表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/135

GW戦線。風雲ギルドバトル 12-1

 「ど、どういうこと?」


 昼食を終えるとほぼ同時に和仁パパから連絡があり、ギルドバトル決勝戦が中止になったと聞かされました。


 「麗華達…夢の雫と影法師の戦いの際に、装備を変更した瞬間があっただろう?」

 「えぇ、あのままじゃ、皆がやられちゃうと思ったから制限ギリギリの装備に変えたけどそれが?」

 「あの装備だが、実は補正ステータスはギリギリOKではなく、ギリギリアウトなんだよ」

 「…えっ嘘っ!ちゃんと運営からのメッセージには全ステータス補正40以下の物に限るって書いてたわよね?」

 「そうだ。だが麗華。あの装備に付加効果をつけただろう?」

 「……あっ!」


 和仁の話によると、私が着替えた「天見兎」の装備は基本ステータスが+35~+40あり、そこに調香士の香り補正による微上昇が乗り、敏捷の補正値が既定数値をオーバーしたという事でした。



 「協議の結果、【夢の雫】は装備品に関して大会規定オーバーとして失格。

 優勝はBブロック代表の【滅神】となった。勿論準優勝は各ブロックの決勝まで行った【影法師】と【百姓一揆】となった」

 「そう……なのね。分かったわパパ。知らせてくれてありがとう。私はこれからギルドメンバーに謝ってくるわ」

 「う、うむ。そうしなさい」


 最後にドモったパパの反応に多少違和感を覚えたものの、いまは謝るのが先と気にしない事にしました。



 ログインすると、既に結果を知ったらしいナナ、ルルカ、ウサミ、シヅキ、スミナ、コノハがいました。

 ギルドメンバー勢ぞろいですね。ウサミも来てるし丁度よかったわ。


 「レイカちゃんきたー。結果は聞いたよ。残念だったね」


 ナナが真っ先に声をかけてきましたが、それに対して頷くだけの反応を返し、皆と向かい合うように立ち、頭を下げました。


 「皆、ごめんなさい。私の作った装備のせいで、皆に迷惑をかけてしまったわ」

 「そんな事気しないで良いさ。あたしはここまで勝ちあがれただけでも満足しているからね」

 「そうですよ!私達も十分満足してますから、レイカさんが謝る事なんてないです」

 「わ、私は別に決勝なんてどっちでも良いんですのよ?ギルドに入れてもらうのが目的だったのですから」


 ルルカは気にしてないと返し、シヅキ達も同じ様に返してくれる。若干一名……コノハは本音をぶちまけてくれてますね。でもそれはさっき本加入の際に聞いてましたよ。


 「レイカちゃん。皆優しいね~」

 「そうね。ナナはこの結果に不満は無いの?」

 「うーん。アキラって人と戦ってみたかったかなぁ」


 ナナがそういうと、別の方向から声が聞こえてくる。


 「それは同感だな。俺としてもレイカだけでなくお前とも戦ってみたかったんだ」

 「こんにちは。レイカさん。久しぶりですね」

 「あ、アキラさんにミリィナさん。……今回は私のせいですみませんでした。楽しみにしてらしてたのに」

 「構わん!という気はないが、代わりにPVPでもしてもらえないか?勿論装備の制限は解除でだ」



 声をかけてきたのは【滅神】のアキラ。この後戦うはずだった人ですね。そして隣にはミリィナさんがいます。ミリィナさんとは年明けにあったイベントで一緒して以来ですので、実に4ヶ月ぶりという所でしょうか。


 「さすがアキラだねー。ふとっぱら~」


 ナナは早速アキラを呼び捨てにしてますね。……まあ私も直接呼ぶ時以外は呼び捨てにしてますが。




 「返事は如何に?」

 「そうですね。装備制限があろうとなかろうと、決勝を行えなかった件の気が済むならPVP自体に反対はしません」

 「それなら当然、私も参加するよっ!」

 「シヅキ達はどうする?」

 「あっ、それなら私達は見る方に回らせていただきますっ!」

 「あたしもパスするよ」

 

 ルルカは大会が中止になったならリアルの用事を済ませると言って断りを入れる。

 シヅキ達はPVPの様子を観戦、他方向(三人それぞれ分かれて)記録するとのことでした。なぜ?


 「そう?じゃあ、アキラこちらからは私とナナの二人よ」

 「こちらから行くのは俺だけだ。ミリィナとメリーザは観戦するらしい」

 「では拙者が、アキラ殿に付くでござる」

 「あら、コメカミじゃない。そういえば滅神に入ってたんだったわね」

 「そうでござるよ。拙者の力が認められてやっと、試合に出られるまでになったのでござる」


 突如、柱の影から現れたコメカミに驚きつつ(もうサムライのロールじゃない気がする)も、普通に返事をしておく。


 「そうなの?じゃあ次の試合もでる予定だったのね」

 「是でござる。拙者の新スキルを披露できなくて残念に思ったでござるが、アキラ殿たちとレイカ殿がPVPすると言う話を聞いてしまっては出ない訳には行かないのでござる!」

 「ふむ、俺は別に一人でも良かったのだが、まあコメカミなら良いだろう」



 という事で午後は擬似ギルドバトル決勝戦をする流れになりました。


 2VS2の戦いになるので二人が戦闘不能になった方が負けという単純なルールで、装備に関しては制限無し。だけどナナが同じ性能の装備を使用したいと言い出し、少しだけイロイロありましたが、それも無事希望された方向に解決し今に至ります。

 


 「準備は出来てるわよね?それじゃ始めましょう」

 「無論だ。コメカミ。さっきの打ち合わせどおりで後は臨機応変に対応せよ」

 「了解でござる!」

 「レイカちゃん!私にもなにか声をかけてよ~!」

 「……ナナは大丈夫でしょ?」

 「その信頼があるだけで私は頑張れる!」



 ブツブツ何か言っているナナを放置し、2VS2のPVP申請を受理するとカウントダウンが始まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