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Dream Community Online(仮)  作者: ふんにゃり
高校生編!?
30/135

夏です!海です!イベントです!? 1-12

夏イベント編が終わらせられない!次くらいでやっと終われそう。


ちょっと伸ばしすぎました。文章よりサブタイトルが難産なので困ります。

 「くぅ!流石にこのヌルヌル感は厄介だわ」


 私は現在、裁縫用の施設に篭り、ヌマリザードの皮をなめしている最中です。普通の装備に使用する時のように装備の裏に縫い付けるだけでよければ、大して難しい素材では無いのですがリザードの皮本体をメインとして扱うのは非常に難しいといえます。

 理由はやはり、爬虫類や両生類といったモンスターの皮にはヌメリが付着していてそれを排除しない事には高い評価を得られないからです。と言うのも1枚目はヌメリを無視して作った結果


 【ヌルヌルな水着 (ビキニタイプ)】:レア★、評価1、敏捷+1

 リザードの皮に含まれる特有のヌルヌルを除去せず作り上げた為、着た状態で動くと間違いなく脂肪のある辺りがはみ出てくる。高頻度で男性を誘惑・堕落させる事ができる(笑)


 【ヌルヌルな水着 (トランクスタイプ)】:レア★、評価1、体格+1

 リザードの皮に含まれる特有のヌルヌルを除去せず作り上げた為、着た状態で動くと間違いなく一部分が刺激され大変な事になる。超高頻度で女性に嫌われる。



 というものです。うん、女性にとっては最後の説明文は笑えませんよね。あと、どこがはみ出るかなんて具体的に言わなくても分かって頂けますよね?ゲームとはいえ、異性にそれを見られて良い気分になる人なんていない……はず?居ないに決まっていますよね!特に年代的には学生プレイヤーが多いので、なおさらです。 男性の方は知りません。勝手に嫌われてください。それを着た貴方が悪いのですから。




 という事で久しぶりに鑑定を使いヌマリザードの皮の説明を調べました。


 裁縫・ヌマリザードの皮:種族独特のヌメリを取るなら、シクロ岩塩で揉み洗いをする必要がある。

 なめす際に、力加減を間違えると品質が著しく下がるので注意。


 「なるほど。とりあえずシクロ岩塩を採りに行く所からしないとね」




 シクロ岩塩は二つ目の街で《花の街:エンローズ》という町の先にあるダンジョン《グリニア鉱山》にあり推奨されるレベルは20程度だそうです。



 エンローズの街は名前の通り町の至る所に様々な種の花や樹が植えられている簡単に言うと女性向けの街です。ここには前回ナナと一緒に来ており転移登録済みで、初めてここにきた時は自分たちがどこまで戦えるかトライしてましたから素通りしたのです。

 でも今回改めて訪れて良さそうな所だなって思いましたよ。たとえば雑貨屋さんをのぞくと香料士で使えそうな素材がたくさん売ってましたし。

 あと街の中を歩いていますと、区画分けされた農地や、動物を飼えそうな厩舎などの販売がしてありましたね。値段的は、1区画5万Cと高いですけど買えなくは無いといった所でしょうか。


 っと、街の説明はまた次回来た時にするとしましょう。近い将来ここに来る事になりそうな気がしますし!




 カツーンカツーン……


 私はグリニア鉱山内の入り口から割かし近い場所にある採掘ポイントでツルハシを振るっています。【採掘】スキルを取得すればもうちょっと楽になるのですけど、今回くらいしか使わなさそうなスキルを取りたいとは思いませんので、エンローズで購入した一時的に採掘が使えるようになる補助道具ツルハシを振るっている所存です。


 「腕が痛い!気がする!ってか腕力低いからぜんぜん掘れないし!」


 そう、私はステータス的には、腕力1(+14+3)の18しかないのです。ここの推奨される平均レベルは20前後と説明しましたよね? はい、要するにステータスが足りません。全く採れない訳ではないですけど欲しいシクル岩塩が確実に来るわけでもありませんしね。


 「こう言うときに限って腕力補正の装備なんて持ってきてない。というよりも作っても自分でつける気がないとも言いますか……」


 そもそもステータスポイントが7あるので腕力に2か3ふればそれで解決する問題。ですがそれをすると私は何かに負けたことになってしまいます。


 「くぅ!歯がゆい!目の前にあるのに採れないなんて!」

 「あれ~?そこのお姉さん。何か困ってるの?」



 突然掛けられた声に驚き、振り返るとそこにはミミがピョコンと立っているウサギの獣人の女性プレイヤーともう一人同じく狐っぽい女の子の獣人がいました。


 「シクル岩塩が欲しくて採掘しにきたんですけど、ステータスが足りないみたいで補助道具を使っても掘れないんです」

 「あ~、なるほど~。確かにここは腕力が補正込みで22は欲しいですからね~。お姉さんは見た目からしてマジシャン系ですよね。それなら掘れなくても仕方ないかも~」

 「やっぱりそうなんですね。困ったわ」


 私は近くに採掘を頼める人(獣人さん)がいるのに、話すのが苦手なせいでそこに思い当たる事はありません。ですがそこは空気を読める優しいウサギの獣人さんが気を利かせてくれました。


