夏です!海です!イベントです!? 1-10
終盤で予定外のイベント?を入れてしまいました。
そのせいでこの先の展開考え直しですわぁ。
と言うことで展開があまりにもひどいとか思われるようでしたらご一報お願いします。本筋に戻せるように頑張るので……。
「え~、何でレシピが出てないのよぉ?ここのボスを倒したらドロップするんじゃなかったの?」
私はアースドラゴンベビー討伐後にアイテムボックスを確認して落胆しています。理由は先の言葉から分かるように目的のドロップアイテムだけが出なかったから。
「ちょっとパパに聞いてみよう!文句いわなきゃ!」
インスタンスダンジョンから排出された後、私は始まりの街に戻るなりログアウト。
自室から急いで降りるとパパへ不満などを書いておくノートにボス倒したのにドロップしなかった!
と言う文句をデカデカと書いておきました。
他にもパパに関係ないこともグチグチと書き連ね、少しは気分が収まったところでログイン。
「アースドラゴンは一人でももう倒せる気はするけど、俊狼シリーズじゃもうダメかもね。取りあえずダンジョンで手に入れた念願の熊の毛皮で装備色々作ってみようかな?ウルフレザーの同評価のとどれだけボーナス値が違うかも知りたいし」
思い立ったが吉日と言う事で、手持ちの熊の毛皮を調べると軽く100枚超え。
「これだけあれば、こっちの時間で8時間位かな?そういえばハニーベアの毛皮の方も同じ種類の毛皮だし、ついでに研究してみよっと」
生産施設に行き、まずは糸作りとなめし皮の制作に取り掛かり、作り上げたのは次のもの。
【豪力の糸】:ゴーリキ茸から取り出された腕力上昇効果のある糸。レア★★★★、評価7、この素材で装備を作った時、評価ボーナス以外にも追加で腕力+2される。
【疾風の糸】:速飛び草から取り出された敏捷上昇効果のある糸。レア★★★★、評価7、この素材で装備を作った時、評価ボーナス以外にも追加で敏捷+2される。
【鋼体の糸】:ゴウタイ蔓から取り出された体格上昇効果のある糸。レア★★★★、評価7、この素材で装備を作った時、評価ボーナス以外にも追加で体格+2される。
【マギーベアフード】:レア★★★★、評価9、体力・魔力・体格・賢さ+9
【ベアシューズ】:レア★★、評価8、体力・敏捷+4
【ベアースカート】:レア★★、評価8.5、魔力・敏捷+4
【ベアジャケット】:レア★★、評価7.5、体力・体格+3
上の糸3種はインスタンスダンジョンで採取した素材で作った糸。そして下段のが熊の毛皮から作ったものですね。とりあえず糸の方は、レアリティが高いのでしばらく取り置きしておくことにします。
この糸はナナに渡すと約束した装備に使いたいですし。
糸ですが、説明に書いてある通り装備制作時にこの糸を使って作ればそのステータスは評価に関係なく追加されるようです。
次に熊の毛皮装備ですがベア~は通常品、マギーベアというのがきっとウルフで言う俊狼に当たる装備なのでしょうけど一発目からできるとは予想外でした。
あとベア装備だと評価7台と8台で変わるようですね。7と7.5のステータス補正が+4として8や8.5になると+5になる。+9なら6かな?もしかしたら+7かも?この辺は要研究だよね。
と言う事で俊狼シリーズの同じフードと比較してみた結果大きく性能が違う事が判明しました。
【俊狼のフード】:レア★★★、評価9、体力・魔力・体格・賢さ+6
【マギーベアフード】:レア★★★★、評価9。体力・魔力・体格・賢さ+9
「うん、やっぱり俊狼シリーズより強いのね。ベア装備の方もやっぱりウルフの上位装備で確定ね」
作成結果が予想通りの良い物だったので、私は残りの熊のなめし皮を次々に加工し装備品を生産していきました。
装備制作から7時間後、予定よりも早く毛皮がなくなったのでこの辺で切り上げることにしました。
結局この7時間でベア装備を作り続けましたが、マギーベア装備はフードとブーツの合計2種類だけ作り上げる事ができました。
そしてもちろん作った後のベア装備で俊狼系を上回る性能の物があると部分的ですが変更しておきます。
この結果、俊狼装備の時より体格も5以上強化されてますし、魔力や賢さも7上がりました。だけどスキル自体のレベルに不満があるので、ゲーム内時間で数日はインスタンスダンジョンで翌日分の熊の毛皮を集める目的で周回することにします。1層だけ出入りするのでレア糸の素材は手に入りませんけど、今はそれでも良いです。
レイカが周回作業に入り、しばらくすると掲示板に1時間ごとにインスタンスダンジョンへ出入りを繰り返す可愛いコを見たと言う噂が流れる。数組のパーティがこの女の子を勧誘したがあっけなくスルーされたと言う。
「あ~、もぅ!突然声を掛けられたらビックリするわよね!ほんとに!」
通算、何度目か分からないけどインスタンスダンジョンから出たときに複数の男性がいるパーティに誘われたけど、なんか怖かったのでダンジョンに逃げ込みました。思い出すのは以前森のダンジョン前で勧誘してきた4人のプレイヤーたち。あのおかげでますます男性と喋るのがイヤになったんだよね。
