないで欲しいんだけどな……っと来るぞ!」



 このルータスとか言う人たち、危険な状況みたいなのにすごいマイペースかも?ますます、この先の展開が気になります!一体彼らがどういった戦いをして、レッドホットボアの戦闘パターンを見せてくれるのか楽しみです!





 ルータス達の戦いは30分に及びました。まずルータスがレッドホットボアの発動範囲を探りながら前進。ボアが得意の火魔法ファイアボールを発動すると盾で受けるのかと思いきや回避。

 まあ、当然食らう必要も防御する必要もない攻撃を態々受ける人は居ませんよね。ルータスは何度かそれを繰り返し、魔法の効果範囲を調べたみたい。発動範囲と距離によって変わる魔法を見極め、レッドホットボアが魔法を発動すると同時に、背後や側面に回りこんだユキ、テンシンがそれぞれの得物で攻撃していく。ヒナはルータスの後方から、しっかりと狙いを定め、ユキたちの攻撃で隙の出来たレッドホットボアに次々を矢を放っていく。全弾命中という訳ではなかったですが8割方、当てたのだからヒナという子はかなり弓スキルが高いようです。

 15分ほど経過し3割のダメージを削ったところで、レッドホットボアは自分の周囲に《フレアケージ》という直接攻撃した者に対し、術者のレベル次第で反射ダメージを与える魔法を張りました。これによりユキとテンシンの攻撃が難しくなり、ヒナがメインアタッカーとなります。けど如何いかんせん、弓という武器は遠くから有利に攻撃が出来る反面、威力が弱いという特徴があります。


 「ユキ、テンシン。ポーションは後いくつだ?」

 「私は2つね」

 「俺は1つだ」

 「もう少し回復アイテムがあれば、反射ダメージ覚悟で突っ込んでもらえたのになぁ」

 「ルータス!あんた私みたいなか弱い女の子に向かって、火の中に突っ込めとか鬼畜にも程があるわよ」

 「待て!ユキのどこがか弱いんだ?名前に騙されて話してみたら男より気風きっぷが良いじゃないか」

 「なんですってぇぇ!」


 ルータスとユキがまた口げんかを始めました。この二人を見てると、いつものミヤとヘルガのやり取りを思い出し思わず笑みがこぼれます。


 「はいはい!そこの二人。仲が良いのは分かってるんだ。だけどまだバトルは終わってないんだぞ?」

 「俺が!」

 「私が!」

 「「こいつと仲がいいわけがない(でしょ)っ!」」

 「息ぴったりじゃないか。それを見て仲が悪いと言い直す事はできないって。それよりほら集中!」

 「くっ、テンシン。後でじっくり話し合う必要があるな!」



 しかしこの言い合いをした直後に、戦況は変わることになる。レッドホットボアの放ったファイアーボールがヒナに被弾し大きなダメージを受けたのだ。駆け寄ったユキとテンシンがすかさずヒナにポーションを使用し、体力を回復させていく。


 「ヒナァ!?大丈夫か!」

 「7割位減ったけど大丈夫。だけど矢を持つ右手に損傷を受けたから、暫くは攻撃できない……ごめん」

 「いや!悪いのは俺達のほうだ。格上で危険な戦いだって言うのに、喧嘩なんかしちまったせいで、ヒナを守れなかった。リーダーであり、盾役がこんな体たらくじゃダメだよな。ほんとにスマン」

 「ヒナ。私からもごめんね。もうこんな事が起きないように集中するから!」

 「……良い。でもどうしよう?攻撃が出来ないと、逃げるしかないかも」

 「だよな。敵の体力はまだ7割。それに対し、俺達は回復無しであの火のバリアを超えてダメージを与えないといけないって訳だ。……正直、厳しいな」

 「最悪逃げるのか?」

 「いや、むしろ他のPTに助けを求めた方が良い。今の俺達だとレッドホットボアの相手がきつい事がわかったしな」

 「……元から分かってた事今更後悔してもダメ」

 「だな。今回の事はリーダーである俺が悪かった。皆、スマンがデスペナを覚悟しておいてくれ」

 「しょうがないわね。その代わり、この債務の取立ては厳しくするからそのつもりで居なさいね」

 「……お手柔らかに頼むわ」



 ここまでの様子を見ていた私は、そろそろ支援の手伝いに入るべきと思い潜んでいた場所から踏み出しました。今まで黙ってみていた性格の悪い私ですけど、相手の事も知らず手助けをして文句をつけられてもイヤですから、この対応は仕方ありませんよね?彼らなら見た感じ、難癖をつけてくる雰囲気もありませんし。

 というわけで死ぬ覚悟をしてる彼らの支援を頑張るとしましょうか!


 「そこの方達、支援します! 【ヒーリングシャワー】、【ディスペル】」


 まずは傷ついた彼らの体力の回復をすませ、ヒナの腕の損傷を状態異常回復魔法のディスペルで癒しました。


 「!?腕の損傷が治ってる……」


 ヒナは、ステータスに表示されていたまだ10分は続くであろう損傷のバッドステータスアイコンが消えているのを確認し呟いた。


 「支援スキルもちなのか!?マジで助かった!ありがとう」


 ルータスが私にお礼を言うが戦闘が終わってないので注意だけしておく。


 「皆さんの回復は私がしますから、さっさとそのレッドホットボアを倒してくださいね。私の採取の邪魔になるので…」


 此処で悪態をつくのが私のクオリティ。馴れ合うつもりはありませんから構いませんよね。若干一名程その口ぶりと言い放った私を見て驚いていましたけど今は気にしません。


 ルータスからPTの申請が飛んできましたが当然?拒否をポチッとな。ルータスは申請を拒否された事に驚いていましたが、すでにレッドホットボアが目の前に来ていたので、詳しく尋ねてくるような事はしませんでした。

 その視線は後で聞きたいことがある的な感じでしたけど……戦いが終わったら直ぐ逃げる予定です。




 私が支援を開始した後からは終始ルータス達が優勢となりました。まあ当然ですよね。ルータス達の体力が2割を切っても、私の回復魔法で最大値まで回復するんですから死ぬはずがありません。

 その事に気づいた彼らは、避ける事すらせず、ひたすらレッドホットボアに攻撃を加え始めました。これに関しては流石に私もビックリしましたよ。まさか回避と防御を捨てて攻撃に集中するなんて。私に魔力回復スキルがなかったら魔力切れにより貴方たち即死でしたからね?

 という訳で、攻撃に集中したおかげで数分後にはポリゴンと化したレッドホットボア。


 「さて、手助けしてくれてありがとう……って、もう居ないしっ!?」


 先の宣言どおり、私は森の奥へ奥へと素材を探しに入って行き、情報どおりに大量に素材を集めた後はフォウクラッセンの街に戻りました。当然、私が町に戻った時、目の前にいたのはルータス達だったことは言うまでもありません。

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