 「良かったら私が採掘しますよ~。その代わりと言ってはなんですけども、採掘中に襲ってくるモンスターの排除をお願いできますか?ここまで来れたという事はレベルもそれなりに高いんですよね?」

 「えっ?お願いしてもよろしいのですか?私としてはそっちの方が助かるのでありがたいですけど……」

 「はい、もちろんです。私は鍛冶スキルをはじめ生産スキルを色々取得している代わりに戦闘スキルがなくて、ここまでの戦闘も全部スキルの【脱兎】で避けるか、隣のこの子の戦闘スキルで切り抜けてきたんです。もしお姉さんが露払いをしてくれるのでしたら、火力が増えるので安心して採掘できます」


 このウサギのプレイヤー凄いのかもしれません。戦闘全部逃げるとか。ウサギ獣人で脱兎スキルと言うのも地味にイイ……。


 「そういうことなら是非おねがいします。私はレイカと言います。よろしくお願いします」

 「私はウサミって言います。そしてこっちの全く喋らないのは私の護衛と言う名目で付いて来たルルカです」

 「レイカさん始めまして。ルルカです。得意武器は弓と短剣です」


 ようやく喋ったのが自己紹介とかルルカちゃんも話すの苦手なのかな?得意武器が弓ってことは私と同じく後衛職なのね。見た目に寄らずしっかりした話し方をする子です。


 「私はマジシャン(?)で、風・光・闇の3属性を使えます。回復魔法も得意だから一撃死されない限りは大丈夫ですよ」

 「え!?闇魔法なんてあったんだ?」

 「闇魔法……取得条件は不明です……よ?」


 やっぱり、そうなんだね。私もおかしいと思ってたもん。だけど条件に関しては大体予想ついてるんだよね。


 「多分だけど、夜のフィールドとか洞窟等で大量のモンスターを範囲魔法とかで一気に倒す事が条件じゃないかな?」

 「その予想って情報掲示板にあげてるの?」

 「いえ。確証がないので誰にも言ってないですね」

 「それなら検証してもらう為にも情報をあげたらどうですか?」

 「そう…ですね。後でそうします」



 ウサミさんとルルカちゃんとPTを組んでからは色々早かったです。索敵に関してはルルカちゃんが特性の第六感を活かして大体先制を取れますし。敵が視界に入る頃には、魔法の詠唱が終わってたりするので視認と同時に魔法でアボーンですね。私の魔法の威力についてはルルカちゃんが結構驚いていましたが突っ込んで聞かれる事はなかったのでいいとしましょう。空気を読めるルルカちゃんは良い子ですね~。


 ウサミさんは私達の戦闘に気を向けることなく、一心不乱に採掘してくれてましたので、解散する頃には大量のシクル岩塩が採れてました。ウサミさんいわくシクル岩塩はよく採れるけど、使い道が料理位しかないのであまり売れ筋ではないらしいです。

 私はウサミさんにイベント期間中、シクル岩塩が取れたら売ってくれるようにお願いしておきました。


 イベントもゲーム内時間で後1週間程で終わりますから早く水着を作ってイベント専用の島とやらの素材を確認したいものです。


 そうそう、解散間際、二人にフレンド申請をされましたけど事情(特性)を説明し断らせていただきました。代わりにミヤとフレンド登録してもらっておきました(本人了承済み)。これでミヤ経由と言う形になりますが、ウサミさんやルルカちゃんと連絡が取れるようになりますからね。




 その日、始まりの街に戻り裁縫の施設を利用しリザード皮の塩揉みを開始しました。

 鑑定の結果どおり、あのヌメリがあっという間に取れて水着に加工しても大丈夫な気配がびんびん感じられます。ですがここで無茶をしちゃいけませんね。塩揉み後はリザード皮が破損しやすいと言う説明がありましたから。なので私は塩揉みが終わった後、流水で洗い流してみた所、水圧で破れてしまいました。


 次にタライに水をためて優しく洗うと水圧で敗れる事はなかったですが、別問題として水に漬けておく時間を測らないとふやけてしまい、取り出した時に形が崩れてしまいます。


 「なんて厄介な皮なのかしら」



 試行錯誤の結果、何とか安定して評価7以上を出せるなめし方を発見した私はなめし作業を一気に片付けておく。

 リザード皮の発見した方法とは、塩揉みでヌメリを取りきらないようにした後、タライでやさしくサッと洗い30秒で引き上げる。引き上げた皮を乾燥室に間隔をあけて干すとここで評価5を得ることが出来た。

 7にするにはこの後さらに、先ほど塩揉みに使った塩を水に溶き(これで少しだけヌメリが水に混ざる)、それを乾かした皮にハケで薄く延ばす様に塗りつける事。こうする事で強すぎないヌメリで皮の強度が大幅に増えることになった。

 ここまでの物ができればそこから水着に加工するのは簡単でした。



 ウォータースーツ(女性用:ビキニ・パレオ型):期間を問わず浜辺や水中に入ることが出来るようになる女性用水着。基本ステータス+3、レア★★★、評価7、全ステータス+2