「知らない男の人からの声掛けは無視しよう!ギリでいけるのはヘルガとヒラメキだけね」
ダンジョンと生産施設の往復作業はゲーム内時間で3日に及んだ。この結果、新たにマギーベアローブとマギーベアスカートを作成でき、ステータス補正値が大幅に上昇した。
そしてこの装備誕生の際の犠牲となった幾多ものベア装備は新たな主をバザーで待っている。
「麗華。イベントのレアドロップはもとより低く設定されているんだよ?倒したら絶対手に入るなんて面白くないだろう?とくにオリジナル水着レシピのドロップ率は今回のイベントの中で一番低いんだからね。
だからどうしても欲しいならボスを何度も何度も倒すくらいしないとだめだよ」
和仁は晩御飯時にそう諭してきた。
「うん。私もあの後落ち着いて考えたんだけど、パパが言った通りの結論に達したの」
「そうかい?それならいいんだけどね。それよりも僕が気になったのは麗華のステータスがあがりすぎている気がする点だなぁ。いくら生産スキルもちで現実で多少は慣れているからと言っても、評価9以上をポンポン作り上げられると開発者側としては困るんだけどね」
「え?そうなの?ついつい楽しいから作りすぎたのかしら?じゃあ自分達の分以外は高評価のもの作らないようにするわね」
「う、うん。まあそれならいい……かな?」
和仁としてはまた修正パッチを入れたいと申し出たい所だったが、麗華の家族と七実にだけ見せる絶世のスマイルにコロッとヤられ、喉元まで出ていた言葉を飲み込むことになった。
翌日、私が来ているのはインスタンスダンジョンの最奥部ドラゴンの部屋。今からドラゴン虐殺会が始まることになるのです。
「で、出たわぁぁあぁぁ!」
アースドラゴンベビーを虐殺し続けることおそらく53回。30回倒した頃に【ドラゴンキラー】の特性に目覚めることもありました。
そしてようやくポロッと落ちたのはお待ちかねの《ウォータースーツのレシピ》。
「な、長かった。もう飽きを通り越して無心で作業する様に狩をした結果がやっと報われたのね」
あまりにドロップしないレシピをやっと入手してもすぐには感動は来なかったのだけど、時間を置くと喜びが込み上がってきました。
というかですね。大問題がありまして周回しすぎてマジシャンのベースレベルが48になりました。ソロ時の獲得経験値30%上昇のおかげで3回ドラゴンを倒せば約4回分の計算ですもの。そりゃあれベルも上がるよね。
「確か今一番レベル高いのは大旋風のアキラとか言う人の29だっけ。どうしよう。私、有名プレイヤーの2倍近いレベルになってる」
もうこうなったら頑張って50まであげて次の職業のLV1桁にして騙すしかないですよね。
そういうわけでレシピが入ったのに私はインスタンスダンジョンに潜り続けました。そして……
「……レシピ2つ目……なんでよ?1時間前に喜んだばっかりなのに……」
私の手には2つ目となる《ウォータースーツのレシピ》。
「コレが噂によく聞く物欲センサーなのかしら……体験したくなかったわね……」
ちなみにドラゴン自体は風塵魔法で完封勝利できるようになったので1周あたり15分も掛かりません。それもコレも装備がいいおかげ。
ドラゴン種族だけあり、もともと高い経験値ですが討伐時の取得経験値はベースレベルが上がるに連れて下降していくのです。
ただし、イベントバトルのクリアボーナス経験値は一定の数値が確実に手に入るので一番都合が良いのです。ドロップ素材も《竜のウロコ》や《竜のヒゲ》といった激レアに当たる素材もかなり取得していますが、残念ながら初期で取得できる裁縫スキルではカンスト間近でも加工できる内容すら表示されませんでした。
レシピ2つ目取得からさらに2時間後。私の職業レベルはマジシャン50となりとうとう転職する時がやってきたのです。
街に戻り転職することが出来る神殿に向かう途中、街に中にいるプレイヤーが全員、私を見て眼を丸くして恐ろしい者を見るような顔をしています。それもそのはず、その理由とは……。
「ち、ちょっとおぉぉ!レイカ~。こっち来て早く!」
ミヤに捕まり宿屋に拉致されてしまいました。中にはヘルガの姿もあり、ヘルガも私を見て変な顔をしていました。
「ねぇ、レイカ。貴方一体何をしたらそうなったのかしら?」
ミヤは全く意味不明なことを言ってくるので逆に質問を返します。
「ミヤの言ってる意味が分からないよ?私は単に狩が終わって転職できるレベルになったから神殿に向かってただけだもの……」
「それで?レベルいくつになったの?」
「……言わなきゃダメ?」
「当たり前でしょう!?さっさと言いなさい」
「うぅ、ご、50……?」
その言葉を聞いた時のミヤの顔は凄かったんですよ?大きく口を開けてアゴが外れるんじゃないかってくらい伸びてましたから。ヘルガさんはベッドに倒れこみ強制ログアウトの光に包まれていましたけど一体どうしたのかな?急用??