 ウォータースーツ(男性用・トランクス型):期間を問わず浜辺や水中に入ることが出来るようになる男性用水着。基本ステータス+3、レア★★★、評価7、全ステータス+2



 他にも女性用ではワンピース型・セパレーツを、男性用ではブリーフ・ブーメラン型を作り上げました。ステータス補正値は全て同一にしたので、補正をめぐって喧嘩にはならないと思います。

 ただし、私の水着に関しては抑えなんてしてません。何とか1着だけ縫い方を変えて評価8を作れましたのでそれに香料を封じ込め、通常のステータス補正をさらに+1されてます。



 私専用ウォータースーツ(ビキニ・パレオ型):期間を問わず浜辺や水中に入ることが出来るようになる製作者専用水着。基本ステータス+4、レア★★★、評価8、全ステータス+4、(香料)全ステータス+1




 水着が完成した事をヒラメキたちに知らせると30分もしないうちに水着を注文していたヘルガ、ミヤ、ヒラメキ、ミリィナさんの4人が施設内に集まってきていた。

 4人にはそれぞれ好きな種類の水着を選んでもらっている。ミヤはセパレーツのもの、ヘルガはトランクス、ヒラメキはブーメラン、ミリィナさんは私と同じ種類のビキニ・パレオを選んだ。



 「こ、これがレイカさんのつくた水着か!すごいな。NPC製と比べると補正が天と地の差だぜ」

 「予想はしてたけど、この水着でも十分戦えるステータス補正よね」

 「頼んだ甲斐があったよ、これは!これさえあれば島に採掘にいけるな。レイカさんありがとう」

 「やっぱりビキニはちょっと恥ずかしいかなぁ?」



 若干一名的外れな事を話しているけど、概ね良い感想をもらえました。



 「よし、じゃあ早速皆で島行こうぜ!」

 「「「さんせーい」」」

 「え?私も行って良いんですか?」

 「もちろんよ。ミリィナさんもどうぞ」

 「じゃあお言葉に甘えて」



 ビーチからイベントの島まで向かうが途中のプレイヤーたちは皆NPC製の簡素な水着を着ているのでハデハデな水着の私達は目立っています。


 「お、おい!あの水着。すげぇ!胸元がパネェ!」

 「可愛い水着いいなぁ。私も欲しい……」

 「女の子全員レベルタケェ!?ぜひともナンパして持ち帰りたい所だ!」

 「おまわりさん!この人が犯人です!」

 「まてぇ!シャレにならんからヤメレェェ」

 「俺様はおまわりさんだ。そしてお前はギルティ!ちょっとお兄さんとイカ臭い部屋に行こうか」

 「タ、タスケテェェェ」


 途中からやな感じの会話でしたけど私達は皆、スルースキルがあったので問題視しませんでした。

 島までの海を泳いでいるとやはり魚系のモンスターが来るわけですが、自作水着の補正のおかげか敵があまり強く感じなかったので、ヘルガがサクッと片付けて10分ほどでイベントの島にたどり着く事ができました。



 イベントの島《トレジャーハン島》は大きく分けて4つのエリアがあります。

北にはイベントダンジョン財宝の祠が。南(現在地)にはイベント中使用できる簡易転移装置を始め、お店がずらりと並んでいる集落があります。西には大きな密林が拡がっており、東には岩石地帯があります。



 「ついたぜぇ!じゃあ俺は早速採掘してくるからここで失礼するな。レイカさんへのお礼は後日させてもらうわな」

 「ヒラメキお疲れさま。御礼いただけるのなら期待しておきますね」

 「うぉっ!?プレッシャーだ。水着の礼だしマジで良いもん作ってやっからな!」


 そう言うとヒラメキは島の東端の岩石地帯に向かっていきました。


 「私達は財宝の祠に行ってみるわ。レイカとミリィナさんも一緒に来る?」

 「俺としては他の所も回りたいんだけど、ミヤがどうしてもって言うから仕方なくな」


 ミヤとヘルガは早速ダンジョンへ向かうみたいね。


 「誘ってくれてありがたいけど私は西に用事があるからパスさせてもらうわね」

 「あのっ、それじゃあ私はダンジョン御一緒させていただきたいです」


 私が断りをいれるとミリィナさんはミヤたちと一緒に行くと言う。


 「それじゃあここで解散ね。お疲れさま。お互い良い成果が出ると良いわね」

 「そうね。レイカ。レベルの数値は低いんだから調子に乗らないようにね?目立つの嫌なんでしょ?」

 「うん。気をつけるわ。ミヤたちこそ油断しないようにね」

 「えぇ。大丈夫よ。ミリィナさんという火力も増えたし問題ないわ。回復魔法も使えるって噂だし」

 「えぇ!私がヒーラーなんですか?大変そう」

 「任せたわ!トッププレイヤーさん!」

 「こ、こう言う時だけトッププレイヤー扱いはひどいですよぉ」



 軽口を叩きながらミヤ達は私に手を振りながら北に向かっていきました。あっという間にソロになった私はその後、イベント期間ぎりぎりに北と西を何度も往復する事になるとは夢にも思っていませんでした。

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