しばらくしてヘルガが戻ってきてそのすぐ後にミヤも復帰した後は質問ラッシュでした。
「レイカがここまでキチガイだとは思っていなかったわ。確か3日前にパーティ組んだ時28とかだったわよね?それが今日、会ってレベルを聞いたら50って?なによそれ……」
「ヒドイ!?私はキチガイじゃないよ!単にレシピでないからボス狩り続けてただけなのに!」
「レイカ、貴方ね、今凄い話題になっているのよ?今の貴方の姿SS撮ったから見てみなさい?多分自覚していないでしょうから」
そう言われてミヤが撮った私のSSにはアバターから青やらオレンジの光が溢れ出ているように見えますね。なんでしょうねこれ?
「運営に聞いたところ、レイカさんの今の状態はオーラ状態と言われるらしい。オーラが出る条件は職業レベル最大になった時だ。最大レベルなら一次職業でも二次職業でも出るらしい」
もしかして……
「ま、待って?じゃあ何。今の私はレベル50ですって言ってるようなもの?」
「だからそう言ったじゃないの……」
「そ、そんなバカな~」
「「それはこっちのセリフだから(な)!」」
それはヤバいです!目立ちたくないからさっさと転職するつもりだったのに逆に目立ってしまうなんて!こんな事になるなら48のままでやめておけばよかったよ。
「どどど、どうしよう!ドラミヤちゃーん」
「だれがドラミヤちゃんかっ!私は秘密道具なんて持ってないんだから、一刻も早く転職してくるかしないと目立ち続ける事になるんじゃないの?」
「うぅ!そうだった~。でも今のままじゃ出れないよね……」
宿の下を見ると大勢のプレイヤーが集まってきている。どう見てもオーラ状態の私を見たか見たいからですよね。
「ミヤ……この部屋借りてログアウトしても良い?このまま囲まれたりしたら、私発狂しちゃうわ……」
「良いわよ。人の波が落ち着いたらメールするわね」
「うん。二人とも迷惑掛けてごめんね。それじゃあ落ちます」
「おう、おつかれ~」
ログアウトした私は、パパに助言を貰うべく部屋に向かうのでした。
名前 レイカ
種族 魔族
職業 マジシャンLV50
スキル 【裁縫30/30】・【採取30/30】・【風塵魔法LV25/50】・【精神統一47/50】
【魔法運用の知識46/50】・【香料士22/30】・【誇り(プライド)44/50】・【体⇒魔変換38/50】
【光魔法LV28/30】【闇魔法LV26/30】
特性 闇の加護・古き英雄の記憶・下克上・ドラゴンキラー
ステータス 体力5(+16) 魔力30(+24) 腕力1(+4)
体格5(+25) 賢さ30(+16) 敏捷14(+8) 運5(+8)
ステータスポイント 残り 0
スキルポイント 残り 12
風魔法;ウィンドボール・ウィンドカッター・ウィンドヒール・テンペスト・サンダー・アンチパラライズ
風塵魔法:ウィンドベル・シルフスクリーム・ウィンドブレイド・エアスラッシュ
光魔法:シャイン・ライトヒール・シャインストーム・ディスペル・ヒーリングシャワー
闇魔法:ダークボール・ナイトメア・ダークウェーブ・ブラックバースト・ダークネススラスト
裁縫:糸作成・鑑定・飾り縫い・良品成功率8%上昇・派生率+6%・雅縫い
採取:採取ポイント発見・採取個数アップ・レア発見率+2%・採取ポイント復活速度2秒アップ
精神統一:魔力自然回復量中上昇・魔力値+6・魔力自然回復速度中上昇
魔法運用の知識:魔法攻撃力小上昇・賢さ+6・魔力+5・魔法攻撃時8%の確率で連続魔法
香料士:モンスター遭遇率・狙われやすさが10%上昇・香封・開放・品質アップ・調香率7%上昇
誇り(プライド):格上相手と戦闘時、腕力(物理攻撃力)・賢さ(魔法攻撃力)が31%上昇。
体⇒魔変換:体力10%と引き換えに魔力を38%回復




